スティーヴン・キング『メイプル・ストリートの家』を読む

the house of maple street

ここしばらく忙しくて読書の時間がなかったのですが、自分の中で久々にスティーヴン・キング熱が再発して、短編集『メイプル・ストリートの家』をイッキ読みしました。

この短編集、最初に収録されている「かわいい子馬」が個人的にイマイチで、途中まで読んでずっと放置していたんですね…。
しかし何やら「十時の人々」が映画化されるらしいという話をネットで読んで、そんなに面白い話なのかと思って再び興味が湧いてきたというわけです。

今回の短編集に収録されているのは下記の全5話。

1. かわいい子馬
死期の迫った祖父が、
どんくさい(と思われている)孫息子にある”指示”をする話。

2. 電話はどこから…?
平凡な主婦が偶然受けた、泣き声混じりの薄気味悪い電話。
果たしてその声の主は…?という話。
小説の文体ではなく、戯曲形式での収録。

3. 十時の人々
タバコをやめられない銀行マンが直面する、
不条理かつ恐ろしい出来事とは?…というシュールなスリラー。
『魔法使いの弟子』(10)のジェイ・バルチェル主演、
『痩せゆく男』(96)のトム・ホランド監督で映画化の話があった模様。
(その後企画が進んでいるかは現時点では不明)

4. クラウチ・エンド
ロンドン郊外の警察署に半狂乱で飛び込んできたひとりの女性。
彼女は一体何を見たのか?…という不条理ホラー。

5. メイプル・ストリートの家
母親をいじめる継父を亡き者にしようとする子供たちが、
とんでもない行動に出る話。

 

やはり映画化の話が出るくらいですから、「十時の人々」が最もドラマティックでスケールが大きい話でした。
ノリ的には『ゼイリブ』(88)に近いのかなー。喫煙の習慣があるごく一部の人にだけ見えるものがある、的な(タバコ=『ゼイリブ』のサングラスみたいな感じ)。これはうまく映画化したら結構いい感じのモダンホラー作品になりそう。

個人的にツボだったのが「メイプル・ストリートの家」。
ワタクシこの話を外のカフェで読んでいたのですが(ちなみに「ミティーク」一番町店でした)、終盤の荒唐無稽な展開と衝撃のラストに、店内で笑いをこらえるのが大変でした。
オチに向かっていくまでの過程は何が起きるか分からなくて結構恐いのですが、いざ結末を迎えてみればあんな感じだったという…。キングの”ブッ飛んだ”発想が素晴らしい。

 

恐いという点では「クラウチ・エンド」が出色ですね。
いわゆるクトゥルー系。
這い寄るあのお方の名前も出てきます。
エピローグもいかにもキングの短編ホラーという感じでニヤリとさせられますね。

「電話はどこから…?」はいわゆる『世にも奇妙な物語』系のお話。

うーん、やっぱりキングはいいなぁ。
クリスチャン・スレーターとウェス・ベントレーが主演したという、執念の生き埋め復讐大作戦『ドランのキャデラック』(09)も観たいのですが、近所のTSUTAYAにDVDが置いてないんですよね…。そのうちFOXプレミアムあたりで放送してくれないかな…。

 

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