シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム(音楽について)

a game of shadows

今回は『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』の音楽について書こうと思うのですが、例によってライナーノーツと同じ事をここで書いても意味がないので、何か別な事を書きたいと思います。

作曲は前作に引き続きハンス・ジマー(と一応ローン・バルフ)。「前作と同じ雰囲気の音楽」というレビューをよく見かけますが、2度3度とアルバムを聴き込んでいくと、「だいぶスコアのノリを変えてきたなぁ」と、最初とは違った印象を受けるのではないかと思います。

今回のスコアの主な変更点として、前作になかった「ヴィラン(悪漢)のためのテーマ」がモリアーティ教授のために用意されている事、物語の舞台がロンドンからヨーロッパ大陸に広がったので、オーケストラのスケールが大きくなった事、ロマ(=ジプシー)音楽の割合が大きくなった事、シューベルトやモーツァルト、エンニオ・モリコーネ(!)の既製曲が使われている事などが挙げられます。

まぁジマーは『バットマン ビギンズ』(05)とその続編『ダークナイト』(08)もかなり音楽を変えてきたので、今回の『シャドウ ゲーム』もその方法論に沿った形になったのかなと。多分ジマー的には「前作と全く同じ音楽をやってもつまらないだろ?」という感じなのでしょう。とはいえ、前作で聞かせてくれたあのメインテーマ曲”Discombobulate”は今回も健在なので、その点はご安心を。

ミュージシャンはだいぶ入れ替わったようで、前作から引き続き参加しているソリストはヴァイオリンのアレクセイ・イグデスマンとアン・マリー・カルフーンの二人だけ。ツィンバロン奏者のイエネー・リスト、クラリネット奏者のニコラス・バックナール、チェリスト/ピアニストのトリスタン・シュルツ、異色吹奏楽団のムノツィル・ブラスらが新たにレコーディングに参加してます。

あとはジマーのこだわりで、スロヴァキア在住の本物のロマ・バンドの演奏がサントラに収録されています。これについてはいろいろとドラマがあるのですが、詳しくは日本盤ライナーノーツにて。ジマーの「凝り性」「アイデアマン」ぶりはつとに有名ですが、ここまでやるとはという感じです。

日本盤はソニー・ミュージックから好評発売中。輸入盤はエンハンスドCDですが、日本からはボーナスコンテンツにアクセス出来ないトホホな仕様なので念のため(「アクセス拒否」の表示が出た時は泣けてきました)。

『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』オリジナル・サウンドトラック
音楽:ハンス・ジマー
品番:SICP-3423
定価:2,520円

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