映画『二ツ星の料理人』で使われた曲をまとめてご紹介しますの巻

Burnt(Score)

明日から『二ツ星の料理人』(15)が公開になりますが、
ロブ・シモンセンのオリジナル・スコアを収録したサントラ盤(スコア盤)がランブリング・レコーズさんから発売中ということで、
まずはこちらを是非ぜひよろしくお願い致します。
(僭越ながらワタクシがライナーノーツを担当させて頂きました)

そしてこの映画、
シモンセンのスコアの他にもオサレな既製曲が何曲が使われております。
しかし編集で苦労したのか、
あるいは監督があまり音楽にこだわりがなかったのか、
既製曲は「劇中で何となくバックで流れている」程度だったり、
「あれ?ここで切っちゃうの?」というぐらい数十秒しか流れなかったりして、
オサレな曲を使っている割にあまり印象に残らないのであります。
まぁ結果としてシモンセンのスコアの存在感が際立ったので、
個人的にはそれはそれでオッケー!…ではあるのですが。

とはいえ、曲単体として聴くとどれも名曲揃いなので、
この場を借りてご紹介していこうかなと思ったりなんかするわけです。

 

…というわけで、まず用意するのはこちらのボーカルコンピ盤。
これは輸入盤&配信で手に入ります。

burnt_ost

amazonのソングコンピレーション盤紹介ページ(デジタルダウンロード版)

そしてコンピ盤の収録曲は以下のごとし。

1. Fire – Barnes Courtney
2. It Serves Your Right to Suffer (The Avener Rework) – The Avener & John Lee Hooker
3. Dream – Autograf
4. Fade Out Line (The Avener Rework) – The Avener
5. Flashright – Bonobo
6. Love Like This – RY X

7.~10. Original Scores – Rob Simonsen

11. Ode to A Sous Vide – Bradley Cooper

Fireは映画のエンドクレジットで流れる事実上の主題歌…ということになるのかな。
(劇中でもちょっとだけ流れてましたが)
バーンズ・コートニーはインディーズの音楽シーンで活躍する、
ほとんど無名に近いシンガーソングライター。
この曲が『二ツ星の料理人』に使われることになって、
グーンと彼の知名度が上がったそうです。
何だか西部劇の主題歌みたいな曲ですね。
これが主題歌になる時点で、
『二ツ星の料理人』は単なるグルメ映画じゃないぞ、という感じ。

It Serves Your Right to Sufferは、
映画の冒頭、ブラッドリー・クーパー扮するアダム・ジョーンズが、
延々と牡蠣の殻剥きをするシーンで流れていた曲。
ジョン・リー・フッカーのスローでマッタリした感じのブルースソングを、
フランスのディープ・ハウス系アーティストThe Avenerがリミックスしたものです。
ジョン・リー・フッカーのスローな歌がテンポアップしてて何だか可笑しい。

 

Dreamはシカゴを拠点に活躍する3人組のクラブミュージック系アーティスト。
リゾート・ミュージック系の音作りが得意らしく、
そっち系の音のリミックスワークも多いらしい。

Fade Out Lineはフィービー・キルディアのヒット曲で、
今回映画に使われたのは前述のThe Avenerのリミックスバージョン。
原曲もヒットしたけど、
このリミックスバージョンもヨーロッパでロングヒットを記録したらしい。

Flashlightはアダムのライバル料理人リース(マシュー・リス)のパーティーのシーンで使われていた曲(だったと思う)。
BonoboはNinja Tune所属のブレイクビーツ系アーティスト。

Love Like Thisは、確かアダムとエレーヌ(シエナ・ミラー)が語り合う場面の曲だったはず。
RY Xはオーストラリア人のシンガーソングライター兼ミュージシャン。

 

ロブ・シモンセンのスコアについては以前ブログに書いたので、
そちらをご参照下さい。
ワタクシがスコア盤に寄稿したライナーノーツにはもっと詳しく書いてますので。。

コンピ盤最後のOde to Sous Videは、
まさかのブラッドリー・クーパーのボーカル曲。
…と言っても、映画を観た人なら分かると思いますが、
まぁ歌とは呼べないような歌です。

「ババババーーーーン!ババババーーー!オゥ!ババババーーーーン!」

…こんな感じ。
ブラッドリー・クーパーのキレ演技、ここに極まれりといった趣がありますな。
それでも一応クレジットは「作曲・演奏:ブラッドリー・クーパー」になってます。

あとは以前のブログでも書きましたが、
『ドニー・ダーコ』(01)からマイケル・アンドリュースのスコアを数曲流用してます。
“Carpathian Ridge”、”Gretchen Ross”、”Cellar Door”の3曲。
いずれも『ドニー・ダーコ』のサントラ盤に入ってますね。

…というわけでワタクシと致しましては、
まずはスコア盤をお買い求め頂いて、
その後コンピ盤を輸入盤で買って頂くか、
あるいは配信で気に入った曲をバラで買って頂くか、
そのような感じでサントラを補完して頂ければと思っております。
(ワタクシはスコア盤もコンピ盤も両方買いました)

なお本国ではこの映画のスコア盤は配信のみのリリースのはずなので、
CDプレス盤はある意味とても貴重なアイテムなんですよお客さん!

amazonの製品紹介ページ

『二ツ星の料理人』オリジナル・サウンドトラック・スコア
音楽:ロブ・シモンセン
レーベル:Rambling Records
品番:RBCP-2993
発売日:2016/05/25
価格:2,400円(+税)

 

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