『ツイン・ピークス』の ハイビジョン2カ国語版放送開始に備えてサントラ盤を聴く。

twin peaks

4/10からWOWOWで『ツイン・ピークス』のハイビジョン2カ国語版を放送するということで、
実家からサントラ盤を持ってきました。

ワーナー盤のサントラを買ったのは高校生の頃だったかなー。
ドラマの日本初放送時はWOWOWに加入していなかったので、
TBSが深夜に放送していたのを観たのが最初だったと思います。

ワタクシ基本的に洋画も海外ドラマも字幕で観るのですが、
『マイアミ・バイス』と『ツイン・ピークス』、
『刑事コロンボ』と『ファミリー・タイズ』は、
原語&字幕より吹き替えの声とセリフ回しですっかり馴染んでしまってますね。
クーパー捜査官の声は原康義さんで、
トルーマン保安官の声は銀河万丈さん、
ドナ・ヘイワードは高山みなみさん、
ルーシー・モランは安達忍さんの声じゃないと何だか落ち着かないほど。

ことほどさように『ツイン・ピークス』は我が青春の思い出ドラマなのですが、
久々にサントラを聴いたら、
これがまたどっぷりハマってしまったのでした。

 

twin peaks_albums
実家から持ってきた『ツイン・ピークス』サントラ盤。 映画版は必要なかったか…?

『ツイン・ピークス』の音楽は基本的にシンセサイザー・サウンドなのだけれども、
25年経っても音に全く古さを感じさせない。
ミステリアスでジャジーでエロティックでダークで夢心地、という魅惑のサウンド。
アンジェロ・バダラメンティはやっぱり凄い作曲家です。

 

当時ワーナーから発売になったのはシーズン1のサントラ盤…と当時は思っていましたが、
どちらかというとパイロット版「序章」のサントラという感じなんですよね…。
まぁドラマの音楽というのは同じ曲を別なエピソードで使い回したりするので、
このサントラを買っておけばそれなりに満足感は得られるのではありますが。
ちょいエロなジャズ調の「オードリーのテーマ」とか、
ここぞという時に毎回流れた「愛のテーマ」も入ってるし。

しかし視聴率が伸び悩んだせいか、
あるいは当時は「ドラマのサントラは1枚出して終わり」という業界の風潮だったのか、
シーズン2のサントラは結局発売されないまま時が過ぎていったのでした。
ファン待望のシーズン2のサントラが発売されたのは2007年。
デヴィッド・リンチのレーベルから、
『インランド・エンパイア』(06)のサントラとほぼ同時期にリリースされたのでした。

twin peaks season 2

で、このシーズン2のサントラ盤は、
ワーナー盤に比べると少々キャッチーな要素に欠けるのですが、
「この曲がずっと聴きたかったんだよぉぉぉ」という曲がしっかり収録されていて、
ドラマに魅せられたファン的には非常に満足度が高いアルバムなわけです。

例えばドナの妹(子役時代のアリシア・ウィット)が弾くピアノ曲”Hayward Boogie”とか、
優柔不断男ジェームズがギターを弾いて、
ドナとマデリーンが歌っていた”Just You”とか、
「赤い部屋」のシーンの曲とか、
ツボを押さえた選曲にグッと来る。
24ページのフルカラーブックレット”いかにも”な写真が収録されていてイイ。

 

一般的には「ブラック・ロッジ編」の展開はあまり人気がないみたいですが、
この後リンチが『ロスト・ハイウェイ』(96)とか『マルホランド・ドライブ』(01)で、
「人知を超えたあっちの世界」を描いていたのを考えると、
『ツイン・ピークス』もこういう展開になるのは必然だったのかなーと思います。
ワタクシは当時も「ブラック・ロッジ編」の話は、
「どう収拾をつけるのかなー」と結構興味津々で観ていた記憶があります。

ま、結果的にああいう結末になってしまったわけですが…。

シーズン2のサントラ盤はリンチの自主レーベルからのリリースということで、
もう廃盤になってしまっておりますが、
運良くどこかでCDを見かけたらすみやかに購入されることをお勧めします。
(とはいえ5,000円以上出して買うことはないと思いますが)

 

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