人と人との繋がりが興味深い、『パシフィック・リム』の音楽

pacific rim

映画本編が激アツなら、音楽もまた激アツ。
というわけで『パシフィック・リム』のオリジナル・スコアの話をダラダラと。
作曲は『アイアンマン』(08)、『タイタンの戦い』(10)のラミン・ジャワディ。

さて今回のブログタイトルですが、
『パシフィック・リム』の音楽はいろんな人の繋がりから出来ていて、
それがなかなか面白いのです。
残念ながらこのサントラは国内盤が発売されていないので、
この場を借りて自分なりの思いや考えをライナーノーツ代わりに綴っていきたいと思います。

 

まず、いきなりエンドクレジット曲(しかもサントラ未収録)の話で申し訳ないのですが、
エンドタイトルのジャワディのスコアに続いて流れる「Drift」という曲。
ジャワディとRZA、Blake Perlmanの共同作曲となっています。
ヴォーカルのブレイク・パールマンというのは、
名字でお分かりの通りロン・パールマン兄貴の娘さんです。
『ヘルボーイ2 ゴールデン・アーミー』(08)にもニュースキャスター役で出演しているらしい。
前回も言ったけど、何て面倒見がいいんだギレルモ・デル・トロ監督は!
で、RZAとジャワディは『ブレイド3』(04)でスコアを共同作曲して以来の縁。
あれ1回きりの仕事じゃなくて、
10年近く経ってもちゃんと繋がってたという事実がグッと来ます。

そして今回ゲスト・ギタリストとして参加しているトム・モレロとは、
Additional Guitarとして参加した『アイアンマン』以来の縁。
(モレロは『アイアンマン』本編にもチョイ役出演してました)
モレロのような個性の強いギタリストをソリストとして立てると、
ミュージシャンの個性にスコアが負けてしまう事も少なくありませんが、
『パシフィック・リム』の音楽はオリジナル・スコアのクオリティを損ねることなく、
モレロのソリストとしての個性も両立させた絶妙なバランス感覚で成り立ってます。
例えるなら暴れ馬を自在に乗りこなす騎手のような編曲テクニック。

ちなみにジャワディ自身もギタリストなので、
『パシフィック・リム』では名手ジョージ・ドーリングと3人でギターを弾いてます。
三者のプレイスタイルの違いを味わってみるのもまた一興かと。
トム・モレロはトラヴィス・バーカーのCarry ItでRZAとも共演してますね。

 

そして肝心のオリジナル・スコアもアツい。
メインテーマは2,3回も聴けばフレーズを憶えてしまうキャッチーな旋律だし、
奥行き感のあるオーケストラにエレキギターとパーカッションを重ねて、
「オーケストラを使ったロック」とでも表現すべきパワフルな音を鳴らしています。
時にはマッチョな男声コーラスも交えるなど大盤振る舞い。
日本映画だと「怪獣映画には正統派のオーケストラ音楽」というスタイルですが、
やはりアメリカ映画だとロックの要素を入れたくなるものらしい。
このあたりは少々好みが分かれるところかもしれませんが、
デル・トロ監督とジャワディのコンビは、
しっかりオーケストラを聴かせてくれているのが素晴らしいですね。
SF/メカものだからといってバッキンバッキンしたテクノを鳴らさないのがミソ。
怪獣映画、巨大ロボ映画の何たるかをよく分かっていらっしゃる。

『アイアンマン』は3作目のブライアン・タイラーの音楽もよかったけど、
やっぱり1作目のジャワディの音楽(特にメインテーマ)がカッコよかった。
そんな「もしジャワディが『アイアンマン3』の音楽をやっていたら?」
…というサントラの”IF”を叶えてくれたのが『パシフィック・リム』とも言えるでしょう。

 

そんな点も含めて、非常にアツい音楽ではないかと考えております。
現時点でのラミン・ジャワディの集大成的な作品と言っても過言ではないでしょう。
ちなみにDjawadiの”D”を発音しないのはDjango(ジャンゴ)と同じ。
正確な発音は”Java-Dee”という感じらしいです。
「ドジャワディ」ではありませんので、是非憶えておいて頂きたいと思います。

※10/3追記
とか何とか言ってたら、12月のDVD/Blu-rayリリースに合わせて、
遅ればせながら国内盤のサントラを出すのだとか。
しかも件の「Drift」をボートラで収録するらしい。

 

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