『007 スペクター』10周年記念拡張盤サウンドトラックアルバムは買うべきなのか、という当方なりの検証結果。

La-La Land Recordsから発売になった『007 スペクター』10周年記念盤サントラが一般ショップでも取り扱い開始になりました。

007 SPECTRE-公開10周年拡張版【輸入盤国内品番】(2CD)- amazon
オリジナル・サウンドトラック 007 SPECTRE-公開10周年拡張版-<限定盤> – TOWER RECORDS
Spectre (10th Anniversary Expanded Edition)<限定盤> – TOWER RECORDS


既にLa-La Landから出ている007シリーズの拡張版サントラを買ったことのある方ならご存じかと思いますが、007シリーズのサントラに関してはまずレーベルの直販と007公式サイトの直販で先行リリースされ、その後しばらく時間を置いてから一般のショップに流通されるという販売方法になっているのです。

当方がレーベルの直販サイトで購入して手元に届いたのが今年の6月下旬。
一般ショップで販売開始になったのが9月16日からだったから、普通に買おうとすると結構待たされる感じ。
で、当方のような堪え性のないせっかちなサントラリスナーは、まんまとLa-La Land Recordsの術中にはまって直販で買ってしまうと。なんか悔しい。。

今回の『スペクター』拡張盤サントラはお値段が大体9,000円~10,000円強。
決して安くはない製品となっておりまして、果たして大枚はたいて買う価値があるのか? あるいはどういうサントラリスナーがこの製品に値段相応の価値を見いだせるのか? …という観点からアルバムを分析してみたいと思います。

Spectre (Original Motion Picture Soundtrack) – amazon music
Spectre Original Motion Picture Soundtrack – TOWER RECORDS

Deccaからリリースになっていた通常盤サントラは全26曲・収録時間約80分でした。
そして今回のLa-La Land盤はDisc 1が全27曲・約74分、Disc 2が全24曲・約74分で収録時間は合計2時間28分です。
ただ、Disc 2の収録曲のうち24分を占める10曲は”Additional Music”というやつで、劇伴のバージョン違いや主題歌”Writing’s On The Wall”のインストバージョン、打楽器アンサンブル”タンブッコ”が主導で作られた曲などとなっておりまして、劇伴の収録時間だけに絞るとまあ2時間くらいという計算。通常盤から劇伴の収録時間が40分、曲数にして15曲ぶん増えたということになります。

上記以外のセールスポイントとしては、劇伴が時系列順(映画本編で使用された順序)に収録されていることと、テーマソング”Writing’s On The Wall”がサム・スミスのボーカルバージョンでちゃんと収録されていることでしょう。
通常盤サントラは「そこに入れるの?」という位置にタンブッコの”Day of the Dead”が入っていたし、「同じユニバーサルミュージック系列のレーベルなのにサム・スミスの主題歌が入れられなかった」という側面もありましたので、そのあたりが拡張盤では解消されたことになります。

ただ、通常盤サントラも収録時間80分弱というのはなかなか健闘しておりまして、それでお値段が3,000円強なのを考えると、前述のセールスポイントのために10,000円近い価値を見いだせるのかという部分が購入の決め手になると思います。

したがって、本盤を購入して満足感を得られるであろうサントラリスナーの方は、

  1. 007映画のサントラ盤には主題歌が入っていて然るべきと考えている方
  2. 劇伴はやっぱり映画で流れた順番どおりの時系列でサントラに収録してほしいと考えている方
  3. トーマス・ニューマンの音楽を愛してやまない方
  4. 『007 スペクター』という作品を愛する方

…ということになるのではないかと思います。
当方は3. と4. に該当するので拡張盤を買った感じです。

正直に申しますと『007 スカイフォール』(12)の方がニューマンも劇伴で面白いアプローチをしていたし、物語の内容も好みではあるのですが、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(21)を観たあと「あ…これなら『スペクター』の方が断然いいな…」と以前とは見方が変わり、ニューマンの音楽にもこれまでとは違った面白みを感じられるようになったのでした。

ニューマンの007音楽については以前BANGER!!!のコラムでざっとご紹介したので、そちらをご覧ください。

ダニエル・クレイグ版ボンド『スカイフォール』『スペクター』に音楽で深みを加えた作曲家トーマス・ニューマン|https://www.banger.jp/movie/37643/

『スカイフォール』よりも従来の007音楽に寄せる方向で来たとはいえ、『スペクター』の劇伴でも随所にニューマンらしさが出ていて「これはこれでいいな」と思いました。”Backfire”や”Westminster Bridge”のようなアクション劇伴もよく出来てるし。

個人的には今回の拡張盤サントラを買って満足しております。

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