スリルと興奮が加速する! 『トレイン・ミッション』の音楽は反復サウンドで攻めまくるというお話。

ランブリング・レコーズ様からのご依頼で、
『トレイン・ミッション』(18)サントラ盤のライナーノーツを書かせて頂きました。

ワタクシ以前『アンノウン』(11)『フライト・ゲーム』(14)のライナーノーツも書かせて頂いたので、
またジャウマ・コレット=セラ×リーアム・ニーソンのタッグ作品のサントラの仕事が出来て嬉しかったです。
しかも音楽担当が『オールド・ボーイ』(13)のロケ・バニョスということで、
これまた以前ライナーノーツを書かせて頂いた作曲家で嬉しさ倍増でございました。

ところで「『アンノウン』も『フライト・ゲーム』もジョン・オットマンだったのに、何で今回はロケ・バニョスなの?」…と思われる方も多いのではないでしょうか。
その理由は二つほどありまして、
まず今回はプロデュースがジョエル・シルバーではないから。
(オットマンは『ゴシカ』(03)や『キスキス,バンバン』(05)、『インベージョン』(07)などシルバープロデュース作品の常連作曲家でもあります)
そして『トレイン・ミッション』は英国で撮影しているので、
ヨーロッパを拠点に活動している作曲家の方が、
製作にあたって何かと都合がいいという事情もあったのだと思います。
(バニョスはコレット=セラと同じスペイン系)

 

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あの「20世紀フォックス映画 75周年記念盤」がDSDリマスタリングで再登場しましたの巻

20thcenturyfox

映画会社20世紀フォックスの75周年を記念して、
2010年にVarese Sarabandeからリリースされた3枚組の企画盤、
「20th Century FOX: 75 Years of Great Film Music」。
先日ランブリング・レコーズさんから国内盤がリリースされました。
75周年からさらに6年経っての国内盤リリースなので、
ある意味80周年記念盤という感じでもありますね。
(正確には81周年ですが細かいことは気にしない)

日本サントラレーベルの良心・ランブリング・レコーズさんですから、
もちろん輸入盤にオビをつけただけの再発売なんてものではありません。
「サウンドトラック傑作選50」や、
「サウンドトラック名作選35」でおなじみになった、
DSDリマスタリングによる音質向上を行っているのです。
ディスク3枚組で3,000円(+税)だから、1枚1,000円。
ディスク1枚に20曲前後収録しているので、
1曲50円の計算になりますね。
しかもリマスター音源。なかなかのお得感ではないでしょうか。

…で、国内盤をリリースするからということで、
先方からワタクシにライナーノーツの執筆依頼が来まして、
僭越ながらあれやこれやと音楽紹介/作曲家紹介を書かせて頂きました。

 

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『フライト・ゲーム』はジョン・オットマンのクールなスコアがカッコイイぞ!の巻

nonstop

というわけで、今回は映画『フライト・ゲーム』(14)の音楽の話。
オリジナル・スコアの作曲はジョン・オットマン。
本作のジャウマ・コレット=セラ監督とは今回が4回目の顔合わせ。
『蝋人形の館』(05)、『エスター』(09)、『アンノウン』(11)、そして本作で4回。
前作『アンノウン』もリーアム・ニーソンが主演だったから、
バンドの再結成みたいな趣がありますな。

ジョン・オットマンは多作で売れっ子の作曲家だと思うし、
『X-MEN:フューチャー&パスト』(14)や『ワルキューレ』(08)のような大作も手掛けているのに、
何だかサントラ・ファンからの評価が不当に低い気がします。
うーん、何でかなーと常々思っていたのですが、
恐らくオットマンがちょっとクセのある音楽を書くせいかもしれません。

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ヒラリー・スワンク in 『The Resident』

the resident

遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。
今月は主に年末年始にDVDで見た映画について、なんやかんやと書こうと思います。

というわけで、1発目は『ヒラリー・スワンク / ストーカー』(11)。いきなり日本未公開作です。

邦題が全てを物語っている映画なのですが、ひとことで申しますとヒラリー・スワンク版『硝子の塔』(93)といった感じ。ただし舞台は築60年以上の旧式アパートメントで、ハイテク設備は一切ナシ。犯人捜しを最後まで引っ張った『硝子の塔』と違って、映画開始30分ちょっとでストーカー犯をバラすという大胆な演出に目が点になりましたが、登場人物も少ないので、こういう見せ方もアリかな、と。

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X-MEN:ファースト・ジェネレーション

x-men

MOVIX仙台が営業再開したので、待ちに待った『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(11)を観てきた。

これがまた当方の期待以上に素晴らしい作品。
空疎な大作になってしまった『X-MEN:ファイナル ディシジョン』(06)の悪夢を吹き飛ばす、見事な前章映画でした。
「シリーズ最高傑作」の売り文句はダテじゃない。

本作では「チャールズ(プロフェッサーX)とエリック(マグニートー)はいかにして出会い、そして袂を分かつ事になったか」が詳細に描かれるわけですが、これがまた泣ける。パ
ラボラアンテナのシーンで不覚にも目頭が熱くなった次第です。
2人が互いを理解するには、あまりにも育った環境が違いすぎた。
マイケル・ファスベンダーの翳りのある表情が、
エリックの背負った深い哀しみに真実味を持たせてくれていてつい感情移入してしまう。

豪華キャスト(=ミュータント)を出し過ぎて中身が薄っぺらくなった3作目と違い、
今回はキャストも「あまり自己主張の強くない演技派」が揃っていて、
なおかつミュータントの数もムダがなくて非常にいい感じ。
ミュータント・チームが(いい意味で)地味目の顔ぶれなので、
悪役セバスチャン・ショウを憎々しく演じるケヴィン・ベーコンの存在も俄然映えてくる。
1960年代風セレブファッションもキマってます。
エマ・フロスト役のジャニュアリー・ジョーンズも、
よくこれだけイメージにピッタリな女優を見つけたもんだと感心しました。
薄幸そうなローズ・バーンもグッと来る(お色気サービスカットもあり)。

その他、パンフに載っていない気になるキャストの顔ぶれはこんな感じ。

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