『ワイルド・スピード SKY MISSION』でブライアン・オコナーの”旅立ち”を見届けて参りました…。

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ポール・ウォーカー最後の出演作となった、
『ワイルド・スピード SKY MISSION』(15)を鑑賞。

何だか以前もこんなことを書いたような気もしますが、
このシリーズも1作目からずいぶん遠いところに来てしまったなぁ…というのが正直な感想です。

かつてLAで違法ストリートレースと強盗稼業に明け暮れていた連中が、
今や世界を股にかけて巨悪と戦うヒーロー軍団に。
相手が元イギリス特殊部隊員だろうがテロリストだろうが臆することなく真っ向勝負。
(そして苦戦しつつも勝ってしまうという…)
音楽が同じブライアン・タイラーだし、
ジェイソン・ステイサムとロンダ・ラウジーが出ていることも手伝って、
何だか『エクスペンダブルズ』のスピンオフ映画を観ているような錯覚になってしまいました。
まぁ超弩級アクションを景気よくドッカンドッカン見せてくれるし、
フツーに面白いからいいんですけど、
もはや1作目の「ストリートレースの世界を描いたカーアクション映画」というカラーは皆無に等しい。
ストリートレースを真面目にやっていたのは3作目の『TOKYO DRIFT』(06)まででしたね…。

まぁシリーズの方向性についてはいろいろ思うところがあるのですが、
ブライアン・オコナー=ポール・ウォーカー最後の勇姿を見届けることができたので、
個人的にはそれでOKなのであります。

 

ウォーカーが撮影途中で亡くなったので、
スタントダブルやCGを駆使して、
ブライアン登場シーンの追加撮影を行った…というのは周知の事実ですが、
どの場面でCG合成を使ったのかとか、
代役を使ってるのはこの場面だとか、
ワタクシ今回はあえてそういう情報は入れないことにしました。
知りすぎない方が幸せでいられることってありますからね。。
ポール・ウォーカーがブライアン役を演じきったと解釈したっていいじゃないか、と。
彼は事故で亡くなったんじゃなくて、
ブライアンみたいにどこか遠い所へ旅立っていったと考えたっていいじゃないか、と。
そう思うのです。

…というわけで、本編の話はこれぐらいにしておいて、
ここからはワタクシの本分である音楽について。

 

今回はシリーズの時系列でいうと『TOKYO DRIFT』(06)の途中からの話になるわけで、
『TOKYO DRIFT』のサントラに入っていたDJ ShadowのSix Days(remix)を渋谷のシーンでちゃんと使っていたあたり、
なかなかニクい選曲というか芸が細かいなーと思いました。

このシリーズは「作品の繋がり」をとても大事にしているなーというのが、
音楽の面でもよく分かるようになっていて、
過去作品(『TOKYO DRIFT』以降)のテーマ曲をきちんと続編にも活用しているんですね。
今回は『ワイルド・スピード MAX』(09)からメインテーマ(レティのテーマ)、
『ワイルド・スピード MEGA MAX』(11)からメインテーマとホブスのテーマを使っている模様。

シリーズを通して観ている人ほど、
そして毎回スコア盤を買って聴いている人ほど、
メインテーマや各キャラクターのテーマ曲などにビビッと反応して、
作品への愛着が湧く仕組みになっているとも言えます。

いやーシリーズもので作曲家が固定するというのはいいですねー。
マーベル・シネマティック・ユニバースの関連作品も、
こういうところをちゃんとしないとダメなんだけどなぁ…。
後生だから続編を作る時は作曲家を続投させて下さい。

 

話がそれましたが、
『SKY MISSION』もサウンド的には「オーケストラ+シンセ」といういつもの仕様。
ただ今回は話の根幹にあるのが「復讐」なので、
『MEGA MAX』の時に比べると陽気なノリの音楽が少なくなってます。
まぁ『MAX』も「復讐」がテーマではありましたが、
『MAX』のスコア盤に収録されていたOutta SiteとかFast and Furiousのような、
テンション高めのテクノ系スコアが今回はほとんどなくて、
『エクスペンダブルズ』とか『ランボー 最後の戦場』(08)系の「ストレートに熱いスコア」になってます。
これも映画本編のノリを反映させたサウンドと言えるでしょう。
カーアクション映画の音楽というより、
今回は完全にガチバトル・アクション映画の音楽になってます。
(ステイサム扮する悪役デッカード・ショウのテーマ曲もあります)

スコア盤は全28曲で収録時間約77分。
ボリューム満点でございます。
『MEGA MAX』に比べて曲のアレンジの変化が少ないので、
やや中だるみする部分もあるのですが、
それでも激アツなアルバムであることに異論はありません。

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ブックレットを開いた最初のページにある”FOR PAUL”の文字。
泣けます。

どうでもいいけど今回登場する「神の目」という監視システム、
『パーソン・オブ・インタレスト』のマシンとかサマリタンと同じですよねアレ。

 

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