『イコライザー』のサントラ盤にクライマックスのあの曲を補完しよう!というお話。

the equalizer

デンゼル・ワシントン扮する世直し人、ロバート・マッコールの活躍がとにかくイカすと日本でも評判だった『イコライザー』(14)。
サントラ盤もなかなか売れているそうで、お買い上げありがとうございます。
日本盤向けにメッセージを寄せてくれたハリー・グレッグソン=ウィリアムズも喜んでいると思います。
(ちなみにハリーさんには日本盤と映画のパンフレットを送付済です)

サントラ盤にはハリーさんのカッコいいオリジナル・スコアが収録されているわけですが、映画を観た方で「クライマックスのあの曲が入ってないぞ」と思った方も多いのではないでしょうか。
というわけで、本日はクライマックスのホームセンターでの激闘シーンで流れたあの曲のお話です。

 the way

終盤のホームセンターでのバトルシーンで流れた曲は、ザック・ヘムジー(Zack Hemsey)というアーティストの「Vengeance」。
ちなみに劇中では彼の「Graven Image」という曲も使われてます。
どちらも2011年のアルバム『The Way』収録曲。
ハリーさんのスコアを使わずに、どうしてヘムジーの既製曲を使うことになったのか。
アントワーン・フークア監督お気に入りの曲だったのか、あるいはテンプ・トラックで使った曲をそのまま完成版にも使ったのか、真相はフークア監督による音声解説待ちですね。(DVD・ブルーレイに音声解説が収録されればの話ですが)。

で、このザック・ヘムジーというアーティスト、Nine Leavesというオブスキュア・ヒップホップ・グループの一員としてキャリアをスタートさせ、現在は予告編音楽業界で活躍している人物でして、『インセプション』(10)の予告編のひとつ(trailer #3)で使われた「Mind Heist」で話題になった人ですね。
聞きようによってはハンス・ジマーっぽく聞こえる音楽だったので、「この曲書いたのは自分で、ジマーさんじゃないです」とメディアのインタビューに答えたほど。

予告編どころか『イコライザー』の映画本編で使われたこの「Vengence」という曲、なかなかの人気曲のようで、『ゲーム・オブ・スローンズ』や『エージェント:ライアン』(13)、『24:リブ・アナザー・デイ』などの予告編でも使われているようですね。
最近になってamazonでもアルバム『The Way』が”在庫あり”になったので、『イコライザー』ハマった方は買ってみてもよろしいのではないかと思います。

そしてもうひとつ、エンドクレジット直前に流れたあのヴォーカル・ナンバー。
『イコライザー』の前にどこかで聴いた方も多かったのではないでしょうか。
『ヒート』(95)でも使われたMOBYの「New Dawn Fades」でした。
(ジョイ・ディヴィジョンのカヴァー)

この音源を手っ取り早く入手するには、やはり『ヒート』のサントラということになるわけですが、ひとつふたつ注意点がございます。
まず『ヒート』のサントラ盤に収録されたものは2分47秒程度のショート・バージョンです。
そしてサントラ盤の音源は次のトラックと切れ目なく繋がっている収録形態になっているので、この曲だけ取り込むと、次のトラックの冒頭部分がブツっと入ってしまいます。
まぁ細かいことを気にしない方ならそれでもいいのですが、自分のように神経質なタイプはどうにも気になって仕方がない。

ではどうすればいいかというと、MOBYの「I Like to Score」というアルバムで長尺版を入手して頂くのがよろしいかと。
このアルバムは映画で使われた彼の音源をコンパイルした企画盤ですね。
発売からもう17年くらい経っているので廃盤状態ですが、まぁ中古CDショップなどでは売っているかもしれません。

というわけで、ヘムジーの曲を2曲と、MOBYによるジョイ・ディヴィジョンのカヴァー曲を補完するだけで、『イコライザー』のサントラ盤は、より一層クールでハードボイルドなアルバムに仕上がるのではないかと思います。

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