
La-La Land Recordsから3,500枚限定でリリースになった『グラディエーター』(00)の25周年記念リマスター&拡張盤がゴールデンウィーク中に手に入ったので、ここ3週間近くずっと聴いておりました。
何しろCD3枚組で収録時間も合計200分近くありますので、全ての曲をじっくり聴くとなると3日や4日程度では全然時間が足りないのです。
【輸入盤国内品番】グラディエーター 25周年記念/リマスター&拡張盤 – amazon
【輸入盤国内品番】グラディエーター 25周年記念/リマスター&拡張盤 – TOWER RECORDS
Gladiator (25th Anniversary Remastered and Expanded)<限定盤> – TOWER RECORDS

Disc1とDisc2に劇伴をそれぞれ23曲62分、19曲59分収録。映画の公開当時Deccaから発売になったサントラ盤は全17曲62分くらいだったから、今回は収録内容が倍近くになっている。
そして今回のLa-La Land盤サントラに収録された劇伴は基本的に”Film Version”なので、サントラに収録するために編集が施されたものではなく、映画で使われたバージョンなのがポイント。
例えば”Slaves to Rome”という曲はDeccaの通常盤だと1分の曲でしたが、今回のLa-La Land盤だと2分7秒ある。こんな感じで曲の長さが違うものが何曲かあります。

そしてDisc3は”The Gladiator Sketchbook”という名目で、バージョン違いの劇伴やデモ曲、Additional Musicなどを収録している。
2001年にもDeccaから「MORE MUSIC FROM THE MOTION PICTURE GLADIATOR」というサントラ第2集が発売になりましたが、まあアルバムの位置づけとしてはDisc3はこれに近いです。
しかし全22曲78分収録しているので、全18曲56分だった「MORE MUSIC…」に比べて大幅にボリュームアップしております。
当方はもちろん2001年に『グラディエーター』のサントラ第2集が発売になっていたことを知っていましたが、当時は購入を見送っておりました。
というのも収録曲が”Now We Are Free”のダンスミュージック風リミックスだったり、劇中のセリフ入り劇伴が多めに収録されていたりして、いまひとつ食指が起きなかったのです。「リミックス曲とかセリフ入りの曲よりも前回のサントラに未収録だった曲をもっと入れてくれればいいのに…」と思ったのですね。

それでも「当分デラックス版サントラは出そうにないな」と思い、数年前に通常盤と第2集がひとつになったDecca盤の『グラディエーター』スペシャル・アニバーサリー・エディションのサントラを買ったものの、今回のLa-La Land盤のDisc3が当方の願いを叶えてくれたので、Decca盤スペシャル・アニバーサリー・エディションは早くもお役御免になってしまいました。
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Gladiator (Anniversary Edition) – TOWER RECORDS
(「完全版」と銘打たれているものの、厳密には”完全”ではありません。念のため)
トラックリストを見比べてみると、今回のDisc3にはDeccaの第2集サントラに入っていた「セリフ入り楽曲」に該当する曲は収録されておりませんでした。
この事実から考えると、前述のリミックス曲やセリフ入り楽曲はアルバムの”かさ増し”的なトラックだったのかな…などと思ってしまいます。
今回のLa-La Land盤はブックレットのハンス・ジマー&リサ・ジェラードの最新インタビューも実に読み応えがありました。かなり長いインタビューの英語テキストだったので読むのに時間がかかり、ブログでサントラのことを書くのが大幅に遅れてしまうほどでした。
なかなか興味深い情報がたくさん語られていたのですが、ここで書いてしまったら勿体ないのであえて書きません。実際に製品をご購入頂いて、英和辞典片手に読んで頂くことをお勧めします。なぜ戦闘シーンの音楽にワルツを取り入れたのかというジマーさんの回答が興味深かったです。
あと作曲担当者のクレジットも資料的価値が高いかなと。クラウス・バデルトやジェフ・ローナがメインで作曲した劇伴も結構あることが分かったり。

久々に『グラディエーター』のサントラを聴いたら「やっぱりこの時期のジマーさんの音楽はいいし、
映画も素晴らしかったなぁ…」と感動してしまい、4K版ブルーレイまで買ってしまいました。
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いまさら改めて言うほどのことでもありませんが、『グラディエーター』は名作だと思います。
だからこそ続編は作ってほしくなかった…。
いや、リドリー・スコットが80代後半であれを撮ったというのは勿論すごいことです。
でも第1作でマキシマスの英雄譚が完璧な形で幕を閉じたのだから、あえて「その後」の話は観たいと思わなかったし、知りたくなかったというのが当方の本音です。
一応『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』(24)のサントラも買ったのですが、いまひとつ乗り切れず、あまり聴いていなかったりします。
名作は名作のまま、安易に続編や前日譚、リブートなどに手を出さないで頂きたいな…と思う今日この頃です。
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