エレクトリック・ミスト 霧の捜査線(In The Electric Mist):音楽について

in the electric mist

『エレクトリック・ミスト』の音楽を手掛けたのは、『スクリーム』シリーズでおなじみのマルコ・ベルトラミ。何でもベルトラン・タヴェルニエ監督が『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』(05)の音楽を気に入って、「マルコ・ベルトラミに音楽を作曲してもらおう」と思ったらしい。僕はてっきりトミー・リー・ジョーンズが「この映画の音楽にはベルトラミがいいぞ」と推薦したものとばかり思ってましたが。

監督直々のご指名を受けたマルコさんは、ケイジャン音楽のリサーチのため、相棒のバック・サンダースと共にオールドアメリカン・ミュージックの大御所ダーク・パウエルのスタジオに籠もってケイジャン音楽を聞きまくったそうです。

果たしてそのスコアの出来はというと、フィドル、バンジョー、ギター、トライアングル、アコーディオン、ラブボード(ウォッシュボード)などケイジャン音楽由来の楽器をふんだんに使ったシブい仕上がり。チェロとバリトンサックスの重たい音が織りなすハーモニーがたまりません。哀愁のテーマ曲”In The Electric Mist”のメロディーもジワリと心に染みてきます。

マルコさんがホラー映画で鳴らす音楽の面影はほとんどありませんが、弦のピッツィカートとか独特なリズム感、音と音の隙間(空間)を感じさせるアレンジに”らしさ”が感じられます。個人的には、『3時10分、決断のとき』(07)に勝るとも劣らない名スコアではないかと思うのですが、いかがでしょう。

『ヘブンズ・プリズナー』(96)の時は既製のブルース・ナンバー+ジョージ・フェントンのスタイリッシュなスコアという構成でしたが、枯れた味わいを出すようになったロビショーには、やっぱり古き良きケイジャン・ミュージックがよく似合う。まさに酸いも甘いも知り尽くした大人のためのサントラ。

『エレクトリック・ミスト』のサントラ盤はVarese Saravandeから1000枚限定でCDリリースされました(今はソールドアウト状態)。iTunesでは今も扱ってます。フランス語タイトルで登録されてますが、”In The Electric Mist”で検索すればヒットしますので、気になる方はレッツ購入。

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