『セブン』のスコア完全盤にNINの”あの曲”とデヴィッド・ボウイの”あの曲”を追加した話

ハワード・ショアのレーベル、HOWE RECORDSから発売になった『セブン』(95)のスコア完全盤サントラに、ナイン・インチ・ネイルズの”Closer (Precursor)”とデヴィッド・ボウイの”The Hearts Filthy Lesson”を追加して拡張盤サントラを自作しました。
これはコロナ禍初期のステイホーム生活中に行った作業なのですが、ブログで書いていなかった気がするので書きます。

『セブン』のサントラは映画公開当時TVT Recordsからリリースになっていて、劇中使用曲にショアのスコアを2曲(うち1曲は組曲形式)収録した、いわゆるソングコンピ盤でした。
しかし誰もが聴きたかったであろうNINのオープニング曲と、「クレジットが上から降りてくる」という印象的なエンドクレジットで流れるボウイの曲は未収録でした。よくある権利関係の都合というやつだったのでしょう。

「そりゃ確かにこの曲使われてたけど、自分が聴きたいのはそれじゃないんだ…。それにショアのスコアももっと聴きたいんだよ…」と思いながら何年も過ごしたものです。

でもボウイとNINの曲ぐらいは自分で入手出来るんじゃないかと思い、当時高校生だった自分はゴチャゴチャしたデザインのエンドクレジット(読みにくかった…)の情報をもとに、レコードショップでお目当ての曲を探しました。

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最近買ったサントラ盤のお話:『THE BATMAN -ザ・バットマン-』『ヴィデオドローム』『アイアン・ジャイアント』(デラックス盤)

最近というには少々日にちが経ってしまったものもありますが、先月から今月にかけてこのようなサントラ盤を買いました。

その1:『THE BATMAN -ザ・バットマン-』(22)

コロナ禍で映画館へ行かなくなっているので、映画本編を観るのは当分先(=家で観られるようになってから)になるものの、サントラ盤は先に買っておきました。
なぜなら以前ブログでご紹介した『マトリックス レザレクションズ』(21)のサントラ盤と同じように、CDプレス盤で買えるのはランブリング・レコーズさんの初回導入分だけだったから。案の定、CDプレス盤は早い段階で売り切れてしまいました。

音楽担当はマイケル・ジアッキーノ。
ものすごくダークで重々しい音楽でした。
これはもうホラー映画の劇伴と言っても差し支えない。
その一方で、ヒーロー映画(ダークヒーロー映画)らしいリスナーを高揚させる瞬間も随所に用意されている。ジアッキーノ渾身の傑作スコアでした。

ジアッキーノはシンセとかドラムループを基本的に使わないタイプの作曲家なので、そういう意味ではダニー・エルフマンのバットマン音楽に回帰したとも言えるのかな。
今回の『THE BATMAN』のほうがコミックス的なノリも抑えめで陰鬱なトーンになってますが。

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『クラッシュ』(1996年)のスコアに聴く、ハワード・ショアの実験的室内楽の世界

『クラッシュ』(96) 4K無修正版が劇場公開中ということで、せっかくだからサントラにまつわる学生の頃の思い出話でも書こうかなと思い、ブログを書きました。

若い映画ファン(サントラリスナー)には「ハワード・ショア=『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの作曲家」というイメージが定着しつつありますが、ワタクシのような『羊たちの沈黙』(90)やデヴィッド・クローネンバーグの最盛期にショアの音楽を聴き始めた人は、「ショア=実験的で難解な音楽を書く人」という印象を持っているのではないかと思います。

『羊たちの沈黙』や『セブン』(95)、『ザ・セル』(00)あたりの音楽も強烈でしたが、ショアはクローネンバーグ監督作に登板した時の実験精神に溢れた音楽もすごい。
『スキャナーズ』(81)や『ヴィデオドローム』(83)の悪夢的な音楽とか、『裸のランチ』(91)の前衛的なジャズスコアもなかなかのインパクトでしたが、ショア×クローネンバーグの作品では、個人的に『クラッシュ』が一番印象的でした。

この映画が日本で劇場公開になった当時、自分はまだ成人になるかならないかの年頃だったので、『クラッシュ』は観に行きませんでした。成人映画指定だったので、親に「映画館に観に行くのはやめてくれ」と言われてたんですね。観るならビデオレンタルか衛星の映画チャンネルで放送になった時に家で観てくれと。
ワタクシは素直な青年でしたので、親の言いつけを守って『クラッシュ』の本編を観たのは映画公開から数年後、スターチャンネルで放送があった時でした。
サントラ盤を買ったのもその頃。今はなき新星堂カルチェ5仙台店のサントラコーナーにひっそりと売られているのを発見し、すみやかに保護(購入)したのを今でも覚えています。

映画のオープニングタイトルで流れるエレクトリックギター・アンサンブルの不吉なメインテーマに一発でヤられまして、「これは是非サントラで聴きたい!」と思ったんですね。そのぐらいインパクトのある音楽だった。

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80年代・90年代の映画の拡張版サントラをいろいろ買いましたの巻。

去年は新旧サントラ盤が豊作だったなーという印象でしたが、今年も次から次にサントラの名盤がリリースされていて、片っ端からあれもこれもと買っていった結果、仕事場の棚の空きスペースがどんどんサントラ盤で埋まっていっている今日この頃です。

ワタクシはどちらかというと新しい映画音楽家の方々の作品を好んで買う傾向があるのですが、過去作品の完全盤や拡張盤などもいろいろ買ってます。
ワタクシの場合、映画を見始めたのが80年代半ばから90年代あたりなので、個人的に思い入れのある作品もその時期のものが多くて、80年代・90年代のサントラの拡張盤とか完全盤が出るとつい買ってしまうのです。

人によっては「え?この映画の完全盤を買うの?わざわざ高いお金を出して?」と思うような作品でも、好きな作曲家だったりするとコレクター根性を出してつい限定盤を買ってしまう。
ちなみに『キリング・ミー・ソフトリー』(02)のサントラ盤を買った時には「マジで買ったんですか?」と言われました(「パトリック・ドイルの音楽が好きなんだから別にいいでしょ」と思いましたが)。

…というわけで、今年の上半期に購入した拡張盤・完全盤は以下の通り。

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ユニバーサルの「サントラ1000キャンペーン」で『羊たちの沈黙』のサントラを購入。

先月末にユニバーサルミュージックの「サントラ1000キャンペーン」で、旧作サントラが期間限定で1,000円にて続々と再発売されました。

ユニバーサルの過去タイトルだけでなく、以前Hollywood RecordsやVirginから出ていたタイトルも含まれていて、『フェイス/オフ』(97)や『ガタカ』(97)などのアイテムもあったりしてなかなか嬉しいラインナップになってます。

かくいう自分もひととおりのタイトルは所持しているものの、経年劣化でブックレットがヨレてきたサントラや、若い頃(学生時代)に聴きまくって盤面に若干キズがついてきたサントラもあったので、懐具合と相談しながら新品に買い換えようかなと考えております。

そんな中、真っ先に購入したのが『羊たちの沈黙』(91)のサントラ盤でした。

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