『ドラッグストア・カウボーイ』のサントラ盤でキャリア初期のエリオット・ゴールデンサールの音楽を味わう。

ガス・ヴァン・サント監督作の連続上映企画で『マイ・プライベート・アイダホ』(91)と『ドラッグストア・カウボーイ』(89)のデジタルリマスター版が上映になるということで、5月末に後者のサントラ盤を中古で買いました。まあ中古で2,000円以内なら買ってもいいかな、という感じで購入を決断。

Drugstore Cowboy (Selections from the original motion picture soundtrack) – amazon (中古品)

「まあ劇場公開まで日にちがあるし、まだブログで書かなくていいだろ」…と、しばらくほったらかしにしていたら、あっという間に9月になってしまいました。ああ、光陰矢のごとし。

スコア作曲はエリオット・ゴールデンサール。『ドラッグストア・カウボーイ』と同時期に作曲を手掛けていたのは『ペット・セメタリー』(89)。『エイリアン3』(92)や『デモリションマン』(93)、『インタビュー・ウィズ・バンパイア』(94)でメジャーデビューを果たす直前の時期にあたります。

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ゴールデンサールはジョン・コリリアーノやアーロン・コープランドのもとで学び、コンサート音楽や舞台音楽の作曲で注目を集めた現代音楽界の鬼才ミュージシャンでした。
そんな彼が『ドラッグストア・カウボーイ』でどのような音楽を作曲したのかというと、実験的なジャズ(もしくはエレクトロニック・ジャズ)劇伴でした。

劇伴の楽器編成はシンセサイザーとキーボード(ゴールデンサールもキーボード演奏を担当)、テナーサックス、ディジュリドゥ、パーカッションという構成。
テナーサックスが自由奔放なブロウを聴かせる”Monkey Frenzy”や、パーカッションが異国情緒を醸し出す”Mr. F. Wadd”、”White Gardenia!”という女性ボイスが繰り返される”White Gardenia”、ボブ(マット・ディロン)がラリったときの幻影シーンで流れるアンビエント調の曲など、なかなか実験的であり前衛的な劇伴が15曲並んでおります。

現代音楽界の鬼才がホラー映画(『ペット・セメタリー』)の音楽を担当するのは分かるのですが、本作のようなジャズ劇伴でも印象的な仕事をしてしまうのだから、やはりゴールデンサールはすごい。

なお『ドラッグストア・カウボーイ』のサントラは「歌曲6曲+劇伴15曲」という構成で、歌曲は下記の6曲を収録。

For All We Know
Written by J. Fred Coots & Sam Lewis
Vocal Performance by Abbey Lincoln
Piano Accompaniment by Geri Allen

Little Things
Written & Performed by Bobby Goldsboro

Put a Little Love in Your Heart
Written by Jimmy Holiday, Randy Myers & Jackie DeShannon
Performed by Jackie DeShannon

Psychotic Reaction
Written by Ken Ellner, Roy Chaney, Craig Atkinson, Sean Byrne (as John Byrne) and John Michalski
Performed by Count Five

Judy in Disguise
Written by Andrew Bernard and John Gourrier (as John Fred)
Performed by John Fred and His Playboy Band

The Israelites
Written by Desmond Dekker & Leslie Kong
Performed by Desmond Dekker & The Aces

サントラ未収録曲はこんな感じ。

Piu Amore Romantico Per Anna
Composed & Produced by Jeff Levi

I Am
Music & Lyrics by Roky Erickson
Performed by Roky Erickson & Jack Johnson

Cherry Lips
Written by Scotty Moore (as Winfield Scott)
Performed by The Robins

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『ヘンリー』(1986年)の劇伴を作曲したミュージシャンのことが少しずつ分かってきたというお話。

先月からXで何度か書いていますが、映画『ヘンリー』(86)のサントラ盤を中古で手に入れることができました。

このサントラは1990年代に一度だけ中古CD/レコード店で見かけたことがありました。
当時の自分はもちろんマイケル・ルーカーのことは知っていたし、ジョン・マクノートン監督作なら『恋に落ちたら…』(93)と『ワイルドシングス』(98)を観ていたものの、『ヘンリー』は観られるような環境ではなかった(衛星放送でも観たことがなかったしレンタルビデオ/DVDも見かけなかった)ので、「観る機会がなさそうな映画のサントラを買っても意味ないだろう」と考えて購入を見送ってしまったのでした。いま思えばとんでもない判断ミスです。

まあ当時の自分はまだ学生で、しかもバリバリの理系だったので、現在のような仕事(映画音楽物書き/レコードレーベル業)をするなんて想像だにしなかったから仕方がないと言えば仕方がなかったのですが。

やがて時は流れ、『ヘンリー』のカルト的な人気の話を見聞きする度に「やっぱりサントラ買っておけばよかった」と思うようになり、キングレコードの「死ぬまでにこれは観ろ!」シリーズで円盤化されたときに「なんであのときサントラを買わなかったんだ!」と後悔し始め、そして今年『アングスト/不安』(83)と『エヴィレンコ』(03)と共に「これが 彼のやったこと」3部作の先陣を切って8月に劇場公開されると知ったとき、「これは貴重な資料として絶対サントラを買うべきだった」と考えるようになったのでした。

Henry: Portrait of a Serial Killer (Original Motion Picture Soundtrack) Various Artists – amazon music

とはいえ、数年前にWaxwork Recordsから数量限定で発売されていたアナログ盤サントラも既にSOLD OUT、ましてやプレス枚数が少なそうなサントラCDなんて、もう中古レコード店から姿を消しているだろう…と思っていたら、なんとまだ某所で売っていたんですね。しかもプレミア価格にもなっていなくて、ごく標準的な中古CDのお値段で。
この機会を逃したら、たぶんもう一生手に入らないだろうと考え、即オーダーさせて頂きました。

ま、後日デジタル版でもサントラがリリースになっていたということが分かったのですが、こういうものはCDなりレコードなり「モノ」として手に入れることに意義があるわけで。『ヘンリー』のサントラ盤と20数年ぶりの邂逅を果たすことができました。

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ランブリング・レコーズさんの直販サイトで掘り出しものサントラ(今回は『ドラキュラ』と『グレムリン』)を購入。

日頃お世話になっているランブリング・レコーズさんが直販サイトを密かに開設していたということを知り、以前買いそびれたサントラ盤を早速購入してみました。今回購入したのはLa-La Land Recordsの『ドラキュラ』(92)とFilm Score Monthlyの『グレムリン』(84)の2タイトル。

https://music-in-cinema.stores.jp

昨今いろいろなデラックス・エディションやリマスター盤サントラが発売されておりますが、映画音楽物書きを生業としている当方も、さすがに片っ端から買っていくわけにもいかず、諸々の事情で購入を見送ったタイトルが多々ございます。

その事情というのは大きく分けると以下の3つです。

理由1:当時懐具合が心許なかった
理由2:東日本大震災で気が滅入っていて購入意欲が失せていた
理由3:旧盤と収録内容がほぼ同じだった

特に「理由2」で購入を見送ったサントラが惜しまれる。
あの頃は本当に気が滅入っていて、サントラ盤を買うどころか映画を観たり音楽を聴いたりする気も失せていたのでした。仕事で使う必要があるサントラ以外はほとんど買わなかった気がする。

『グレムリン』のFilm Score Monthly盤の発売は、そんな2011年の11月。
「11月ならもう震災の傷も癒えているのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、8ヶ月程度では到底立ち直れないのですよ…。こればかりは実際に被災した身でなければ心情をご理解頂けないと思います。

で、後年になって製品を買おうと思ったら、その頃には既に在庫切れ。
もともとFilm Score Monthlyの製品は日本のショップで取り扱いが少なかったので、BSやCSで『グレムリン』の放送がある度に「震災さえなければサントラ買ってたのにな…」と切ない&悔しい思いをしていたのでした。

でもこれでやっと報われます。

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BANGER!!!で書いた『ジェイコブス・ラダー』紹介コラムの補足/モーリス・ジャールの音楽をさらに深く掘り下げてみる。

10月17日から『ジェイコブス・ラダー』(90)4Kレストア版のリバイバル上映が始まるということで、BANGER!!!で作品紹介コラムを書きました。

『チェンソーマン』作者を魅了した“悪魔&地獄”のビジュアルとは?悪夢的音楽も必聴『ジェイコブス・ラダー』4K上映 | https://www.banger.jp/movie/151729/

1990年代の作品なので既にネタバレ/考察サイトなども多数見受けられますが、それでも当方は自分のコラムの中でネタバレになるようなことを書くのは嫌だったので、見どころをピンポイントでご紹介しつつ、物語の核心に触れることは極力書かなかったつもりです。個人的には何よりもまずモーリス・ジャールの音楽についてたくさん書きたかったですし。

そんなわけで、当方のブログではジャールの劇伴についてもう少し掘り下げていきたいと思います。

Jacob’s Ladder (Original Motion Picture Soundtrack / 30th Anniversary Expanded Edition) – amazon music

『ジェイコブス・ラダー』の劇伴では”Electronic Ensemble”としてマイケル・ボディッカー、マイケル・フィッシャー、ラルフ・グリアソン、リック・マーヴィン、ジャッド・ミラー、ナイル・スタイナーの名前がクレジットされていますが、特に重要なのがボディッカーとスタイナーの二人。

Witness (Original Motion Picture Soundtrack) – amazon music

ボディッカーは『刑事ジョン・ブック 目撃者』(85)の劇伴でシンセサイザー演奏を担当して以来、1980年代~1990年代の”エレクトリック・ジャール”の作品に欠かせないシンセ奏者です。
そしてスタイナーもEVI(Electronic Valve Instrument=電子管楽器)の発明者として知られる管楽器奏者で、本作の前にもジャールの『刑事ジョン・ブック』や『モスキート・コースト』(86)、『追い詰められて』(87)のレコーディングに参加していました。

つまり『ジェイコブス・ラダー』の音楽は、ジャールが『刑事ジョン・ブック』や『追いつめられて』などでタッグを組んだ腕利きシンセ奏者たちと共に作り上げたものということになるわけです。

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『機動警察パトレイバー the Movie』『機動警察パトレイバー2 the Movie』リバイバル上映の機会にサントラ盤をより深く味わってみる。

今月は『機動警察パトレイバー the Movie』(89)と『機動警察パトレイバー2 the Movie』(93)のリバイバル上映があるそうです。

【劇パト1・2連続リバイバル!】<「劇場公開版」音声>&<4K版>での全国リバイバル上映決定!
https://patlabor.tokyo/news/1621

『パトレイバー』は我が青春時代の思い出の作品でして、確か「B-CLUB」を購読していた友人に「『パトレイバー』面白いよ!」と勧められたんだったかな。勧められるがままOVAシリーズ(いわゆる「アーリーデイズ」)を観たら一気にハマってしまったという。
『うる星やつら』の声優さん(古川登志夫さんや千葉繁さん、二又一成さん、池水通洋さんなど)が大勢出ていたから、あのアニメのノリで観られたことも大きかった。

当時の自分は小学校高学年か中学1年生ぐらいで、コンピューターの知識も大して持っていなかった。ファミリーベーシックすらロクに触ったことのないマイコン音痴でした。
だから劇場版第1作を観たときはコンピューター犯罪については仕組みがピンと来ない部分が多く、むしろ聖書の引用のほうが興味があった(通っている小学校がミッションスクールだったから)。
それでも「HOS」の謎解きドラマには見入ってしまったし、レイバーによるアクションも大いに楽しみましたが。

後年パソコンを使うようになってから、「なんて先見性のあるアニメだったんだ!」と作品の本質を理解しました。
自分がWindows UpdateやOSのアップデート、ソフトウェア(アプリ)の更新にすぐ飛びつかず、2週間くらい様子を見てから実施するようになったのは、ほかならぬ劇場版第1作の影響です。HOSに隠された恐ろしい仕様を目の当たりにして「詳細がよくわからない新しいソフトウェアはすぐインストールしないほうがいい」と思うようになったのでした。そういう意味ではパソコンを使うためのよい勉強になった作品でもありました。コンピューター用語とかの知識が身につきましたからね。

劇場版第1作はビデオ(VHS)を買って何度も観ましたし、サントラ盤も繰り返し聴きました。確か自分が初めて買った川井憲次氏のサントラがこれだったと思います。

機動警察パトレイバー メモリアル・コレクション・シリーズ PATLABOR ORIGINAL SOUNDTRACK ALBUM VOL.5“INQUEST” – amazon

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