『シェルター』国内盤サントラの差込解説で書き切れなかった劇中音楽のこと(自前で補完すべき曲とか)。

ランブリング・レコーズ様からのご依頼で、映画『シェルター』(26)の国内版サウンドトラックアルバムに音楽解説を書きました。
スコア作曲は『エンド・オブ・ステイツ』(19)のデヴィッド・バックリー。国内版サントラといっても、CDプレス盤で発売になるのは日本だけなのですが。

『シェルター』オリジナル・サウンドトラック – amazon
『シェルター』オリジナル・サウンドトラック(TOWER RECORDS)

バックリーさんには『アオラレ』(20)国内盤サントラのリリースのとき、差込解説原稿のためのインタビューを申し込んだところ快諾してくださいました。


で、今回もインタビューできるといいなと思って数年ぶりにバックリーさんにコンタクトを取ってみたら『アオラレ』のときのことを覚えていてくださったので、ありがたいことに今回もインタビューに応じて頂けたのでした。

…というわけで、当方としてはバックリーさんのコメントはサントラ盤の差込解説書でご覧頂きたいので、ブログではあまり詳しく書きません。
あ、映画情報サイトBANGER!!!でも『シェルター』をご紹介することになっているので、そのときの当方のコラムでバックリーさんのコメントが(半分くらい)ご覧頂けるかもしれません。

当方のBANGER!!!での紹介記事は、先方のサイトにアップされたらリンクを追加します。


※2026年8月28日追記
BANGER!!!に当方の記事が掲載されました。

ステイサム最新作『シェルター』の劇伴作曲家が語る!「彼の内面で何が起きているのか、音楽が重要な役割を果たす」|BANGER!!! https://www.banger.jp/movie/181395/

さて、まずブログで書いておくべきことは何かと申しますと、こちらのサントラ盤は「デヴィッド・バックリーの劇伴集」なので、劇中で使われた既存の楽曲は未収録ということです。
いつも書いていることですが、「あの曲が入っていると思ったのにアルバムに入ってなかった」と失望されないようお気をつけください。

で、おそらく多くの人が聴きたいと思っているであろう劇中曲は、映画終盤のナイトクラブでの大乱戦シーンの曲ではないかと思います。それがこの2曲。

The End of Genesys
Written by Anyma, David Semo, Amos Chalfon
Performed by Anyma (as Anyma), Y Do I
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Micro Pleasures
Written by Anders Norre Arendt, Jens Asger Lykkeboe Mouritzen, Magnus Pilgaard Groennebaek, Sebastian Monti
Performed by Farveblind ft. Sebastian Monti
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幸いデジタル版でリリースになっているので、お手数ですがサントラ盤にセルフ補完してください。当方は『シェルター』のサントラに上記の2曲を付け足してウォークマンに入れてます。そうすると収録時間が37分くらいのアルバムが出来上がります。

そして今回の『シェルター』の劇伴はどんなサウンドになっているのかというと、オーケストラを使わないシンセ主体の抑制の効いた感じです。
エンドクレジットで劇伴関係のスタッフ名を確認したところ、ボーカリストとミキサー、ミュージック・エディターの名前ぐらいしか出てこなくて、オーケストレーターや指揮者、楽団名の記載が見当たらなかったので、このことからもオーケストラは使っていないものと考えられます。『アオラレ』の劇伴も9割近くシンセで作っていましたし。

今回シンセ劇伴になったのは、まあ予算的な事情もあるのかもしれませんが、リック・ローマン・ウォー監督が「抑制の効いた音楽」を好む人だからのようです。
まあ今回の物語は「孤独な男と孤独な少女の逃亡劇」であり「ひとりの男の私闘」でもあるので、派手なオーケストラ劇伴よりも音数を絞ったシンセ劇伴のほうが合っているという気がします。
アルバムの中でアクション劇伴として目立っているのは”Under Siege”かな(MI6の急襲部隊がメイソンの隠れ家を襲うシーンの曲)。

ことほどさように抑制の効いた劇伴ではありますが、メインテーマの旋律は割としっかりしてます。劇伴の中では女性ボーカルで歌われることが多いので、「あ、このメロディがそうか」とすぐに分かると思います。

映画本編ではそれなりの量の劇伴が使われていたと思うのですが、サントラに収録するに当たっては、雰囲気作りのための「引っ張り系劇伴」をあまり収録しなかったようで、その結果コンパクトな収録時間になってしまいました。もうちょっとバックリーさんの劇伴を入れてくれてよかったのにな、とは思います。

なので、やはり先述のナイトクラブ大乱闘シーンの曲を自前で追加することをお勧めします。
それだけでグッとアルバムの充実感が増しますよ。

ああそうだ。実は『シェルター』のサントラ、当初は6曲目の表記が”THETA”になっていたのです。
で、「これ”THEA”(シア:劇中に登場する監視システム)が正しいのでは?」と思ってランブリングさんに問い合わせてみたところ、ランブリングさんが先方(海外の発売元ですね)に確認して、「やっぱり”THEA”が正しいです」ということになり、現在は大本の記述もTHETAからTHEAに修正されてます。

つまり当方の入念なチェックがアメリカ本国のレーベルまで動かしたというわけで、ちょっとだけ誇らしい気分になったのでした。

『シェルター』オリジナル・サウンドトラック
音楽:デヴィッド・バックリー
発売・販売元:Rambling RECORDS Inc.
品番:RBCP-3641
価格:2,970円(税込)
発売日:2026年8月26日

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