トニー・スコット追悼企画/『ドミノ』のサントラを補完してみる

週明け早々トニー・スコットが亡くなったというニュースを聞き、どうにも気が滅入って仕方がない。

「関係者でもないんだから、そこまで考え込む必要ないだろ」というお声もあるかと思いますが、ワタクシの大好きな監督のひとりだし、『ハンガー』(83)から『アンストッパブル』(10)まで監督作を全部見てきた事もあって、思い入れが深いぶん、喪失感も大きかったりするのです。

傍目にはコンスタントにヒット作を撮って、自分のスタイルを確立させて、兄弟で映画製作会社(スコット・フリー)を立ち上げて、そこでも手堅くヒット作を製作して順風満帆でやっていたように見えたのですが、きっと本人にしか分からない悩みがあったのでしょう。

たぶん、これからいろんな憶測やら情報やらが出てくると思いますが、個人的には必要以上にネタを追いかけず、あれこれ詮索しないようにしようと考えています。

そんなわけで、今回はトニー・スコット追悼の気持ちも込めて、2005年監督作品『ドミノ』のサントラを補完してみたいと思います。

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『マイ・ボディガード(原題:Man on Fire)』のサントラを補完してみる

man on fire_OST

というわけで、久々にこの企画をやってみようかなと。
『マイ・ボディガード』(04)のサントラ盤はハリー・グレッグソン=ウィリアムズのスコア・アルバムなので、補完というより本編でどんな既製曲が使われたかを検証していくって事で。
さすがに全部は追っかけられないので、有名どころをかいつまんで、という感じになりますが。

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The Hire – Beat The Devil

今月はザ・シネマで『マイ・ボディガード』(04)を放送していますが、この映画のベースになっているのは短編『The Hire – Beat The Devil』(02)なんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。

『The Hire』はBMWが製作した10分前後のコマーシャル短編映画で、クライヴ・オーウェンがBMWのドライバー役で主演しています。CMとはいえジョン・ウーやアン・リー、ジョー・カーナハンなど錚々たる映画監督が演出を手掛けており、短編ながらなかなか見応えのある作品になってます。

『Beat The Devil』はトニー・スコットが演出を手掛けた一編。若い頃に悪魔と契約して成功を収めたジェームズ・ブラウン(本人)が、悪魔(ゲイリー・オールドマン)に契約内容の不備を訴えたところ、ストリートレースで勝ったら内容を見直してやると言われ、ドライバー(オーウェン)と共にストリートレースに挑む事になる、みたいなお話。悪魔の側近(付き人?)役でダニー・トレホが出ているのがポイント高いです。ゲイリー・オールドマンのイカレっぷりも最高。

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X-MEN:ファースト・ジェネレーション

x-men

MOVIX仙台が営業再開したので、待ちに待った『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(11)を観てきた。

これがまた当方の期待以上に素晴らしい作品。
空疎な大作になってしまった『X-MEN:ファイナル ディシジョン』(06)の悪夢を吹き飛ばす、見事な前章映画でした。
「シリーズ最高傑作」の売り文句はダテじゃない。

本作では「チャールズ(プロフェッサーX)とエリック(マグニートー)はいかにして出会い、そして袂を分かつ事になったか」が詳細に描かれるわけですが、これがまた泣ける。パ
ラボラアンテナのシーンで不覚にも目頭が熱くなった次第です。
2人が互いを理解するには、あまりにも育った環境が違いすぎた。
マイケル・ファスベンダーの翳りのある表情が、
エリックの背負った深い哀しみに真実味を持たせてくれていてつい感情移入してしまう。

豪華キャスト(=ミュータント)を出し過ぎて中身が薄っぺらくなった3作目と違い、
今回はキャストも「あまり自己主張の強くない演技派」が揃っていて、
なおかつミュータントの数もムダがなくて非常にいい感じ。
ミュータント・チームが(いい意味で)地味目の顔ぶれなので、
悪役セバスチャン・ショウを憎々しく演じるケヴィン・ベーコンの存在も俄然映えてくる。
1960年代風セレブファッションもキマってます。
エマ・フロスト役のジャニュアリー・ジョーンズも、
よくこれだけイメージにピッタリな女優を見つけたもんだと感心しました。
薄幸そうなローズ・バーンもグッと来る(お色気サービスカットもあり)。

その他、パンフに載っていない気になるキャストの顔ぶれはこんな感じ。

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Knight and Day

knight and day

「『ナイト&デイ』(10)かぁ。これってトム・クルーズのワンマン映画なんでしょ?」とあんまり興味がわかなくて、今日の今日まで未見のままだったのですが、「ホール&オーツが好きなら見ておいて損はないですよぉ」と友達に勧められたので、DVDにて鑑賞。

劇中、「ゼファー」なる画期的なアイテムを発明した天才青年サイモン(ポール・ダノ)がホール&オーツのファンという設定で、サイモンの隠れ家で”Private Eyes”が流れていたり(結構長い時間かかってた)、トム・クルーズ扮する主人公ロイからH&Oの缶バッジを貰って喜んだりするシーンがありました。なるほどこういう事ね。

この映画、もっとヒットしてたら「ホール&オーツのリバイバル・ブーム到来!」みたいな感じで話題になっていたかもしれない。実際のところは『(500)日のサマー』(09)の”You Make My Dream”ほど注目されなかった気がするので、そのへんがちょっと残念。

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