『スリープレス・ナイト』のサントラ盤はジャーマンテクノのアルバムのように聴いて頂きたい、というお話。

ランブリング・レコーズ様からのご依頼で、
『スリープレス・ナイト』(17)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂きました。
オリジナル・スコアの作曲は『ピエロがお前を嘲笑う』(14)のミヒャエル・カム。
ドイツ出身の作曲家です。

監督が『ピエロがお前を嘲笑う』のバラン・ボー・オダーということで作曲家も続投した形ですが、
『ピエロがお前を嘲笑う』の日本版公式サイトのキャスト/スタッフページにも、
『スリープレス・ナイト』のサイトにもカムのプロフィールは紹介されていなかったので、サントラリスナーの間でもほぼ未知の存在と言えるでしょう。

以前もブログで書いたような気がしますが、
ワタクシまだ日本で知名度が低い新進気鋭の作曲家を紹介するのが大好きですので、
今回も年末進行でタイトなスケジュールだったにもかかわらず、
映画音楽ライター根性を出してミヒャエル・カムご本人に独占インタビューを行いました。

 

…で、国は違えど年末でスケジュールがタイトだったのは先方も同じだったようで、
「いま来週締切の仕事の真っ只中なんだけど、何とかしてみるよ!」…という返事が来まして、
その後数日全く音沙汰がないなーと思っていたら、
「インタビューの件、忘れてないよ!週明けに必ず答えるから!」…とわざわざ連絡してくれまして、
その言葉通り、週明けの午前中(現時時間)にばっちりインタビューに応じてくれました。いや~嬉しかったですね~。
時期的にちょうどクリスマスシーズンだったので、
カムさんへのインタビューがうまくいったことが自分にとってのクリスマスプレゼントみたいなものでした。

 

さてその『スリープレス・ナイト』の音楽はどんなサウンドかと申しますと、
例えていうならハリー・グレッグソン=ウィリアムズの『デジャヴ』(06)のスコアで”Humvee Chase”という曲がありましたが、あのタイプのサウンドが60分続く感じ。
メロディーの要素はほとんどなくて、打楽器&打ち込みの畳みかけるようなリズムとフルオケの分厚い和音で聞かせる重厚かつビートの効いたスコアです。

メロディーレスなアンダースコア系のサントラと聞くと、
アルバム単体で聴くのはツライかも…と思われるかもしれませんが、
いやいやこれがなかなか聴けば聴くほど面白いスコアなのですよ。

これはライナーノーツでもちょっと書かせて頂いたことなのですが、
アルバム収録曲をひとつひとつ聴くというよりは、
アルバム1枚をノンストップで60分ぶっ通し聴いて頂くと、
ジャーマンテクノのアルバムを聴いた時のようなトリップ感・高揚感が楽しめまして、
この映画のスコアの味わいというか中毒性が増すように思います。
ワタクシは仕事で何十回とこのサントラを聴きましたが、
何度も聴いているうちに病みつきになってきて、つい延々リピートして聴いてしまいました。
聴いているうちに妙に焦燥感に駆られるサウンドは必聴です。
ある意味、仕事が滞っている時の「作業用BGM」に最適かもしれません。

 

で、なぜこのようなサウンドになったかというのもちゃんと理由がありまして、
そのへんのことをカムさんが詳しく語ってくれたので、
もし音楽のコンセプトを知りたくなったら、国内仕様サントラ盤の拙稿(=ライナーノーツ)をご覧頂ければと思います。
かなり綿密な計算のもとに作られた音楽であることがお分かり頂けるはずなので…。

なお映画のエンドタイトルで流れるRun The Jewelsの”Run The Jewels”はアルバム未収録なので、
お手数ですがこちらの曲は自前で補完して下さいませ。

『スリープレス・ナイト』オリジナル・サウンドトラック
音楽:ミヒャエル・カム&ヤーロ・メッサーシュミット
レーベル:Rambling RECORDS
品番:RBCP-3267
発売日:2018/01/31
定価:2,400円+税

 

 

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