
諸般の事情で書くのが遅くなりましたが、先頃La-La Land Recordsから発売になった『テルマ&ルイーズ』(91)のリマスター拡張版サントラを買いました。ちなみに1,500枚限定のリリースだそうです。
【輸入盤国内品番】テルマ&ルイーズ リマスター拡張版(サウンドトラック)- amazon
【輸入盤国内品番】テルマ&ルイーズ リマスター拡張版(サウンドトラック)- TOWER RECORDS
Thelma and Louise (Remastered and Expanded)<限定盤/輸入盤> – TOWER RECORDS

上記の過去ブログでも書いているように、当方はKritzerland盤とnotefornote盤のスコアアルバムを持っているので、「わざわざLa-La Land盤を買わなくてもいいのではないか?」と思いました。
しかし今回のLa-La Land盤はジマーさんが監修を行い、MGM保管庫の音源をリミックス、マスタリング、再編集を敢行し、ボーナストラックも増えてブックレットではジマーさんへのインタビューも読めるということで、「やっぱり買っておくかな」と考え直したのでした。この前『レインマン』(88)のLa-La Land盤サントラを買ったときと同じような仕様です。
…ということは、旧盤はジマーさんが監修していなくて、MGM保管庫の音源でもなかったということなんでしょうか。
旧盤はジマーさんのスコア13曲にボーナストラックでメインタイトル曲のフィルム・バージョンが追加された全14曲でした。
今回は曲のトラック分けが再編集されているので、スコアの収録内容はほぼ同じ(たぶん)でありながら、トラック数が1つ増えて14曲になっています。

ボーナストラックは一部劇伴の”Film Version”と”Alternate”が5曲と、ジマーさんの2000年のライブ「The Wings of a Film: The Music of Hans Zimmer」用に作った組曲のデモ音源、ソングコンピ盤に収録されていた”Thunderbird”を追加した全7曲。トータルの収録時間は1時間弱という感じです。当方のオーディオ環境では旧盤との違いがそんなに分からないものの、音はよいと思います。
今回はランブリング・レコーズさんが輸入盤国内流通仕様で発売してくれているので、Kritzerland盤/notefornote盤しか出回っていなかった頃に比べると買いやすくなりました。まあ旧盤は廃盤になって久しいので、「いまから『テルマ&ルイーズ』のスコア盤を買うならLa-La Land盤一択」ということになるのですが。
例によってブックレットのジマーさんのインタビューが読み応えありました。特に興味深かったのが、クライマックスでゴスペル曲が必要になってジョン・ヴァン・トンジェレンを呼んできた話ですかね。
ゴスペルシンガーがなんと歌っているのか、歌詞(ワンフレーズ程度)についても言及していたので「へぇ、そうだったのか」という感じ。ほかにもいろいろ面白いことを話していたのですが、全部書いてしまったら勿体ないので内緒。
『レインマン』では「お約束のギターを使わないロードムービー劇伴」で注目を集めたジマーさんでしたが、『テルマ&ルイーズ』ではピート・ヘイコックのブルースギターを使いつつ、モダンにアップデートされたロードムービー劇伴に仕上げているのがすごいなと改めて思いました。
たぶん、いまのジマーさんをもってしてもこういう劇伴は書けないような気がする。時代も違いますしね…。
1990年代は現在「巨匠」と呼ばれている映画音楽家がまだ新進気鋭の存在で、若さと勢いと才気をフル活用させて革新的な音楽を次々と生み出していたので、どのサントラを聴いてもとにかく楽しかった。あの時代をリアルタイムでギリギリ体験できた自分は結構恵まれていたのではないかな、と思う今日この頃です。
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