ワイルド・スピードMEGA MAX(映画について)

fast five comp

先月上旬に内覧試写に行ってきたのですが、これがめっぽう面白かった。

シリーズ5作目で、しかも上映時間が2時間10分と聞いた時には「こりゃいろいろ詰め込みすぎてダレるのでは?」と思いましたが、ドラマの見せ方やアクションの演出が巧いので、長さを全く感じさせませんでした。「シリーズ最高傑作」の売り文句はダテじゃない。

今回はこれまでの『ワイルド・スピード』シリーズに登場したドミニク&ブライアンの仲間たちがほぼ全員登場するのですが、役割分担が的確かつキャラ設定がしっかりしているので、「この人要らなくない?」というキャラが一人もいないのが素晴らしい。

強盗チームの役割分担としては、

■ドミニク&ブライアン(ヴィン・ディーゼル&ポール・ウォーカー):リーダー
■ミア(ジョーダナ・ブリュースター):ナビゲーター
■テズ(リュダクリス):メカニック
■ローマン(タイリース・ギブソン):詐欺師&お笑い要員
■ハン(サン・カン):参謀兼チームのまとめ役
■ジゼル(ガル・ギャドット):色仕掛け担当
■テゴ&リコ(テゴ・カルデロン&ドン・オマール):工作員
■ヴィンス(マット・シュルツ):バックアップ要員

・・・という感じ。強盗モノに必須なドライバーは全員走り屋なので問題なし。相変わらずハンが斜に構えてさりげなく存在感をアピールしているのと、ジゼルがクールかつアブない感じなのがイカす。この二人のやり取りで、ハンがしょっちゅうスナック(=チップス)を食ってる理由とか、前作で語られなかったジゼルの過去が明らかになるのが小ネタ的に嬉しい感じ。個人的には、シリーズで最も翳りのあるキャラだったヴィンスが久々に登場して、男気溢れる活躍をしてくれたのが嬉しかった。

ジャスティン・リンが監督している限り、ハンは”『TOKYO DRIFT』より前のエピソード”という設定で今後もシリーズに登場するのでしょう。何しろリン監督とサン・カンはダチですので。「こんな事なら『TOKYO DRIFT』で殺さなきゃよかったのに・・・」とも思うわけですが、あの時はリン監督も次回作をオファーされるとは思わなかったんだろうなぁ。いっその事「実は生きていた」って設定にした方がいいかも(さすがにそれは無理があるか?)。

ホブス捜査官役のドウェイン・ジョンソンもなかなかの儲け役で、各方面でバカにされてしまった『妖精ファイター』(10)の汚名返上といったところ。なまじ演技が出来るからってディズニー映画なんかに色気を出さないで、この人にはアクション俳優一本でやっていってもらいたいもんです。

今回は『特攻野郎Aチーム』とか『プリズン・ブレイク』のシーズン4のノリに近いチームプレー映画になっているので、ストリート・レースの要素はほとんどなくなってしまいましたが、カーアクション映画としては一級品。映画の終盤、ドミニクとブライアンのダッジ・チャージャーが巨大金庫を牽引しながらパトカー軍団と壮絶なカーチェイスを繰り広げるのですが、街中のあらゆる物を破壊しまくるヤケクソ気味のカーアクションが最高。第二班監督に『デス・レース』(08)や『バンテージ・ポイント』(08)のスピロ・ラザトスを起用したらしいので、あの映画で見せたようなCGに頼らない”ホンモノ”のカークラッシュが存分に楽しめます。

あ、そうそう。エンドクレジットの後にオマケ映像があるので(しかもあのキャラがサプライズ出演)、映画本編が終わってもすぐに席を立たない事をお勧めします。

音楽についてはまた次回。

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