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アトム・エゴヤン監督作『クロエ』(09)を見てきた。

このタイミングならDVD化されるまで待っていてもよかったんですが、エゴヤンの映像美とマイケル・ダナの官能的な音楽の融合を劇場で味わってみたかったので、あえて映画館にて鑑賞。

夫デビッド(リーアム・ニーソン)の不倫を疑った妻キャサリン(ジュリアン・ムーア)が、若く美しい娼婦クロエ(アマンダ・セイフライド)に「自分の夫を誘惑して、彼がどんな行動を取ったか報告してほしい」と”仕事”を依頼した事から、夫婦関係・親子関係が破綻していくというお話。「疑惑」と「嘘」がジワジワと人間関係を蝕んでいく展開とか、キャサリンとクロエが倒錯した性の世界にのめり込んでいくアヤしい展開なんかは、いかにもエゴヤン映画というノリ。とはいえ、この映画を「悪女もの」とか「官能サスペンス」とジャンル分けするにはあまりにも悲しい物語ではありますが。

映画の内容については既にあちこちで語られていると思うので、音楽ネタについてちょいとばかり書かせて頂きますと、劇中クロエが何度か言及する「レイズド・バイ・スワンズ(Raised by Swans)」というバンド、実在のカナダのインディーロックバンドです。

バンドのオフィシャルサイト
http://raisedbyswans.com/

クロエが「インターネット(=配信)は嫌い」と言って、あくまでCDで聞く事にこだわっていたのがミョーに好感が持てた。サウンドも割と好みかも。

オリジナル・スコアはエゴヤンの盟友マイケル・ダナ。僕の大好きな作曲家の一人です。ミニマリスティックな編曲、もの悲しく非西洋的なメロディー、民族楽器(この映画ではバンスリ)の導入など、この人の持ち味が存分に発揮された、控えめなサウンドながらなかなかの力作。『エキゾチカ』(94)とか『8mm』(99)など、一時期かなり独創的な音を聴かせてくれていたけど、最近は割とオーソドックスな作風だったので、こういうユニークな音を鳴らしてくれると無性に嬉しくなる。

本作のサントラでは、ダナさんはギターも担当。あと、ピアノがイヴ・エゴヤンとクレジットされてました。1964年生まれのプロのピアニストという事だったので、恐らくアトム・エゴヤンの妹と思われます(アトム・エゴヤンは1960年生まれ)。

それにしても、クロエ役のアマンダ・セイフライドは・・・やっぱりケロリン顔だなぁ、と。美貌の娼婦というにはクセがありすぎてちょっとビミョーかも。アンバー・ハードあたりが演じてくれていたらもっとよかった気がする(あくまで個人的希望)。

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