BANGER!!!で書いた『バック・トゥ・ザ・フューチャー』音楽紹介コラムの補足的なお話

以前『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作(85/89/90)の地上波放送があった頃に当方のブログで書きましたが、ワタクシはIntradaとVareseからリリースになった『BTTF』のスコア完全盤サントラを所有しております。

ただスコア盤を3作揃えて悦に入るだけではなくて、仕事に還元するのが映画音楽ライターとしての矜恃ではないかと思いまして、5月のムービープラスでのシリーズ一挙放送を機に、BANGER!!!で音楽コラムを書かせて頂きました。

映画音楽ウラ話『バック・トゥ・ザ・フューチャー』 ゼメキスが信頼した音楽家とは?「魅惑の深海パーティー」トリビア解説も | https://www.banger.jp/movie/95883/

主題歌/挿入歌のトリビアは有名なので、個人的にはアラン・シルヴェストリの略歴と彼の音楽に絞ってディープにご紹介したいと考えておりました。
しかしこういう映画コラムというのは、「皆さんが既に知ってることもあえて書かないといけない」という側面もあるので、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースやZZトップの主題歌や”Johnny B. Goode”の小ネタもあれこれ書かせて頂きました。

その結果、シルヴェストリの音楽について文字数の都合で書けなくなってしまったネタも出て参りましたので、当方のブログで補完させて頂きます。

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シュワルツェネッガー主演作のサントラ盤をいろいろ揃えてみた話(『トータル・リコール』『バトルランナー』『プレデター』)

昨年の暮れ、『トータル・リコール』(90)の30周年記念盤サントラを買いました。

2000年にVarese(自分の場合は国内盤を買ったのでVolcano Records)から発売された完全版サントラを持っているので、まあ買わなくてもいいかな…と思って購入を見送っていたのですが、これだけ衛星の映画チャンネルで頻繁に映画を放送されると「やっぱり買っておくかな」という気分になってきて、気がついたら製品をショッピングカートに入れていたという次第です。

ランブリング・レコーズさんの国内流通仕様が一番お安く買えたのですが、さすがに2020年リリースの作品なのでもう売り切ってしまったようで、やや割高な輸入盤を買う羽目になってしまいました。

今回の30周年記念盤はCD2枚組で、Disc 1にジェリー・ゴールドスミスのスコアを完全収録(全28曲77分)、Disc 2に1990年リリースの通常盤の内容をまるまる収録して、そのほかスコアの別テイク、ソースミュージックを収録した構成になってます(全25曲67分)。

ワタクシが購入に踏み切ったポイントとなったのは、この30周年記念盤には2000年の完全盤に未収録だったエンドクレジット曲が入っていることでした。そして各種ソースミュージックの音源も興味深かった。

ブックレットはフルカラー24ページ。最後のページにゴールドスミスとバーホーベンが仲睦まじく写っているツーショット写真があって、満面の笑みを浮かべているご両人を見て「やっぱりこのサントラ買ってよかった」と思いました。

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『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』『ナイルの宝石』のBANGER!!!音楽コラムの補足

今月ムービープラスで『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』(84)と『ナイルの宝石』(85)の放送があったので、BANGER!!!で両作品の音楽コラムを書きました。

80年代サウンドに胸キュン! マイケル・ダグラス出世作『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』『ナイルの宝石』
https://www.banger.jp/movie/63055/

先日twitterでもちょっと書きましたが、ワタクシ以前から『ロマンシング・ストーン』のアラン・シルヴェストリの音楽についていろいろ書きたいなーと思っていました。
しかし国内盤サントラが出ないのでライナーノーツを書く機会もなく、数年前に発売された「20世紀フォックス映画 75周年記念盤」の差込解説書でほんのちょっぴり書いただけでした。
今回の放送の機会を逃したら当分『ロマンシング・ストーン』について書けないぞと思ったので、続編の『ナイルの宝石』と合わせて音楽をご紹介させて頂いた次第です。

そんなわけでまずは『ロマンシング・ストーン』から。

ワタクシは若い頃…というか子どもの頃にこの映画を地上波(日曜洋画劇場とか)で何度も観まして、その時はエレキギターとホーンセクションの演奏が印象的なカーチェイスシーンの曲が好きでした。あとはジョーンとジャックのダンスシーンの曲ですかね。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズでも恋人同士がダンスを通して心を通わせるシーンがあったので、「ゼメキスはこういう演出が好きなのかな」と思いながら観ていた記憶があります。

ただ、地上波だとエンドクレジットはカットされてしまうので、後年衛星の映画チャンネルで『ロマンシング・ストーン』を観た時、「エンドクレジット曲ってこんなにいい曲だったんだ」と思ったものです。
リズミカルなキーボードをバックに、メインテーマのメロディをゴキゲンなサックスで演奏している粋なフュージョン・サウンドだったのでした。

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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズでアラン・シルヴェストリの音楽に魅せられたあの頃のお話。

ワタクシ初めて買ったサントラ盤はハンス・ジマーの『アサシン 暗・殺・者』(93)と、パトリック・ドイルの『カリートの道』(93)スコア盤とソングコンピ盤でした。

しかし映画のサントラには「ソングコンピレーション盤」と「スコア盤」の2種類があることを知り、そのうえでフィルムスコアに関心を持つきっかけとなったのは、たぶん『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)だったのではないかと思います。

…というのも、ワタクシは子どもの頃に『BTTF』を地上波放送で観てハマった人間なのですが、同時にアラン・シルヴェストリの音楽にも魅了されたのでありました。

ところが当時リリースされたサントラ盤というのが「ソングコンピレーション盤」で、シルヴェストリのスコアは2曲しか収録されていなかった。
MTVが隆盛を極めた80年代は「映画のサントラ=ヒット曲を集めたコンピ盤」という風潮になっていて、映画音楽家のスコアにはあまり日が当たらない時代だったような気がします。
だから「サントラ盤っていうのはこういうものなんだな」と思いながら、2曲だけ収録されたシルヴェストリのスコアを聴いて満足するしかなかった。まあコンピ盤とはいえ、映画の公開から7,8年経っていても『BTTF』1作目のサントラが手に入ったのは運がよかったと言えるのですが。

で、そんな自分の「アラン・シルヴェストリのBTTFのスコアをフルで聴きたい!」という願いが叶ったのが2009年。
IntradaからシルヴェストリのスコアをCD2枚組で収録した『バック・トゥ・ザ・フューチャー』デラックス・エディション盤が枚数限定で発売されたのでした。当然のように予約して購入しました。

Disc 1に映画で使われたスコアを24曲・49分24秒収録。
“The complete original motion picture soundtrack”と書いてあるので、思ったよりスコアの分量が少なかったんですね。

Disc 2は”The creation of a classic… Alternate early sessions”ということで、初期セッションのスコアを15曲と、未使用のソースミュージック1曲の合計39分30秒を収録。

このように『BTTF』スコア盤のリリースが実現するまで約四半世紀かかったわけですが、その前にも「BTTFのシルヴェストリのスコアを聴きたい!」という欲求を少しだけ満たしてくれるアイテムがありました。それが「バック・トゥ・ザ・フューチャー・トリロジー」でした。

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80年代・90年代の映画の拡張版サントラをいろいろ買いましたの巻。

去年は新旧サントラ盤が豊作だったなーという印象でしたが、今年も次から次にサントラの名盤がリリースされていて、片っ端からあれもこれもと買っていった結果、仕事場の棚の空きスペースがどんどんサントラ盤で埋まっていっている今日この頃です。

ワタクシはどちらかというと新しい映画音楽家の方々の作品を好んで買う傾向があるのですが、過去作品の完全盤や拡張盤などもいろいろ買ってます。
ワタクシの場合、映画を見始めたのが80年代半ばから90年代あたりなので、個人的に思い入れのある作品もその時期のものが多くて、80年代・90年代のサントラの拡張盤とか完全盤が出るとつい買ってしまうのです。

人によっては「え?この映画の完全盤を買うの?わざわざ高いお金を出して?」と思うような作品でも、好きな作曲家だったりするとコレクター根性を出してつい限定盤を買ってしまう。
ちなみに『キリング・ミー・ソフトリー』(02)のサントラ盤を買った時には「マジで買ったんですか?」と言われました(「パトリック・ドイルの音楽が好きなんだから別にいいでしょ」と思いましたが)。

…というわけで、今年の上半期に購入した拡張盤・完全盤は以下の通り。

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