LAST TRAIN TO EXITOWN

last train to exitown

THE BEATNIKS(高橋幸宏+鈴木慶一)の10年振りのニューアルバム『LAST TRAIN TO EXITOWN』を聞いてます。

何だかamazonのレビューが賛否真っ二つに分かれていて、否定派の意見が手厳しいのがミョーに気になる。個人的には結構いいアルバムなんじゃないかと思うのですが、ダメですか?

確かに最初にアルバムを聞いた時には、サウンドがそれほどトンがっていないのと、全10曲40分強というプレイタイムであっさりした印象を受けました。でも、だからといって聞いていて物足りないという気分にはなりませんでした。

緻密なサウンドとかトンがった感覚を求めるなら、ファーストの『EXITENTALISM』とか、前作『M.R.I. / Musical Resonance Imaging』の方に軍配が上がるのかもしれませんが、「ビートニク」という世界観で『BLUE MOON BLUE』やPUPAのようなエレクトロニカ・サウンドを極めるというのもちょっと違うかなーという気もするし、こういう「60年代ポップスを現代的な解釈で再構築してみました」というような曲調もよろしいのではないかと。

ひとことで申し上げるなら、いい感じに「ユルい」音。ごく私的かつ個人的な感想になりますが、3.11以降「ムネにポッカリ穴が空いた」状態が続いているので、このアルバムのような「出口行きの最終電車に乗り遅れて途方に暮れている」感じの掴み所のない曲調がやけに気持ちよかったりするのです。いい意味で切なくて泣ける。幸宏さんのドラムスも絶品だし。

自分はビートニクの詞の世界がよく分からないところもありますが、「A Song for 4 Beats」でビートニク詩人の中に細野さん(ハリー)が混ざっているところが粋ですな。他にも歌詞にいろいろ”遊び”の要素があるし、なかなか洒落てます。楽曲としては「Ghost of My Dream」と「Didn’t Want to Have to Do It」(The Lovin’ Spoonfulのカヴァー)、「Around The Bends」がお気に入りです。

余談ですが、このアルバムを聞いたあと無性に『ツイン・ピークス』のサントラが聞きたくなったのですが、YouTubeで幸宏さんと慶一さんの楽曲解説(特に「カットアップだ!我らの実存」)を見ていたら思わず納得してしまいました。潜在意識下に訴えるものがあったんだろうなー。

http://www.youtube.com/user/TheBEATNIKS2011

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