シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム(映画について)

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僕が考える「イマイチな続編映画」というのは、

■悪役に大物俳優を起用して主人公の影が薄くなってしまう

■ムダに登場人物(新キャラ)を増やして話の収拾がつかなってしまう

■同一キャラクターでキャストの交代劇が起こっている

■続編で前作と違う事を無理にやろうとしてハズしている

・・・という映画ではないかと思うのですが、去年の暮れに内覧試写で観た『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』は、そのへんうまく作ってあるなぁ、という印象でなかなか面白かった。

まず今回の悪役はあのモリアーティ教授なのですが、演じているのは『ザ・ウォード/監禁病棟』(10)、『バイオハザードII アポカリプス』(04)のジャレッド・ハリス。

企画当初はブラッド・ピットやダニエル=デイ・ルイスが演じるなんて噂もありましたが、ここは「強烈な個性を発揮しつつ、主役を喰わない程度のネームバリュー」を持つハリスで正解でしょう。

ピットがモリアーティだったりしたら、ホームズとワトソン以上にキャラが目立ってしまって、映画が破綻する危険性がありますので。

新キャラという点では、今回のヒロインはロマの占い師シム(ノオミ・ラパス)とホームズの兄マイクロフト(スティーヴン・フライ)が登場。

確かにキャラは増えたものの、前作のヒロインのアイリーン・アドラーが序盤で退場するので、『アイアンマン2』(10)のようにグウィネスとスカーレットがダブルヒロインになって1作目のロマンスが台無しになる事はなかったと。マイクロフトも「コミックリリーフ兼助っ人キャラ」的な立ち位置で出過ぎないのがいい感じ。

物語はロンドン中心の前作と違って、今回はヨーロッパを股にかけた壮大なストーリーになっているのですが、ホームズ&ワトソンのシニカルなやり取りとか、相変わらずメアリーさんをぞんざいに扱うホームズとか、ハイスピード撮影によるホームズの「超人的先読みスキル」の描写とか、やっている事は前作と全く一緒。この「またやってるよ!」というノリが楽しい。

ハイスピード撮影の演出は前作よりパワーアップしていて、映画後半の森の中の銃撃戦とか、相手の2手3手5手先を読み合うホームズ対モリアーティの「先読みバトル」の描写は迫力がありました。今回はワトソンが前作よりも活躍してくれるので、ジュードのファンには嬉しいストーリー展開かと。

何だかホームズ&ワトソン版『リーサル・ウェポン』的な様相を呈してきたのは、やっぱりプロデューサーがジョエル・シルヴァーだからでしょうか。ロバート・ダウニーJr.はいい役をモノにしましたなぁ。

音楽についてはまた次回。

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