EVERYTHING BUT THE GIRLの「FUSE」を購入して2ヶ月ほど経ったので雑感。

EVERYTHING BUT THE GIRL 24年ぶりのニューアルバム「FUSE」を発売日当日に買いました。
自分としては通常盤でもよかったのですが、当初ショップでは通常盤の入荷時期が未定という表示がずっと出ていたので、Blu-ray Audioが付属する限定盤を購入しました。

EVERYTHING BUT THE GIRL / FUSE (通常版) – amazon
FUSE (CD+Blu-ray Audio) – amazon

EVERYTHING BUT THE GIRL / FUSE (通常盤) – TOWER RECORDS
Fuse (Deluxe) [CD+Blu-ray Audio]<限定盤> – TOWER RECORDS


UK盤かと思ったら包装に”Made in Czech Republic”のシールが貼ってありました。チェコには友人のヴァイオリニストがいるのでちょっと親近感を抱いてしまい、シールを包装からきれいに剥がしてジャケット裏に貼りました。

2ヶ月ほどじっくり聴いたのでその雑感です。

最初に聴いた時はトレイシー・ソーンの声が変わったことばかり印象に残ってしまって、曲によっては「何だかニーナ・シモンみたいな渋いお声になったなあ」と思ったりしたものですが、何度もアルバムを聴いていくうちに、「このアルバムの曲はトレイシーのこの声だからこそ成立するのではないか」と感じるようになりました。

今回の「FUSE」は前作「テンパラメンタル」やその前の「哀しみ色の街(原題:Walking Wounded)」の流れを汲むエレクトロニック路線ですが、これらの作品に比べると落ち着いた…というか大人向けのエレクトロニック・ソウル・ミュージックという印象のサウンドでした。

「哀しみ色の街」が愛を渇望する孤独な女性主人公の独白といった感じのアルバムだったとするならば、「FUSE」は人と人との繋がりが希薄になった世界で”他者と繋がる”とはどういうことなのか? と問いかけてくるような歌詞の曲が多いような気がするのです。
そこにEBTG流のメランコリックな美しさがあるわけですが、メランコリックな中に”恍惚”の瞬間が内包されている。それを表現しているのが歳を重ねて渋みの増したトレイシーのボーカルなのではないかなと思いました(曲によっては彼女の声を結構加工しているらしい)。
「カラオケ」を題材に”Do you sing to heal the broken hearted?” “Do you sing to get the party started?”とサビで歌うような内省的な曲が作れるユニットもなかなかいない。しかもこの曲がアルバムのラストというのがまた素敵ではありませんか。

ダンサブルな路線では”Caution to The Wind”と”Forever”、”No One Knows We’re Dancing”が好きです。しっとりとエレクトロニック・ソウルを聴かせてくれる曲では”Run A Red Light”と”Lost”がいいなと。「FUSE」は聴けば聴くほどじわじわと味が出てくるアルバムのように感じました。日本盤は出ないのかな。歌詞カードの斜字フォントが読みにくいので、歌詞対訳があると楽だったのですが。

「テンパラメンタル」は発売当時よく聴きましたが、いまの自分はこのアルバムを聴くにはちょっと年を取ってしまったかもしれないなと感じてしまいました(でも”Hatfield 1980″や”No Diffrence”はいまでも好きです)。

自分がEBTGを聴くようになったのは、マッシヴ・アタックの”Protection”と”Better Things”でトレイシーがボーカルを担当していたのがきっかけでした。
それでアルバム「哀しみ色の街」を買ったのが最初だったかな。その次が「テンパラメンタル」。だから自分はネオアコ時代のEBTGを知らずにまずドラムンベース時代のEBTGから入っていったんですね。後年、EBTGに一家言ある知人から「変わったタイプのEBTGリスナー」と言われてしまいました。

その後遡るようにしてネオアコ期のEBTGのアルバムを買っていきましたが、その中で一番好きなアルバムが「ランゲージ・オブ・ライフ」だと言ったら、やはり前述の知人に「何でそういう屈折したチョイスをするかなー。奇をてらってるわけ?」と言われてしまいました。

衒ってません。

たまたまそういうふうにEBTGが好きになってしまっただけなんです…。

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