空飛ぶペンギン -Mr. Popper’s Penguins-

mr poppers penguins

うーん、遂にジム・キャリー主演のヒット作が日本でDVDスルーになる日が来てしまったか、と何とも複雑な心境になりつつDVDを鑑賞。

映画本編は結構面白かったんですけどねー。ファミリー向けゆえジム・キャリーのギャグの破壊力は通常より控えめですが、相変わらずヘンな一発芸を見せてくれるし(グッゲンハイム美術館でのシャンパン芸は必見)、ペンギンはカワイイし、「仕事熱心で家族を気にかけなくなったポッパーさんが、父親の形見であるペンギンを引き取って家族愛に目覚めていく」というお話もベタながらいい感じだし、手堅くまとまってる佳作だと思うのです。話としては『ライアーライアー』(97)のノリに近いかな。

動物ものはファミリー映画の定番ネタだし、それがペンギンともなればさらにキャッチーな題材になり得るし、ジム・キャリーの日本語吹替えもちゃんと山寺宏一氏が担当してるし、この際ファミリー層にターゲットを絞って日本語吹替え上映を多めにして(注:こんなこと書いてますが自分は断然字幕派です)、山寺さんを前面に出して、動物園とかロッテクールミントガムなんかとタイアップを組んで夏に劇場公開すればそこそこイケたんじゃないかなーと考えたりもします。

しかしペンギンの鳴き声があんなにやかましいとは知らなかった。
「ギエェェーーッ!」とかそんな感じの声でした。

この映画、助演キャストがなかなか豪華でした。ポッパーさんの元妻アマンダ役が『エンジェル ウォーズ』(11)のマダム・ゴルスキーことカーラ・グギーノ、ポッパーさんが買収を狙う老舗レストランのオーナーヴァン・ガンディ夫人に『ジェシカおばさんの事件簿』のアンジェラ・ランズベリー、胡散臭い動物園係員のナット役に『アベンジャーズ』(12)のエージェント・フィル・コールソン役で知られるクラーク・グレッグ、ポッパーさんの口車に乗せられるグレムリンさんに『ヘルボーイ』シリーズのジェフリー・タンバー、ポッパーさんの会社の上司に『マグノリア』(99)のフィリップ・ベイカー・ホールと『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア』のアンクル・ジュニアことドミニク・チアニース(この二人が顔を揃えるとは、ちょいとヤクザな不動産会社ですなー)といった面々。

個人的には、”P”の韻を踏むのが大好きなポッパーさんの秘書ピッピを演じたオフィリア・ラヴィボンドが萌えポイントでした。『ロンドン・ブルバード』(10)にも出てたけど、結構目立つ女優さんです。

音楽は『サイドウェイ』(04)や『マイレージ・マイライフ』(09)のロルフ・ケント。相変わらず手堅い仕事ぶり。作品傾向的に90年代初期のマーク・シャイマン的なポジションをモノにしている感があります。サントラにはケントのスコアを27曲収録。1曲あたりの時間が短い(平均2分前後)のは、コメディ映画のスコアではよくある事ですね。

エンドクレジットでヴァニラ・アイスの”Ice Ice Baby”が流れたのには笑った。
ペンギンだから”Ice”繋がりで…という選曲なのでしょうけど、懐かしすぎ。

というわけで、日本未公開のコメディにありがちな「ギャグが笑えない(日本人に通じないネタが多い)」「下ネタが多い」という内容ではないのでご安心を。

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