ハンク・アザリアの奮闘に☆2つ半 『スマーフ2 アイドル救出大作戦!』

TheSmurfs2

『スマーフ2 アイドル救出大作戦!』(13)のサントラ盤ライナーノーツを担当する事になり、
7月中旬に内覧試写に行ってきました。

日本語吹替えのみの上映と聞いていたので、
試写も日本語吹替えかなーと思ったら、
何と字幕版での上映で非常に得した気分になりました。
ベテラン声優さんも多数起用している作品なのですが、
主要キャラの声がタレントだったので、まぁそのへんで吹替え版はちょっと…。

ストーリー的には、何というか非常に騒々しいです。
『スマーフ』の原作のマンガもこういうノリなのでしょうか。
(たぶん脚色の段階でかなりアメリカナイズされていると思うのですが)

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メインテーマがカッコいい『ホワイトハウス・ダウン』の音楽

white house down

というわけで前回の投稿の続き。
『ホワイトハウス・ダウン』(13:以下WHD)の音楽について。
こちらのサントラ盤のライナーノーツを書かせて頂きました。

作曲はハラルド・クローサーとトーマス・ヴァンカーの二人。
スコアの作曲から映画の共同プロデュース、
さらに共同で脚本まで手掛けてしまうクローサーと、
彼の下で下積みをしながらキャリアを築いてきたヴァンカー。
綴りは「Thomas Wandar」なので表記は「ワンダー」じゃないの?とも思うのですが、
いろいろ調べてみたら「ワンダーでもヴァンカーでもどっちでもOK」という状態で、
こういう場合どっちにするべきかとかなり悩みました。

しかしながら同じ発売元(ランブリング・レコーズさん)の
『デイ・アフター・トゥモロー』(04)のサントラ盤ライナーノーツには、
「トーマス・ヴァンカー」と記載されておりましたので、
今回もそれに合わせた形になります。
ハンス・ジマーも今の表記になるまで「ズィマー」とか「ツィマー」とか安定しなかったので、
ヴァンカーも今よりもっとメジャーになったら、
カタカナ表記も統一されるのではないかなーと思います。

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バイオレンス控えめ、爽快感重視の『ホワイトハウス・ダウン』

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先月中旬に『ホワイトハウス・ダウン』(13:以下WHD)を内覧試写にて鑑賞。
『エンド・オブ・ホワイトハウス』(13:以下EOW)と見事にネタかぶりしてしまった本作ですが、
個人的にはこっち(『WHD』)の方が楽しんで観られました。

密室(ホワイトハウス内)で繰り広げられる武装集団との攻防戦は、
ほとんど『ダイ・ハード』(88)のノリ。
ジョン・マクレーンはロシアで息子と暴れてなんかいないで、
ホワイトハウスで大統領とコンビを組んで大暴れするべきだったと思います。

自分はジェラルド・バトラーもアントワン・フークアも好きだし、
『EOW』も面白かったとは思うのですが、
あの映画はエンタメ系アクションにしては暴力描写が正直キツすぎました。
テロリストの攻撃でバタバタと殉職するシークレット・サービスを筆頭に、
北朝鮮ガンシップのミニガン掃射で次々に殺される一般市民、
発射コードを吐かせるために容赦なくボコられる女性国防長官(メリッサ・レオ)、
アメリカへの見せしめでテロリストにあっさり殺される韓国首相などなど、
国際的にいろいろマズいんじゃないかという描写も含めて、
観ていて「いいのかコレ…?」と若干引いてしまうシーンもありました。

その点『WHD』はバイオレンス控えめで、
愛国的なメッセージもそれほど前面に押し出していないので、
ポップコーンとかホットドッグ食いながら見ても、
食べ物がマズくならない娯楽映画に徹していて、
ある意味安心して観られます。

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『オズ はじまりの戦い』の音楽について

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先日『オズ はじまりの戦い』(13)のサントラ盤リリースに関してあれこれ書きましたが、今回はダニー・エルフマンのスコアについてダラダラと。

映画ファンならご存じの通り、エルフマンとサム・ライミは『スパイダーマン2』(04)の時に音楽の方向性を巡って意見が対立して、それ以降半ば絶交状態だったわけですが、本作で9年ぶりのコンビ復活となりました。

…などとサラッと書いてしまいましたが、エルフマンは『スパイダーマン2』の時に「サムとは二度と仕事しない」的な発言をしておりましたので、これは奇跡に近いことではないかと思います。。もっとも、マイケル・ダナも『ハルク』(03)の降板トラブルでアン・リーと疎遠になっていたのが『ライフ・オブ・パイ』(12)でコンビ復活を果たしているので、皆さん9年も経つといろいろ心境の変化が出て来たり、性格が円くなってきたりするのかな、とも思います。

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「ディスク・コレクション サウンドトラック」に寄稿しました

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シンコー・ミュージック・エンタテインメント発行の”傾向別ディスク・ガイド”本、『ディスク・コレクション』シリーズの「サウンドトラック」編に寄稿させて頂きました(前回のブログで書いた「クロスビート編集部の方とのちょっとしたご縁」というのはコレです)。

馬場敏裕氏監修のもと、江守功也氏、前島秀国氏と共同でサウンドトラック盤のレビューとコラム原稿を執筆するという内容で、執筆依頼を頂いた時は「自分がこんな大御所の中に混ざっていいのかしら」と思ってしまいました。

本の構成やサントラ盤のセレクトは馬場氏の方で既にお決めになっていて、僕のところには「この(サントラの)リストの中から書けそうなものを選んで下さい」的な感じで執筆依頼が来たので、比較的新しめの作品を20タイトル強選んだ次第です(『ドライヴ』とか『ダークシティ』とか)。

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