
2026年1月9日(金)日本公開の映画『コート・スティーリング』(25)のサントラ盤を買いました。
当初は2025年12月発売予定だったのに、某ショップで「発売日が2月に変更になりました」「発売日が3月31日に変更になりました」と段階的にお知らせメールが来て、「それじゃあサントラが届く頃には劇場公開終わってるよ…」とガックリしていたら、数日前にショップから「本日発送しました」というメールが来て、年内にサントラを入手することができたのでした。
「あの発売日延期のお知らせは何だったんだよ…」と思ったものの、まあ巡り巡って当初の発売日通りのお届けになったので良しとした次第です。
CAUGHT STEALING (THE ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK) – amazon
Caught Stealing (Original Soundtrack) – amazon
Caught Stealing (The Original Motion Picture Soundtrack) – amazon music
Caught Stealing (Original Soundtrack) [Analog] – amazon
Caught Stealing (The Original Motion Picture Soundtrack)<限定生産盤> – TOWER RECORDS
Caught Strealing (The Original Motion Picture Soundtrack) – TOWER RECORDS
Caught Strealing<White Vinyl> – TOWER RECORDS

で、早速開封してみたわけですが、サントラ盤は薄型の紙ジャケ使用で封入冊子(ブックレット)も入っていないローコスト仕様。
ジャケ写は念仏の鉄の仕置シーンのようなレントゲン写真で、内側には物語の騒動の原因となるネコちゃんの写真が。トラックリストは裏面に記載されているのみ。
「これじゃあどれが歌モノでどれが劇伴か分かんないし、誰がどの曲を作曲したか分かんないよ…」というわけで、当方なりにざっくり整理してみるとこんな感じです。
- ‘6th and A’
- ‘Doom’ – IDLES
- ‘Kim’s Video’
- ‘Tompkins Square Park’
- ‘5th Floor Walk Up’
- ‘Walk/Don’t Walk’
- ‘Loisada’
- ‘Cheerleader’ – IDLES
- ‘Coper’ – IDLES
- ‘Flushing, Queens’
- ‘Police & Thieves’ – IDLES
- ‘Bay 15’
- ‘Blessings And Successes’
- ‘Alphabet City’
- ‘Under The EL’
- ‘Rabbit Run’ – IDLES
トラック2, 8, 11, 16が歌曲で、残りが劇伴。
IDLESは英ブリストル出身のポスト・パンク・バンドで、ロブ・サイモンセンが作曲した劇伴の演奏も担当しています。
「名の知れたロックバンドが全ての劇伴の演奏を担当する」ということで、監督のダーレン・アロノフスキーはクィーンの『フラッシュ・ゴードン』(80)を引き合いに出して音楽誌のインタビューに答えていました。アロノフスキー曰く「この映画にはハウス・バンド(=専属バンド)が必要だったんだ」とのこと。
サイモンセンは映画の舞台となる1990年代後半のいかがわしいイースト・ヴィレッジの雰囲気を音楽的に表現するべく、マッシヴ・アタックやモーチーバ、ザ・プロディジーらの楽曲からインスピレーションを得ながら、ザラザラした質感の粗削りなオルタナティヴ・ロック劇伴を作り上げたらしい。
その一方で、アンプのプラグを差し込んだ時の音やギターのフィードバック音を使ったロック・アンビエント的な音作りも行なったとのこと。アルバム12曲目の”Bay 15″なんてそんな感じの曲かなという気がします。
サイモンセンというと『gifted ギフテッド』(17)や『二ツ星の料理人』(15)のような繊細な音楽のイメージがあったので、こういうエッジの効いたロック劇伴は意外な感じがしました。
でもまあ『デッドプール&ウルヴァリン』(24)の音楽を担当したんだからもう何でもアリか、とも思ったり。
ことほどさように実験的なサウンドなので、テーマ曲のバリエーションを楽しむような劇伴ではありません。一般受けするような音楽ではないけれども、実験的な手法を駆使したサウンドはなかなか面白い。「変わった劇伴が好き」という方、そしてIDLESのリスナーならハマれる一枚ではないかと思います。雰囲気的に言えばザ・ダスト・ブラザーズの『ファイト・クラブ』(99)のサントラ盤に近い感じかな。
なおこのサントラは「IDLESとロブ・サイモンセンの楽曲集」なので、劇中で使用された既製曲は未収録です。そのあたりを勘違いしてサントラを買ってしまうと「目当ての曲が入ってないよ!」となるのでご注意ください。
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