映画『ムーンライト』の劇中で使われた曲リスト

ランブリング・レコーズ様からのご依頼で、
『ムーンライト』(16)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂きました。

文字数の関係でライナーノーツに書けなかったことがいくつかあったので、
それを弊社のブログで数回に分けて補完させて頂いております。

今回は映画の中で使われた曲をまとめてご紹介します。

…というわけで早速ではございますが、
ニコラス・ブリテルのオリジナル・スコアを除く劇中使用曲は以下の通りです。
(太字はサントラ盤に収録されている曲)

 

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『男と女』、そしてピエール・バルー氏の思い出

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2016年は有名ミュージシャンの訃報が続いた年でしたが、
年の瀬になってピエール・バルー氏の訃報まで聞くことになるとは…。

先日チネ・ラヴィータで『男と女』(66)のデジタル・リマスター版を観て、
「ああ、やっぱりこの映画はいいなぁ」と余韻に浸っていただけに、
この知らせはショックが大きすぎますね…。

 

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あの「20世紀フォックス映画 75周年記念盤」がDSDリマスタリングで再登場しましたの巻

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映画会社20世紀フォックスの75周年を記念して、2010年にVarese Sarabandeからリリースされた3枚組の企画盤、「20th Century FOX: 75 Years of Great Film Music」。
先日ランブリング・レコーズさんから国内盤がリリースされました。
75周年からさらに6年経っての国内盤リリースなので、ある意味80周年記念盤という感じでもありますね(正確には81周年ですが細かいことは気にしない)。

日本サントラレーベルの良心・ランブリング・レコーズさんですから、もちろん輸入盤にオビをつけただけの再発売なんてものではありません。
「サウンドトラック傑作選50」や「サウンドトラック名作選35」でおなじみになった、DSDリマスタリングによる音質向上を行っているのです。
ディスク3枚組で3,000円(+税)だから、1枚1,000円。
ディスク1枚に20曲前後収録しているので、1曲50円の計算になりますね。
しかもリマスター音源。なかなかのお得感ではないでしょうか。

…で、国内盤をリリースするからということで、先方からワタクシにライナーノーツの執筆依頼が来まして、僭越ながらあれやこれやと音楽紹介/作曲家紹介を書かせて頂きました。

 

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『レジェンド 狂気の美学』のサントラ盤を検証してみたの巻

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60年代スウィンギン・ロンドンを舞台に、
トム・ハーディが双子のギャングスター・クレイ兄弟を演じる『レジェンド 狂気の美学』(15)。

トム・ハーディは『レイヤー・ケーキ』(04)を観て以来好きな俳優だし、
懐メロがガンガン流れる系のギャング映画というのはどストライクな内容なので、
普段だったら映画を観る前にサントラ即買い!…というパターンだったのですが、
今回はやや逡巡した末での購入となりました。

…と申しますのもサントラ盤のジャケットに、
“FEATURING MUSIC FROM AND INSPIRED BY THE FILM”と書いてありまして、
「え~?『レジェンド』のサントラはインスパイア盤的な内容なの~?」
という感じでちょっと購入を躊躇してしまったんですよね。。

 

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フルート!ギター!ツィンバロム!マーキソフォン!『コードネーム U.N.C.L.E.』のスウィンギンな音楽は必聴です!の巻

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「ガイ・リッチーの映画は音楽がカッコイイ」とよく評されますが、
この場合の”音楽”というのは基本的に”歌モノ/ポップミュージック”を意味していて、
『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(98)とか、
『スナッチ』(00)みたいなコンピ盤のサントラが「カッコイイ」という認識で、
オリジナル・スコアについてはほとんど話題になりませんでした。
(実際、映画本編でのスコアの割合も少なかった)

が、しかし。
いわゆる「落ち目の頃のガイ・リッチー」作品、
例えば『スウェプト・アウェイ』(02)ではミシェル・コロンビエがスコア作曲を担当し、
(マドンナ繋がりでの起用だと思いますが)
『リボルバー』(05)では後に『96時間』シリーズ(08~14)でブレイクするナサニエル・メカリーが音楽を担当するなど、
(これもプロデューサーのリュック・ベッソンの人選だと思いますが)
低迷期の作品を経てオリジナル・スコアにも重点を置くスタイルになっていきました。

 

その結果どうなったかというと、
キャリア復帰作の『ロックンローラ』(08)は『ロック、ストック』や『スナッチ』路線の歌モノコンピがメインのサントラだったけど、
その後の作品は「ガイ・リッチーの映画は歌モノもスコアもカッコイイ(or面白い)」というスタイルになったのでした。
ハンス・ジマーが遊び心あふれる軽妙洒脱フルオケ音楽を披露した、
『シャーロック・ホームズ』シリーズ(09,11)はその代表的な例と言えるでしょう。

…とまぁ前置きが長くなりましたが、
今回の『コードネーム U.N.C.L.E』(15)の音楽も実に素晴らしい。
スウィンギンでグルーヴィー、スタイリッシュでユーモラス、
ポップ・ミュージック感覚で聴けるオリジナル・スコアに仕上がっているのでありました。

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