カーティス・ハンソン監督作品の思い出

wonderboys

個人的にはブラピとアンジーの離婚報道よりショックだった、
カーティス・ハンソン監督の訃報。

『マーヴェリックス/波に魅せられた男たち』(12)以降、
新作の話題が入ってこないなーとは思っていたのですが、
近年は健康上の理由で映画界から引退していたとは…。

ハンソン監督はたぶん一般的には『8 Mile』(02)の監督として有名で、
映画好きには『L.A.コンフィデンシャル』(97)の監督として知られている人なのではないかと思います。
監督作は3年に1本くらいのペースで発表していたから、
寡作な映像作家ということになるでしょうか。
『アダプテーション』(02)には俳優として出演していたりして、
なかなかインテリジェンスを感じさせるルックスの方でもありました。

 

ワタクシ的に特に思い入れのあるハンソン監督作品は、

『ゆりかごを揺らす手』(92)
『L.A.コンフィデンシャル』(97)
『ワンダー・ボーイズ』(00)

…の3本ですね。

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『ゆりかごを揺らす手』は確か日曜洋画劇場か何かで観たと思うのですが、
レベッカ・デモーネイがとにかく恐かった。
…と同時に、よく考えるとすごく気の毒なキャラだよなーと思ったわけですが、
実際、映画が公開された時も、
アナベラ・シオラのキャラよりもレベッカ・デモーネイのキャラに同情が集まったそうで、
なかなかセンセーショナルな映画でったのではないかと。

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『L.A.コンフィデンシャル』はもう好きすぎて何を書けばいいか分からないくらいなのですが、
こんな面白い映画があったのかと当時コーフンした次第でして、
確か3回くらい映画館に観に行ったような記憶があります。
当時はまだ完全入れ替え制じゃなかったので、
ぶっ続けで2回観たこともあったような。

この映画でジェイムズ・エルロイの作品にハマった結果、
『L.A.コンフィデンシャル』の原作や『ブラック・ダリア』、
『ブラウンズ・レクイエム』などの小説を読みあさるようになりました。
当時ワタクシは某理系私大の某研究室に所属していましたが、
卒研の実験の待ち時間にエルロイの小説など読んでいたものですから、
研究室の他の学生からはかなり異端の目で見られたものです。
(他の人は基本的にマンガを読んだりプレステで遊んだりしていたので…)

ある意味『L.A.コンフィデンシャル』のせいで研究室での居心地が悪くなったと言えなくもないのですが、
これが後の『ワンダー・ボーイズ』につながっていくのですから人生ってやつは分かりません。

 

ワタクシいろいろあって某理系私大を卒業した後、
某国立大の文学部英文学科で勉強することになったのですが、
進路を思いっきり方向転換したので、
「自分で選んだこととはいえ、この選択は正しかったんだろうか?」と悩んだ時期がありまして。

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で、そんな時に『L.A.コンフィデンシャル』の監督の新作ということで『ワンダー・ボーイズ』を観たら、
自分が探し求めていたものが全てこの映画の中にあったというか、
この映画を観て「自分の選択は間違ってなかった」と確信出来まして、
その結果、今のような音楽物書きの仕事を生業とすることが出来たのでした。

…というのも『ワンダー・ボーイズ』はスランプ気味の作家とリストラ間際の編集者、
変人でトラブルメーカーだが才能のある文学青年という3人の男の人生ドラマで、

「物書きというのは基本的にみな変人」
「確たる信念を持ち、ただ書き続けなさい」

…というようなテーマが根底にありまして、
まあ大いに励まされたわけです。
サントラ盤も何回聴いたことか…。
ボブ・ディランの主題歌もさることながら、
ニール・ヤングのOld Manの使い方とかいつ観ても泣けますね…。
定価6,000円くらいと高かったけどDVDも買いました。

そしてマイケル・ダグラスの吹き替えといえば小川真司さんだったわけですが、
ワタクシ小川さんには生前よくして頂いておりまして、
都内某所でお会いした時に『ワンダー・ボーイズ』の吹き替えのお話を伺うことが出来ました。
小川さん曰く「収録当日は風邪薬で少しぼーっとしていた」とのことでしたが、
「でもこの映画のマイケル・ダグラスはハッパで若干ラリってる役でしたから、そういった状態でも違和感なかったと思いますよ」…と言ったら、「そうでしたか」と笑っていらっしゃいました。

『ワンダー・ボーイズ』は映画チャンネルでもなかなか放送してくれないので、
どこかのチャンネルでやってほしいですね。。。

 

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