ルー・リードの音楽を教えてくれたのは映画のサントラだった

trainspotting

先日デザイナーのDaiさんのオフィスでデヴィッド・リンチ短編集上映会を開いた時、
(上映会と言っても、お菓子食べてワイン&お茶飲みながらダラダラDVD観るだけ)
リンチの『ロスト・ハイウェイ』(96)繋がりでルー・リード死去の話題になり、
亡きルー・リードを偲んで急遽ライブ動画鑑賞会へとなだれ込みました。

Daiさんはヴェルヴェット・アンダーグラウンド(以下VU)に並々ならぬ思い入れがある方なのですが、
かくいう自分はというとVUのアルバムもリードのソロ作もほとんど持っておらず、
それでもルー・リードの曲は結構好きという、
熱狂的なリード愛好家からすれば「邪道」なリスナーだったりします。

僕の場合、初めてルー・リード(とVU)の曲を知ったキッカケは、
ブライアン・フェリーのアルバム『ベールを脱いだ花嫁』に収録された
What Goes Onのカヴァーでした。

その次がフェリーさんのアルバム『TAXI』に収録されたAll Tomorrow’s Party。
その後リードやVUのオリジナルアルバムを聴く…という方向には行かず、
(彼らの作品は当時の自分には敷居が高そうな気がしたので)
映画を通して彼の曲に触れる機会が圧倒的に多かったのです。

例えば『夢の涯てまでも』(91)のWhat’s Good、
『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(94)でカウボーイ・ジャンキーズがカヴァーしたSweet Jane、
リード本人が出演もしている『ブルー・イン・ザ・フェイス』(95)のEgg Cream、
『ケーブルガイ』(96)でポルノ・フォー・パイロスがカヴァーしたSatellite of Loveと、$10,000ゴールド・チェインがカヴァーしたOh’ Sweet Nuthin’、
『トレインスポッティング』(96)のPerfect Day、
『ロスト・ハイウェイ』(96)のThis Magic Momentのカヴァー、
『ベルベット・ゴールドマイン』(98)のSatellite of Love、
『ミリオンダラー・ホテル』(00)でミラ・ジョヴォヴィッチがカヴァーしたSatellite of Love、
『ハイ・フィデリティ』(00)のWho Loves The SunとOh! Sweet Nuthin’、
『ロックンローラ』(08)のThe Gun、
そして数日前にDVDで観た『ジャッキー・コーガン』(12)のHeroinとWrap Your Troubles In Dreams…といった具合でしょうか。
『私はうつ依存症の女』(01)は本編こそ観ていないものの、
予告編でチラッと映ったルー・リードのPerfect Dayのライブ映像が印象的でした。

…こんな感じで、ルー・リードの音楽はサントラが教えてくれたようなものです。
実際、自分の部屋にあるサントラ盤に彼の曲が入っている確率もかなり高いですし。
あの歌っているのか語っているのか分からない、
音程が合っているのか外れているのか分からないリードの独特な歌い方。
最初は戸惑いますが、聞き込むほど味が出てくるというか、
中毒性がありますね…。

僕が思い入れのあるリードの曲(及び彼の曲が使われた映画)と言えば、
やはり『トレインスポッティング』のPerfect Dayと、
『ロスト・ハイウェイ』のThis Magic Momentという事になると思います。
『トレインスポッティング』本編でのPerfect Dayの寂寥感は忘れられない。
『ロスト・ハイウェイ』は映画それ自体も衝撃的だったし、
原曲の面影が微塵もなくなったThis Magic Momentのカヴァーもまたショッキングでした。 

ルー・リードの音楽界での偉大さは申し上げるまでもありませんが、
映画界(サウンドトラック界)にも多大な貢献をしたアーティストなのではないかと思います。
自分も『メタル・マシーン・ミュージック』の面白さが分かる大人になりたいです。

レストインピース。

 

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