『リベンジ・オブ・ザ・グリーン・ドラゴン』の音楽が何となく80年代風だった件。

revenge of the green dragons

DVD/ブルーレイのリリースまで待ってもよかったのですが、
先日フォーラム仙台で『リベンジ・オブ・ザ・グリーン・ドラゴン』(14)を観てきたのでした。
(”先日”と言っても結構前の話になってしまいましたが…)

2015年になって、こんな問答無用にバイオレントでカオスでイカレたアジアン・ギャングが主役のアメリカ映画が観られるとは思いませんでした。
『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』(85)とか『NYPD 15分署』(99)とかの世界観でしょコレは。
しかもマーティン・スコセッシとかマイケル・チミノとかオリヴァー・ストーンだったら、
2時間半とか3時間かけて描きそうな内容を、
たった95分くらいで描いてしまうというアンドリュー・ラウ監督のパワフルかつ荒削りな演出。
いろんな意味で凄かった。
スコセッシは製作総指揮を担当しているので、
レイ・リオッタが特別出演しているというのが個人的には胸アツでした。
しかも今回は悪党ではなく、仕事熱心なFBI捜査官役。
この配役が何か嬉しい。
レイ・リオッタを善人役で観たのは久しぶりな気がしますね。。

で、ワタクシ何でこの映画をわざわざ劇場に観に行ったかと申しますと、
スコセッシ製作総指揮だから&レイ・リオッタが出てるからという理由もありますが、
最大の理由は「マーク・キリアンの音楽が結構面白かったから」なのであります。

 

まぁよほどのサントラリスナー(しかも最近の作品を好んで聴く人)でなければ、
「マーク・キリアン?誰それ?」という感じでしょうけれども、
この人はジョン・カーペンターの『ザ・ウォード/監禁病棟』(10)とか、
日本未公開作ながら意外と掘り出し物だった『トレイター/大国の敵』(08)の音楽を手掛けている作曲家です。
(『ツォツイ』(05)の音楽なども担当してます)
民族音楽の要素とかシンセを効果的に使った、
なかなかユニークな音楽を作っている人ですね。

ワタクシ結構この作曲家さんには注目しておりまして、
今回も映画を観るより先にサントラを購入したのですが、
いかにも「チャイニーズ・マフィアの映画でございます」的な中華風の音楽でゴリ押しするのではなく、
ロックな味付けのスコアだったので、
「これは映画本編は一体どういうことになってるのだろう?」と気になった次第でして。

確かにこの映画でもオリエンタルなフレーズは随所に顔を出すのですが、
その音色を奏でているのがチェロだったりドゥドゥクだったりして、
ブックレットの情報を見た限りでは、中国由来の楽器を使っていないのが興味深い。
そしてエレクトリック・ギターのリフが妙に80年代ロックっぽいのも面白い。
(例えばアルバム9曲目の”Gangs of Queens”とか)
恐らく映画の舞台が1980年代のニューヨークだから、
音楽もワザと80年代風にしたのかもしれません。
ドラムス、ベース、ギター(2名)の演奏者のクレジットがあるから、
「オーケストラ+4ピース・ロックバンド」的な構成と言えなくもないでしょうか。
こういう音楽、80年代のB級サスペンス・アクション映画でよく聴いたような気がします。

 

で、アルバムのラスト4トラックに歌モノ/既製のロックナンバーを収録しているのですが、
威勢のいいギターロックをかき鳴らすMaseratiの”Pyramid of The Moon”とか、
映画のエンドクレジットで流れるCarl Restivoの”The Promised Land”(featuaring トム・モレロ)とか、
モダンな女性アジアン・ポップス曲の”Green Dragon”(歌:Devon Diep)など、
いずれも混沌としたパワーを感じさせて妙にカッコイイ。
The Promised Land後半のモレロのギターソロは鳥肌ものです。

そしてアルバムのラストを飾るのがHeavy Young Heathensの”朝日のあたる家”のカヴァーという、
スコセッシ製作総指揮ならではの選曲に涙がチョチョ切れる。
(”朝日のあたる家”は『カジノ』(95)の終盤で使われてましたので…)
で、この曲は映画本編の一体どこで使われるのかとワクワクしていたら、
何とまさかの本編未使用。
なぜだ!なぜなんだ……!
この曲を使った場面がカットされたのか、
もともとこの映画の予告編用の曲だったのか。
せっかくゴージャスかつ退廃的なアレンジがカッコいいカヴァー・バージョンなのに、
何だか勿体ないなーという気がします。

映画本編は暴力描写が結構ドギツいので好みが分かれるところですが、
個人的にはキリアンの音楽+劇中使用曲の効果で割と楽しめた作品でした。

 

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