買ってよかった…! 『心の旅』のサントラ盤

regarding henry先日市内某所のブックオフに行ったところ、
映画『心の旅』(91)のサントラ盤が500円で売っていたので、
すみやかに購入してきました。

音楽はハンス・ジマーだし、
1991年の作品ということを考えると、
La-La Land Recordsあたりで完全盤が出そうな気もしたのですが、
まぁその確証もありませんし、
中古品ゆえ次回入荷の保証もないので、
これはもう買ってしまおうと(500円だし)。

結論から言えば、「買ってよかった!!」と思いました。
自分がジマー好きということを差し引いても、
これはすごくいいアルバムです。

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『キャプテン・フィリップス』でヘンリー・ジャックマンが描く「単純じゃない世界」の音楽

captain phillips_JP

今回は『キャプテン・フィリップス』(13)の音楽について。
作曲は『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(11)のヘンリー・ジャックマン。
ポール・グリーングラス作品の常連、ジョン・パウエルではありません。

まず起用されたのがパウエルではなくジャックマンだった事に驚いたのですが、
近年のパウエルはアニメ映画の作曲機会が増えてきたので、
作品傾向が若干変わってきたのかもしれません。
とはいえ、リモート・コントロール所属のジャックマンも、
過去にパウエルの作品(『ハンコック』(08)など)で追加音楽を作曲しているので、
全く繋がりがないというわけでもないでしょう。
「パウエルに作曲を依頼したらジャックマンを推薦された」なんて経緯もあったかもしれません。
(あくまで推測)

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『テルマ&ルイーズ』のスコア盤(追悼 ピート・ヘイコック)

thelma and louise

クライマックス・ブルース・バンドのギタリスト…というより、
個人的には映画『テルマ&ルイーズ』(91)での演奏が印象深いギタリスト、
ピート・ヘイコック(Pete Haycock)の訃報を先日某サイトで知りました。

享年62歳。
まだまだ第一線で活躍出来る年齢なのに、残念でなりません。

『テルマ&ルイーズ』はリドリー・スコット監督作品の中でもかなり好きな部類に入るのですが、
映画公開当時にリリースされたサントラ盤には、
ハンス・ジマーのスコアが1曲しか収録されておらず、
(マリアンヌ・フェイスフルやグレン・フライ、チャーリー・セクストンらの劇中使用曲をメインに収録)
テーマ曲”Thunderbird”以外のジマー/ヘイコックのスコアが聴けないのが悲しいところでした。

しかし映画公開から20年目の2011年に、
Kritzerlandというレーベルから1,200枚限定でスコア盤がリリースされました。
もう喜んで購入しましたね。。
てっきりオンラインで買ったかと思ったら、
ブックレットにタワーレコード新宿店のレシートが挟まってました。
どうやら東京出張中にタワレコ新宿店の店頭で買ったらしい。
いま思えば、このプレス枚数でよく店頭に在庫があったものです。

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改めて『マン・オブ・スティール』の音楽が素晴らしいと思った日

MOS_cape 

昨日『マン・オブ・スティール』(13)を観てきたのですが、
噂に違わぬ素晴らしい映画でした。

いかにもザック・スナイダー的な映画冒頭のクリプトンの映像。
クリストファー・ノーラン色濃厚な「悩める主人公」の描写。
序盤20分で早くも観客の心を鷲掴み。

次に人物描写。
ジョナサン・ケントとジョー=エルの二人の父親像。
CNNの映画紹介か何かで絶賛されていたラッセル・クロウ(ジョー=エル役)の演技。
クリストファー・メローニーとリチャード・シフの名脇役っぷり。
アメコミの世界からそのまま飛び出してきたかのようなマイケル・シャノンのゴツイ顔。
助演キャラから端役に至るまで、印象的な演技を見せてくれた俳優たちの姿にニンマリ。

そして肝心のアクション演出。
『鉄腕バーディー DECODE』からインスパイアされたらしい、
クライマックスの吹っ飛びまくりの戦闘シーン。
人間サイズで『パシフィック・リム』(13)規模の都市破壊をやってしまう豪快さに唖然。
143分があっという間でした。

ジョー=エルのお世話ロボ(?)ケロアの声が、
『エンジェル ウォーズ』(11)のマダム・ゴルスキーの人(カーラ・グギノ)というのも個人的にツボでした。
「この声、誰か有名な女優なんじゃないかなー」とは思いましたが、
まさかマダム・ゴルスキーだったとは。スナイダー監督も粋な事をなさいます。

そして何と言ってもハンス・ジマーの音楽が素晴らしかった。

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『スマーフ2』のスコア盤でヘイター・ペレイラの職人技を楽しむ

smurfs2

本日は前回のつづき。
『スマーフ2 アイドル救出大作戦!』(13)の音楽について。
作曲は前作に引き続きヘイター・ペレイラの担当。
この方、シンプリー・レッドの元ギタリストでもあります。
1988年から1996年までバンドメンバーでした。

ペレイラの名前はハンス・ジマーの音楽が好きな人なら既にご存じでしょう。
ジマーの『グラディエーター』(00)とか『M:I-2』(00)、
ハリー・グレッグソン=ウィリアムズの『アンストッパブル』(10)とか、
『サブウェイ123 激突』(09)、『ドミノ』(05)などのスコアでもギターを弾いてます。

 

ギタリストとしてはアクションからシリアスドラマ、ロマコメまで、
幅広いジャンルに起用されているのですが、
「映画音楽家」としては圧倒的にロマコメとアニメ映画が多いのがこの人の特徴です。
『怪盗グルーの月泥棒』(10)とその続編、
『ビバリー・ヒルズ・チワワ』(08)に『おさるのジョージ』(06)、
バンドメンバー役でカメオ出演もしている『恋するベーカリー』(09:ジマーと共作)、
そして『スマーフ』シリーズというラインナップをモノにしています。
シリアスドラマは『ヘイヴン 墜ちた楽園』(04)と、
『Ask The Dust』(06:ラミン・ジャワディと共作)くらいではないかと。

で、今回サントラ盤のライナーノーツを書かせて頂く事になったわけですが、
共通の知人がいたのでペレイラさんにインタビューさせて貰う事が出来ました。
先に結論から申し上げますと、すごくいい人でした。

リモート・コントロール所属アーティストから引っ張りだこの多忙な人なので、
当初の予定より質問の回答が遅れたのですが、
後になって「この前は返事遅れてゴメンな。〆切りには間に合ったかい?」
なーんてわざわざペレイラさんの方から連絡を寄越してくれたりして、
それが嬉しかった…というか、誇張でも何でもなくちょっと感動しました。
『ホワイトハウス・ダウン』(13)のトーマス・ヴァンカーさんもいい人だったけど。

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