下手な鉄砲も数打ちゃ当たる…?90分撃ちっぱなし&膠着状態なガンアクション『フリー・ファイヤー』を観てきた

先日『フリー・ファイヤー』(16)を観てきました。

「90分ノンストップで撃ちまくる!」
「大乱闘バトルロワイアル!」
…というキャッチコピーが踊る作品でございましたが、
どちらかというと、
「90分膠着状態!」
「撃て!必殺なまごろし」

…みたいな印象を受けましたねー。
生殺しじゃ全然”必殺”じゃないだろ、とツッこまれそうですが。

 

『ハイ・ライズ』(16)でセレブな高層マンションがどんどんゴミ屋敷化し、
スノッブな住人がみるみる小汚くなっていく様を時間をかけてネチネチと描いていたベン・ウィートリー監督らしく、
今回の『フリー・ファイヤー』でも、小汚い倉庫の中で満身創痍の悪党の皆さんがのたうちまわる姿をネチネチと描いております。
本編開始前のウィートリー監督からのメッセージによると、
「人間は銃で撃たれてもなかなか死なない」そうで(真偽は不明)、
普通の映画なら10分ぐらいで片付けるような密室銃撃戦を、
本作は90分かけて”なかなか死なない”過程をみっちりと描いておりました。
ギャングとは言っても射撃の腕前は大したことない人が過半数なので、
一撃必殺的な射撃が出来ず急所から外れた場所に当たる。
皆さん口の悪さは人一倍なので、
弾が当たるたびに「痛えなチクショウ!」「てめぇ絶対殺す!」的な悪態をつきまくる。
しかし負傷していることに変わりはないので、
話が進んで行くに従ってどんどん銃弾を喰らってボロボロになっていく。
何だかすごく痛覚を刺激される映画でしたが、
こういうチャレンジ精神旺盛な映画は嫌いじゃないです(むしろ好き)

で、映画音楽ライターであるところのワタクシは、
当然のようにこの映画のサントラ盤を早い段階から予約注文していたわけですが、
CDの発売日が5月→6月→8月と延びに延びておりまして、
「ちゃんと発売されるのかしら」とちょっと心配になってきました。
(ダウンロード版では買えるようなのですが、ワタクシはCDアルバムで手元に置いておきたい性分なので…)

しかしよく考えると映画本編で音楽が使われたパートは少なかったし、
歌モノ込みでもサントラ盤として(尺的に)成立するのかなと思ったのですが、
トラックリストを見てみると41トラックあるんですねー、これが。
収録時間も50分くらいあるようで。

 

1. Where We Going? (Free Fire Cast) 0:39
2. Do the Boob (The Real Kids) 2:15
3. I’m I.I.F.M (Free Fire Cast) 0:12
4. Sledgehammer Cracks Nut (Geoff Barrow & Ben Salisbury) 2:33
5. This Is Ord (Free Fire Cast) 0:43
6. Docks Beat (Geoff Barrow & Ben Salisbury) 1:43
7. Step into My Office (Free Fire Cast) 0:16
8. Run Through the Jungle (Creedence Clearwater Revival) 3:04
9. Raw Onions (Free Fire Cast) 0:29
10. Vern (Geoff Barrow & Ben Salisbury) 0:36
11. Come Out (Geoff Barrow & Ben Salisbury) 0:42
12. Gorgeous as Ever (Free Fire Cast) 0:21
13. Money Count (Geoff Barrow & Ben Salisbury) 0:44
14. Nice Teeth (Free Fire Cast) 0:21
15. Harlequins Reunion (Geoff Barrow & Ben Salisbury) 1:04
16. Steven’s Been Reprimanded (Free Fire Cast) 0:32
17. Stevo Apologises (Geoff Barrow & Ben Salisbury) 0:59
18. Suck on This (Free Fire Cast) 0:31
19. First Shot (Geoff Barrow & Ben Salisbury) 1:13
20. Mostly the Suit (Free Fire Cast) 0:20
21. Martin Shot (Geoff Barrow & Ben Salisbury) 0:43
22. Will Everybody Calm the Fuck Down (Free Fire Cast) 0:13
23. Snipers (Geoff Barrow & Ben Salisbury) 0:23
24. Good to Go (Free Fire Cast) 0:39
25. Free Firing Gunshot Solo (Free Fire Cast) 1:00
26. The Phone Rings (Geoff Barrow & Ben Salisbury) 3:51
27. Watch and Vern (Free Fire Cast) 0:37
28. Crawl Chase (Geoff Barrow & Ben Salisbury) 3:34
29. So That’s What a Fucking Brain Looks Like (Free Fire Cast) 0:27
30. Lead Lobotomy (Geoff Barrow & Ben Salisbury) 3:35
31. Poke Him in the Eye (Free Fire Cast) 0:13
32. We Can’t All Be Nice Girls (Geoff Barrow & Ben Salisbury) 2:32
33. That’s Why I Appreciate the Arts (Free Fire Cast) 0:43
34. Leary (Geoff Barrow & Ben Salisbury) 3:29
35. Aiming for the Nose (Free Fire Cast) 0:11
36. Oh Fuck [Explicit] (Geoff Barrow & Ben Salisbury) 0:49
37. Where Do You Think You’re Going Little Harry (Free Fire Cast) 0:17
38. Annie’s Song (John Denver) 3:01
39. A John Denver Story (Free Fire Cast) 0:30
40. Justine’s Theme (Geoff Barrow & Ben Salisbury) 1:58
41. This Old Guitar (John Denver) 2:54

「あれー、こんなに曲あったっけー」と思いましたが、
“Free Fire Cast”というのはたぶん劇中のダイアローグではないかと思います。
映画の舞台が70年代ということで、
『エクス・マキナ』(15)でアンビエント/エレクトロニカ系のスコアを書いていたジェフ・バーロウとベン・ソールズバリーも、
今回はオルガン、ギター、ベース、ドラムスを使った70年代ロック・インスト風のスコアを作曲していました。
オルガン曲がジャスティーンのテーマになるのかな。
乱戦模様になった時のフリーキーなサックスが唸るスコアも勢いがあってよかったですね。

劇中で使われた歌モノもサントラ盤に収録されている模様。

Do the Boob – The Real Kids

Run Through the Jungle – Creedence Clearwater Revival

Annie’s Song – John Denver

This Old Guitar – John Denver

もしLakeshoreリリースのサントラ盤が買えなかったら、
少々割高なInvadaリリースのサントラ盤(6/16発売予定:UK盤)を買うしかないのかなー。

 

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