Laughing Down Crying

laughing down crying

先日リリースになったダリル・ホールの最新ソロアルバム。
これがめっぽう素晴らしい出来。

『Can’t Stop Dreaming』から実に15年振りのソロアルバムという事で、どういうサウンドになるのか実際に聞いてみるまで全く見当がつきませんでした。

『Sacred Songs』みたいなトンがった内容にはならないだろうけど、だからといって『Three Hearts In The Happy Ending Machine』みたいな80sロックの線も考えにくい。やっぱり『Soul Alone』や『Can’t Stop Dreaming』のようなソウル/R&B路線に行くのだろうか? あるいはH&Oの『Change of Season』のようなフォーキーな路線で行くのかしらん、と考えること数ヶ月。

で、実際に聞いてみたら想像以上にポップなロック・アルバムに仕上がっていて本気で感動しました。「ダリルさん、若返りましたか?」というくらいヴォーカルとサウンドが瑞々しい。Live From Daryl’s Houseで若い世代のミュージシャンと共演している経験が、サウンドにも着実にフィードバックされている感じ。いずれの楽曲もギターサウンドを前面に出した作りで、H&Oのどのアルバムに最も近い音か?と言われたら、意外と『Marigold Sky』に近い印象を受けます。

Track List:
1. Laughing Down Crying
2. Talking To You (Is Like Talking To Myself)
3. Lifetime Of Love
4. Eyes For You (Ain’t No Doubt About It)
5. Save Me
6. Message To Ya
7. Wrong Side Of History
8. Get Out Of The Way
9. Crash & Burn
10. Problem With You

個人的には”I Can’t Go For That (No Can Do)”の流れを組む浮遊感を漂わせた”Eyes for You (Ain’t No Doubt About It)”とか、ロックン・ソウル全開の”Save Me”、ギターロック・バラードの”Get Out of The Way”がお気に入り。

ゲスト・ミュージシャンはホーン隊の一人としておなじみチャーリー・デシャントが3曲、懐かしのミッキー・カリー(Dr)が3曲参加してます。そして名ギタリスト/ベーシストの故Tボーン・ウォルクの生前最後の演奏も収められています。ブックレットにもTボーンの写真が載っていて、何だか切なくなってしまいます。

エリオット・ルイスは先日メールをやり取りした時に「ダリルのアルバムのレコーディングには参加してないんだよねぇ」と言っていましたが、フォトグラファーとして写真を提供していました。”back cover and interior shots”とクレジットされているので、恐らく裏ジャケとかブックレット裏の写真がエリオットさんのものではないかと。ちなみに彼はH&Oの『Our Kind of Soul』のジャケ写も手掛けてます。

80年代H&Oのような派手なキャッチーさはないかもしれませんが、歌詞カードを読みながらじっくり聞きたい1枚。必聴です。

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