『テイカーズ』のこと(追悼 ポール・ウォーカー)

Takers ポール・ウォーカーが自動車事故で亡くなった。

この話題をツイッターで目にした時、
誤報かタチの悪いガセネタだろうと思いました。
でも『ワイルド・スピード』シリーズや『タイムライン』(03)の作曲家ブライアン・タイラーさんが、
“Devastating. Paul you will be sorely missed.”
…とコメントしているのを見て、
これは本当の事なんだと知り、呆然としました。

映画の中ではいつも溌剌としていて、
カスタムカーを楽しそうに乗り回していた印象のウォーカーに、
こんな人生の最後を用意するとは、この世は残酷すぎますね…。
今後映画チャンネルやDVDで彼の姿を見た時、
恐らく今までとは全く違う思いが、胸の中にこみ上げてくる事になるのでしょう。
それを考えるとすごく切なくなってしまいます。

とはいえ、『ワイルド・スピード』以外の彼の出演作をもっと観て頂きたいので、
本日は『テイカーズ』(10)について書きたいと思います。

 

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ジェフ・ダナ名作選 / バイオハザードII アポカリプス(2004)

resident evil 2

『ケルティック・ロマンス』のアーティスト、マイケル・ダナ&ジェフ・ダナのフィルモグラフィーを振り返る不定期連載企画。

今回はジェフの作品から、ポール・W・S・アンダーソン監督&ミラ・ジョヴォヴィッチ主演『バイオハザード』シリーズの2作目、『バイオハザードII アポカリプス』(04)をご紹介します。

有名ゲームソフトの映画化、と言っても映画版のバイオハザードは独自のストーリーを展開しているため、忠実な映画化とは言い難いものがあります。が、しかし。この『バイオII』はシリーズ中最も再現度が高い要素があります。それは登場キャラクター。さらに言うならジル・バレンタイン。

何と言っても、シエンナ・ギロリー扮するジル・バレンタインのコスプレが最高なのですよ。ゲーム版『バイオIII』のコスチュームを完璧に着こなしてます。よくこれだけイメージがぴったりの女優さんを探してきたもんだ。映画版『バイオII』の真のヒロインはジルといっても過言ではないでしょう。この映画はシエンナジルの事だけで語り尽くせます(ヒドい言い方)。

しかし肝心の映画本編…というか、格闘アクションの見せ方がイマイチなのが残念。監督のアレクサンダー・ウィットは『ハンニバル』(01)とか『ボーン・アイデンティティー』(02)の第二班撮影監督をやっていた人(この映画の後、『ワールド・オブ・ライズ』(08)の撮影監督に抜擢されます)なので、長編映画監督としての手腕はまだまだだったのでしょう。その点、続編の『バイオハザードIII』(07)はベテランB級アクション監督のラッセル・マルケイだったから、映像にも一種のケレン味というかメリハリがあったような気がします。

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ウルフマン

the wolfman

先週『ウルフマン』(10)を観てきました。

ベニチオ・デル・トロとエミリー・ブラントという僕のお気に入りの役者さんが
出てるので、彼らの演技は(個人的に)それなりに楽しめましたが、印象と
してはフツーの怪奇映画という感じでした。事件の真相も「あの人」が登場
した途端に何となく分かってしまいますし。

まぁ、製作中にゴタゴタがあった割にはソツのない仕上がりになっていた
ような気はしますが。

問題はそのゴタゴタだったりするんだなぁ。この前『タイタンの戦い』(10)で
作曲家交代劇があった事を書いたばかりですが、この映画でも交代劇が
起こってしまったのです。しかも、状況的にはこっちの方がもっとややこしい。

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