『インターステラー』を観て思ったこと→『イベント・ホライゾン』はもっと評価されていい映画です!

event horizon

前回ブログに投稿したとおり、
ワタクシ『インターステラー』(14)を観てきたわけですが、
劇中のワームホールの説明シーンを見た時にふと思い出したのです。
「ああ、これ『イベント・ホライゾン』(97)と全く同じ説明の仕方だわー」と。
そして映画を観終わる頃にはこう確信しておりました。

『イベント・ホライゾン』はもっと評価されて然るべき作品ではないだろうか?

まぁワタクシこの映画が劇場公開当時から大好きだったので、
かなり個人的な贔屓も入ってますが、
ワームホールを題材にしたSFスリラーとしてはかなりよく出来た映画ではないかと。

ワームホールの向こう側から7年ぶりに戻ってきた大型探査船「イベント・ホライゾン号」。
生存者救出のため、救助船ルイス&クラーク号のクルーと、
イベント・ホライゾン号設計者のウェアー博士が探査船内に乗り込むも、
そこには想像を絶する光景が広がっていた…というSFホラー映画です。

監督はこの作品の前に『モータルコンバット』(95)でひと山当てたポール・W・S・アンダーソン。
近年はすっかり「『バイオハザード』の人」になってしまってますが、
この時期は翌年の『ソルジャー』(98)とかイカすB級SF映画を撮ってました。
監督デビュー作の『ショッピング』(94)も結構よく出来ていた気がします。
『イベント・ホライゾン』も緻密なメカ設定とか、
痛覚を刺激する特殊メイクとか、
音でビビらせるショック演出とか、
ワームホールの向こう側の解釈とか、
映画公開から17年経ったいま観ても、
なかなかよく出来てるなーと思います。
全長2.5kmで恐竜(翼竜)のような外観のイベント・ホライゾン号のデザインが秀逸。

キャストも結構豪華かつ行動の予測がしづらいクセ者揃い。

ローレンス・フィッシュバーン(ルイス&クラーク号キャプテン・ミラー大佐)
サム・ニール(イベント・ホライゾン号設計者・ウェアー博士)
キャスリーン・クインラン(緊急事態担当技師・ピーターズ)
→『ブレーキ・ダウン』(96)でカート・ラッセルの妻役を演じた人です。
ジョエリー・リチャードソン(ナビゲーター・スターク中尉)
→『ドラゴン・タトゥーの女』(11)にも重要な役で出てました。
ジェイソン・アイザックス(ドクター・D.J.)
→ご存じハリポタのルシウス・マルフォイ役。
ジャック・ノーズワーシー(エンジニア・ジャスティン)
ショーン・パートウィー(パイロット・スミス)
→『ドゥームズデイ』(08)でミディアム・レアにされちゃった人です。
リチャード・T・ジョーンズ(緊急事態担当技師・クーパー)
→父親が元南海ホークス/近鉄バファローズのクラレンス・ジョーンズという神戸生まれの黒人俳優。

こういうメンツが顔を揃えているので、

誰が善人なのか、あるいは信頼できるのか分からない。
誰が生き残るか分からない。
誰がいつ、どのタイミングで死ぬか分からない。
誰がどの順番で退場していくか分からない。

…というキャスティングの妙が生み出すスリルがあるわけです。
この映画、ホラーとして見てもかなり怖い部類に入ると思います。

 

『インターステラー』はワームホールの向こう側にある種の希望を見いだす映画でしたが、
こっちは「科学技術が進歩しても、人間がやっていい事と悪い事があるのでは?」
…という一種の警鐘を鳴らす映画という側面もございまして、
そのへんの捉え方というか解釈の違いによって、
どっちの映画の方が好きとか嫌いとかが分かれるのではないかと思います。
劇中でも「こんな神への冒涜みたいな船を作ったから罰が当たったんだ!」
…とウェアー博士に食ってかかるスミスというキャラがいましたが、
あなたはスミスを支持しますか?
それともウェアー博士を支持しますか?

音楽を手掛けたのは『ダイ・ハード』や『リーサル・ウェポン』シリーズのマイケル・ケイメンと、
90年代UKクラブシーンを代表するテクノユニットのオービタル。
演奏はロンドン・メトロポリタン・オーケストラ。
ロック大好き映画音楽家のケイメンと、
テクノ系のオービタルという消化不良を起こしそうな組み合わせですが、
これがなかなかいい方向に化学反応を起こしてくれているのであります。

まぁケイメンはあまり打ち込み系の音が得意ではなかったようで、
電子音多めだった『X-メン』(00)もあまりセンスのいい鳴らし方ではなかったのですが、
そのへんのケイメンの”弱点”をオービタルの二人が補っている感じですね。
オープニングタイトルのシーンから、
ブラスの和音を効かせたケイメンのシンフォニックなサウンドに、
威勢のいいテクノビートをドンツクドンツク鳴らしております。
劇中の音楽は決してメロディアスな感じではありませんが、
あのケイメン特徴的なブラスの和音が、
要所要所で「パーーパパパパーー」と鳴ったりするので、
「あー、確かにケイメンの音だなぁ」と分かる感じです。

エンドクレジット曲はプロディジーのFunky Shit。
ジャケ写がカニのアルバムに収録されている曲です。
あのラストの後にプロディジーの曲を流すというセンスが秀逸。
ある意味、後味スッキリな選曲と言えるでしょう。

「何でこの映画のラストにプロディジーを流すんだよ?」と疑問に思う方も多かったようですが、
その答えは恐らくただひとつ。

ポール・W・S・アンダーソン監督がテクノ好きだから。

もうこれに尽きるのではないかと。
ケイメンにオービタルを組ませたのも彼のアイデアかもしれません。
何しろアンダーソンは『モータルコンバット』のサントラでテクノとメタルの曲をかけまくった人だし、
この時すでにオービタルの曲も使っていたので。

サントラ盤にはプロディジーの曲は未収録で、
ケイメンのスコアを4曲収録。
「The Forward Decks」「The Main Access Corridor」
「Engineering」「The Event Horizon」の4つで、
それぞれが組曲形式で8曲・5曲・5曲・2曲に分かれている感じ。
ただしトラック分けされていないので曲が繋がってます。
うーん、このへんはトラック分けしてほしかったな…。

 

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