DRIVE – ドライヴ(音楽について)

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映画を観た人の中から、「サントラは出てないんですか?」という問い合わせが殺到している(らしい)『ドライヴ』(11)の音楽。確かに秀逸なサウンドトラックでした。

『ドライヴ』公式Twitterの人によると、サントラ盤は「権利問題で日本盤は無し」なのだとか(輸入盤とiTunesで入手可能)。音楽が話題になってる映画に限ってこういう状況とは、何とも勿体ない話。

権利の詳細は分かりませんが、そもそもLakeshore Recordsは日本のレコード会社とリリース契約してないから、これまでもLakeshoreのサントラはリリースされてなかったもんなぁ(どういうわけか『モンスター vs エイリアン』(09)だけはEMIから国内盤が出てたけど)。

で、今回のサウンドトラック。「レフン監督からの80年代ネオン・ノワール映画への解答」という感じで、ジョルジオ・モロダー的エレクトロ・ポップが実に巧い使われ方をしてました。

特に映画開始直後、ドライバーの”プロの仕事”ぶりが描かれる場面でThe Chromaticsの”Tick of Clock”が冷徹に時(ビート)を刻み、オープニングタイトルでピンク色のクレジットと共にKavinsky & Lovefoxxxの”Nightcall”が流れ出す展開が最高にカッコイイ。

映画マニアの間で話題になっている『ヤコペッティの残酷大陸』(71)の曲(Oh My Love)も「ここで使うのか!」という場面で流れてくるので相当印象に残る。

そして僕の好きなクリフ・マルチネスのオリジナル・スコア。これがまた素晴らしい。当初はアンジェロ・バダラメンティにスコアを作曲してもらう案もあったそうですが、マルチネスで大正解。無口な一匹狼のドライバーには、マルチネスの十八番であるアンビエント・スコアがよく似合う。映画の世界観を壊すことなく、ドライバーの虚無的な心理状態を描き出す事に成功しています。

マルチネスはドラマー出身(初期レッチリのメンバーだった事も)なので、リズムのスピードや音の微細な変化で場面の転換を表現するのが実に巧い。『コンテイジョン』(11)とか『The Lincoln Lawyer』(11)とか、最近いい仕事が続いてます。

レフン監督の次回作『Only God Forgives』(12)でも再タッグ予定とか。ナイス。

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