『完全犯罪クラブ』はライアン・ゴズリングを愛でる映画です(たぶん)。

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先日『オンリー・ゴッド』(13)を観たうちの母が、
「このゴズりんは二度と観たくない」
「あの刀持ったおっさん(=チャンさん)が嫌」
…と実に分かり易すぎる拒否反応を示しまして、
「何かほかのライアン・ゴズリングの映画で気分転換したい」と言ってきました。

しかし我が家では『きみに読む物語』(04)以降のゴズりん映画はほぼ鑑賞済み。
あとは日本未公開の『Fracture』(07)ぐらいしかないのでは?と思ったのですが、
『完全犯罪クラブ』(02)は未見だったらしいのでDVDを借りてきました。
ライアン・ゴズリングの役は、
完全犯罪に魅せられた金持ちイケメン高校生リチャード。
頭はいいけどオタク系のクラスメイト・ジャスティン(マイケル・ピット)と、
「完全犯罪とは何ぞや」と日々良からぬことを企んでます。

で、オフクロ様の反応はというと、
「いま観るとなかなか面白かった(ゴズりんが)」
…とそれなりに楽しんだ様子。

自分自身、10年以上前にこの映画を観た時は、
「何だかパッとしない話だなー」ぐらいにしか思わなかったのですが、
2014年になった今改めて観直してみると、
「今だから楽しめる見どころポイント」みたいなものがいろいろ見つかって、
これが結構面白かったりして。

 

ごく私的な見どころポイントを挙げるならば、

その1:赤いレザージャケットや赤いシャツをソツなく着こなすゴズりん。
その2:カーステレオでアイアン・メイデンのThe Number of The Beastをかけながら、
ノリノリでメロイック・サインをキメるゴズりん。
その3:マイケル・ピットに「俺と女とどっちが大事なんだ」と迫るゴズりん。
その4:サンドラ・ブロックの顔をアドリブで舐め始めるゴズりん。

…の4点ではないかと。

まずその1ですが、
『ドライヴ』(11)のスコーピオン・ジャンパーとか、
『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』(12)のメタリカTシャツとか、
フツーの人が着たら絶対似合わなそうな服をサラリと着こなす、
ライアン・ゴズリング天性のファッション感覚が素晴らしい。

この顔でメロイッック・サインをキメキメです。
この顔でメロイッック・サインをキメキメです。

次にその2。
いまのゴズりん映画ではなかなかお目にかかれない演技ですねこれは。
メロイック・サインをキメつつ、
「イェ~~~~~~~~イ!」と裏声でシャウトまでしてくれるオマケつき。
車窓越しに口説かれた女子が笑ってましたが、
あれは素で可笑しかったんじゃないでしょうかね。。

そしてその3。
リチャードは別にゲイというわけではないと思うのですが(女子にモテモテだし)、
どうも”完全犯罪クラブ”の相方ジャスティンに友達以上の感情を持っているらしい。
いわゆるソウルメイト的な感じですかねー。
で、自分はモテモテにもかかわらず、
ジャスティンにカノジョが出来るとどうにも面白くない。
しまいにはジャスティンのカノジョを寝取って、
「アイツは誰とでも寝るような尻軽女なんだぜー」とのたまう始末。
リチャードとジャスティンの顔をひとつに合成した写真なんか飾ってあったりして、
ちょっと気味が悪い。

最後にその4。
自分の演じるリチャード役のサイコな一面を表現するために、
クライマックスの格闘でサンドラ姐さんの顔をナメることを思いついたそうな。
アドリブとはいえ、一応サンドラ姐さんに事前に断ったらしいのですが、
「俺の役のイカレた一面を出したいんで、姐さんの顔舐めていいですか?」
…とか言って相談したんでしょうか。

まぁ当時のサンドラ・ブロックはプロデュース業に積極的で、
プロデューサー権限でイケメンを共演者にキャスティングしていた時期なので、
(ヒュー・グラントとかハリー・コニックJr.とかベンジャミン・ブラッドとか)
決して悪い気はしなかったと思いますが。

で、後で調べてみたところ、
ライアン・ゴズリングはこの映画でシカゴ映画批評家協会賞の
有望俳優賞にノミネートされているんですね。
どっちかというと主犯はマイケル・ピットの演じたキャラのほうだし、
当時は『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』(01)のヒットを受けて、
ピットのほうが勢いがあった印象なのですが。
現在のゴズりんのブレイクっぷりを見ていると、
やはり批評家の着眼点は違うなーと思ってしまいますが。

 

ただ、確か当時の某映画雑誌の映画評だと、
「犯人役の二人もパッとしない映画」みたいな批評が書いてあった記憶もありますが。
そのレビューを書いた評論家も、
ゴズりんが今のようにビッグになるとは思っていなかったかもしれませんね。。

というわけで、2010年以降にライアン・ゴズリングにハマった方で、
まだこの映画を観たことがない方は、
観ておいて損はないかと思います。
ちなみに本作に出演しているクリス・ペンは見るからに不健康そうな太り方をしていますが、
この映画の公開から4年後に40歳の若さで亡くなられてしまいました。

 

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