最近買ったサントラ盤 :『エアフォース・ワン』と『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』2枚組デラックス・エディション

先日twitter(現X)でちょろっと書いたとおり、『エアフォース・ワン』(97)のCD2枚組デラックス・エディション版サントラを買いました。
5年くらい前に買いそびれて、どこのショップを探しても在庫なしという状況になってしまい、「あのとき買っておけばよかったな…」とずっと後悔していたのですが、灯台下暗しというか、意外なところで簡単に買えてしまいました。

…というわけで、本日はそのへんのお話でも書かせて頂こうかなと思います。

きっかけはダニー・エルフマンの『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』(08) CD2枚組デラックス・エディション版サントラでした。こちらのアルバムを買おうと思ったら、日本のCDショップだとお値段高めになっていました。たとえばタワーレコードオンラインだとこんな感じ。

Hellboy 2: The Golden Army (Deluxe Edition) – TOWER RECORDS

Varèse Sarabandeの通販サイトだといくらぐらいで売ってるのかな?」と調べてみると20ドル。『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』(19)のデラックス・エディション(25ドル)とセットで買うと6ドルくらい割引になるバンドル版が売っていたりしたのです。

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幸宏さんのEMI時代のリマスター盤を買い揃えていっています(『LIFETIME, HAPPY TIME 幸福の調子』編)

幸宏さんの「大人の純愛三部作」の「幸福編」にあたる『LIFETIME, HAPPY TIME』の最新リマスター盤を買いました。
今回は紙ジャケでの再発なので、プラケースでリリースになった旧盤のバックインレイは縮小サイズで同梱されていました。

LIFETIME, HAPPY TIME 幸福の調子(SHM-CD限定盤) – amazon
LIFETIME,HAPPY TIME 幸福の調子<限定盤> – TOWER RECORDS

やはり紙ジャケではなくプラケースで発売するべきだったのでは…と思った次第。

当時本屋で立ち読みした音楽雑誌の幸宏さんのインタビューだったかな。「LIFETIME, HAPPY TIME」は全ての曲の歌詞に”幸せ”という言葉を入れるつもりで作ったと仰っていました。
実際、11曲中7曲ぐらいに”幸せ”という言葉が入っている。
名曲「元気ならうれしいね」には”幸せ”という言葉は出てきませんが、”人が言うほど僕は不幸じゃない”や”うれしいね”というフレーズが出てくるので、まあこれも広義の”幸せ”ではないかと。

1992年といえば、その少し前から始まったMTVアンプラグドが話題になり、エリック・クラプトンのアンプラグド・ライブ盤も大ヒットして、音楽シーンで「いま、アコースティックサウンドがトレンディ」というような流れがあった記憶があります。

たぶん、幸宏さんもレコード会社との打ち合わせで「幸宏さんもアコースティック路線でひとつどうですか?」的な話が出たのではないかと思います。
実際、前年のライブ「A NIGHT IN THE NEXT LIFE」はアコースティック感強めのアレンジ/セットリストだったし、1993年にはアコースティック・アレンジによるセルフカヴァー盤「HEART OF HURT」もリリースしていますから。

だから今回の「LIFETIME, HAPPY TIME」も「EGO」や「BROADCAST FROM HEAVEN」の音数多めのサウンドからガラッと変わった感じ。
「A DAY IN THE NEXT LIFE」の時点で既にアコースティック色が出てきていましたが、あのアルバムよりも神経質そうな音が少なくなったという印象を受けました。

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幸宏さんのEMI時代のリマスター盤を買い揃えていっています(『A DAY IN THE NEXT LIFE』編)

幸宏さんの「大人の純愛三部作」の「来世編」にあたる『A DAY IN THE NEXT LIFE』の最新リマスター盤を買いました。

A Day in The Next Life (限定盤)(SHM-CD) – amazon
A DAY IN THE NEXT LIFE<限定盤> SHM-CD (TOWER RECORDS)

このアルバムの旧・初回生産盤は、透明プラケースと透明フィルム、名刺サイズの橙&紫のカードなどを使った信藤三雄氏デザインのユニークなジャケットアートが目を引きましたが、リイシュー盤ではあのデザインが中途半端な形で再現されていて少々ガッカリしました。

製品を手に取ったとき、「これは紙ジャケの表面を透明フィルムにしてあのデザインを再現してくれたのかな?」と一瞬ワクワクしたのですが、何のことはない「単なる印刷」でした。
だから「ひとつとして同じデザインになることはなく、十人十色のデザインが楽しめる」という旧初回盤のデザインコンセプトは今回再現されておりません

一応、旧盤にあった名刺サイズのカラーカードと細長いタイトルロゴの紙は封入されていました。
ちなみに旧盤だとカードの裏にオフィス・インテンツィオの住所が書かれていましたが、今回のリイシュー盤だと裏面は白紙です。

本作以降、幸宏さんのアルバムは透明プラケースの特性をフル活用したジャケットアートになるので、そもそもこのリイシュー企画は紙ジャケではなく、プラケースで実施した方がよかったのではないか…とも思った次第です。

そして気になるリマスターの音質ですが、『BROADCAST FROM HEAVEN』の方は違いがあまり分からなかったものの、『A DAY IN THE NEXT LIFE』は旧盤より音の輪郭がハッキリしたような気がします。全体的に音が前に出ている感じとでも申しましょうか。
ちなみに幸宏さんはこのアルバムの制作当時、プリファブ・スプラウトの『ラングレー・パークからの挨拶状』に影響を受けて、わざわざあの作品を手掛けたエンジニアに頼んだそうです。

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幸宏さんのEMI時代のリマスター盤を買い揃えていっています(『BROADCAST FROM HEAVEN』編)

昨年の暮れに紙ジャケ+SHM-CD仕様でリイシューされた幸宏さんのアルバム『EGO』と同時購入したのが、1990年リリースの『BROADCAST FROM HEAVEN』。いわゆる「大人の純愛三部作」の「天国編」です。

BROADCAST FROM HEAVEN (限定盤)(SHM-CD) – amazon
BROADCAST FROM HEAVEN<限定盤> SHM-CD (TOWER RECORDS)

このアルバムは当時母が買いました。確かテレビの歌番組で「1%の関係」を聴いて「いい曲だったから買った」と言っていたような記憶があります。
既にその時「1%の関係」のシングルが出ていたはずですが、幸宏派YMOリスナーの母は即アルバムを買ってしまったのでした。

このアルバムでも『EGO』同様に繊細かつ神経質そうな音は健在。
違いと言ったらアルバムタイトルのように「天国を連想させる音(編曲)」の楽曲があるということでしょうか。
具体的には「6,000,000,000の天国」と「Forever Bursting Into Flame」の2曲。ゴスペル調のコーラスが加わった「Rehabilitation」もそのカテゴリーに入るかな。
このアレンジの妙は、”Additional Arranger”としてクレジットされている上野耕路氏の手腕によるところも大きいのではないかと。
ビートニクス名義の曲のアレンジには、もうひとりの”Additional Arranger”の鈴木慶一氏が携わっていると思いますが。

このアルバムから、スタッフクレジットでしばらく”All songs arranged & performed by Yukihiro Takahashi”という表記になるので、幸宏さんがどの曲で何の楽器を演奏しているのか分からなくなってしまいました。
『EGO』の時は”Vocals, Keyboards, Percussions & Drums”と明記されていたのですが、もっと漠然とした感じのクレジットになってしまった。まあこのアルバムでもいくつかの曲でドラムを叩いているのではないか…と思います。

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『フォロウィング』HDリマスター版が4月公開らしいので、以前買ったサントラ盤をご紹介します。

『オッペンハイマー』(23)の興行的/批評的成功を受けたこともあるのか、クリストファー・ノーラン監督のデビュー作『フォロウィング』(98)のHDリマスター版が4月に日本公開になるそうです。

自分の場合、確かこの映画は衛星放送で観たような記憶があります。
近所の店でソフトを取り扱っていなかったから、ビデオ/DVDレンタルでは観ていないはず。
『メメント』(00)か、あるいは『バットマン ビギンズ』(05)のBS/CS初放送か何かで、ノーラン監督作品の特集放送があったときにこの映画もラインナップに加わっていて、その時に観たのだと思います。

「尾行癖のある自称”作家志望”の男が、狡猾な男にそそのかされて尾行/家宅侵入のスリルに魅せられていき、やがてトラブルに巻き込まれてドツボにハマる」というお話で、観ていてちょっと不快というか、「まあ主人公も自業自得よね…」と思いながら観ていたものです。
ちなみに主人公をインモラルな世界に引きずり込む怪しい男の名前が、『インセプション』(10)の主人公と同じ”コブ(コッブ)”というのはノーラン信者の間でつとに有名。

ストーキング癖のある主人公には全く共感できませんでしたが、ストーリーへの没入感はすごかったと記憶しています。
シャッフルされた時系列、意味深長なモノクロ映像、勿体つけたような会話、嘘と陰謀が幾層にも重なったプロットなどなど、ノーラン映画の特徴がデビュー作に全部詰め込まれている。ノーランにはこのままサイコロジカルスリラー路線で行ってほしかったなぁ…。

当時の自分はノーラン映画にとても関心があり、初期作品の音楽を担当していたデヴィッド・ジュリアンのスコアにも興味があったので、『フォロウィング』もしっかりサントラ盤を買いました。

FOLLOWING – Original Motion Picture Soundtrack (amazon)

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