『ボストン ストロング』サントラ盤ライナーノーツでマイケル・ブルックにインタビューしました。

ランブリング・レコーズ様からのご依頼で、
『ボストン ストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~』(17)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂きました。

こちらのサントラはアメリカ本国ではダウンロード形式のみのリリースでございまして、
CDアルバムでのリリースは日本だけということになります。
去年の『gifted / ギフテッド』(17)と同じですね。

で、普通のレコード会社だったら、
「本国でCDリリースされてないなら、わざわざ日本でCDアルバムで出すことないよねー」という感じで発売を見送られるケースも多いのですが、
今回もランブリング・レコーズさんはあえてCDアルバム形態でリリースして下さったわけです。

さすがランブリング・レコーズ!
ほかのレコード会社にできない事を平然とやってのけるッ
そこにシビれる!あこがれるゥ!(2回目)

…というわけでワタクシもライナーノーツ執筆の機会を頂いた以上、
その心意気に答えなければならんだろうと思い、
作曲家のマイケル・ブルックにインタビューを敢行したのでありました。
というかワタクシはブルックさんの音楽が以前から大好きだったので、いつかご本人に取材してみたいと思っていたんですよね…。

 

ワタクシが初めてマイケル・ブルックの音楽を知ったのは、
映画『ヒート』(95)のサントラ盤収録の”Ultramarine”という曲。
あのミニマル&アンビエントなギター・インスト曲がものすごく印象に残って、
「マイケル・ブルックってどういうミュージシャンなのかな」と調べたのが始まりだった。

 

ただ1995年当時は今ほどインターネットが普及していなかったし、
仙台のレコ屋ではブルックのアルバムもほとんど売ってなかったので、
情報やアルバムを手に入れるのにものすごく苦労したんですよね。。

『アルビノ・アリゲーター』と『白い刻印』のサントラ盤は割とレアかも。

で、数年後にケヴィン・スペイシーの監督デビュー作『アルビノ・アリゲーター』(96)が日本でも公開になって、
マイケル・ブルックが音楽を担当しているという情報を仕入れたので、わざわざ東京まで映画を観に行ったのでした。
「サントラは出てないだろうな~」と半ば諦めモードで渋谷のCDショップを見て回っていたら、
サウンドトラックのコーナーではなく「ニューエイジ」のコーナーにブルックのソロアルバムと一緒に『アルビノ・アリゲーター』のサントラ盤が置いてあるのを発見して、
まるで宝物でも発見したかのように大コーフンしてCDを購入したのを今でも鮮明に覚えています。

ポール・シュレイダーの『白い刻印』(97)のサントラは渋谷のタワレコで買ったんだったかなぁ。
『イントゥ・ザ・ワイルド』(07)や『ザ・ファイター』(10)のスコア盤は配信のみのリリースだったのでiTunesで買いました。
ブルックのサントラ(スコア・アルバム)は近年配信のみのリリースが多くなってきておりますが、
『ブルックリン』(15)はCDでリリースされたし、アイリッシュ・テイストの音楽もキャッチーだったので、サントラを購入された方も多いのではないかと。

 

…というわけで「ブルックの音楽は結構聴きこんでいる」という自負のもとにインタビューを試みたのですが、今回はなかなか大変でした…。
いや別にブルックさんが気難しい人だったとか決してそういうわけではなくて(むしろ親切でした)、スケジュール調整にすごく苦労したなぁ、と。

 

「インタビューには喜んで答えるよ。でもいま仕事が立て込んでいて、すぐに返事出来ないんだ。数日待ってくれるかな」という回答を頂いたのですが、その”返事”がなかなか来なかったんですね~。
先方が忙しいと言っているのに、こっちの都合で催促するわけにも行かず、そわそわそわそわしながら返事を待っていたのですが、
原稿の締切3日前になっても音沙汰なしだったので、「こりゃ今回はインタビュー失敗かな…」と諦めかけていた翌日の明け方、遂にブルックさんからお返事が来たのでした。

 

お仕事で忙しい中、午後の休憩時間を使ってインタビューに応じて下さった感じでしたね~。
先方の仕事のご迷惑にならないように要点を絞って質問したのですが、
『ボストン ストロング』の音楽で何を描きたかったのか作曲者本人に語ってもらったので、ライナーノーツの中で正確な音楽分析が出来たと思います。

 

それにしてもU2の”With or Without You”のイントロで印象的な音を響かせたインフィニット・ギターの開発者ご本人に話を聞ける日が来るとは…。中学時代の自分に教えてあげたい貴重な体験でした。

『ボストン ストロング』のサントラ盤は好評発売中。
ブックレットもバックインレイも日本独自仕様デザインで、
ブックレットは見開き2ページですが劇中の写真を多く使っていて、
ミニフォトアルバム的なデザインになってます。

トレイ部分にこの写真を持ってくるデザインがグッとくる。

おそらく映画パンフでは音楽についてほとんど触れられていないと思うので、
サントラ盤でマイケル・ブルックの珠玉のアンビエント・スコアと共に、拙稿で音楽コラム的なものを補完して頂ければと思います。

アルバムの(ブルックの音楽の)概要についてはまた次回。

 

『ボストン ストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~』オリジナル・サウンドトラック
音楽:マイケル・ブルック
レーベル:Rambling RECORDS
品番:RBCP-3275
発売日:2018/04/25
定価:2,400円+税

 

 

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