『プラネット アースII』のサントラ盤はなかなか満足度が高かった。

先月ランブリング・レコーズさんから『プラネット アースII』のサントラ盤を頂いたのですが、
これがなかなかよかった。
いや、”なかなか”どころか”非常に”よかったと言うべきか。

音楽はハンス・ジマーとジェイコブ・シェイ、ヤッシャ・クリーブの3人。
BBCのネイチャー・ドキュメンタリーの音楽はジョージ・フェントンの担当じゃなかったっけ?と思ったのですが、
1作目の『プラネット アース』(06)から10年の節目ということもあり、
4Kデジタル・カメラの導入などテクノロジーの進歩とともに、
サウンド面も装いを新たにして再スタート、というような意向もあったのかもしれません。

 

ヤッシャ・クリーブは『ラッシュ/プライドと友情』(13)や
『ローン・レンジャー』(13)などで追加音楽を担当していた作曲家ですね。
ワタクシ上記作品のサントラのブックレットで彼の名前を見た時、
読み方が分からなかったのですが、
発音的には”ヤッシャ・クリーブ”ということになるらしいです。

ジェイコブ・シェイは『エンダーのゲーム』(13)や『ローン・サバイバー』(13)など、
スティーヴ・ジャブロンスキー作品の追加音楽や、
ジマーさんの『天使と悪魔』(09)のシンセ・プログラミングなどを手掛けた作曲家。
キャリア的にこちらの方がクリーブより年上ということになりますね。

ヤッシャ・クリーブはリモート・コントロール組であると同時に、
ジマーさんが立ち上げた音楽製作会社Bleeding Fingers Musicのメイン作曲家のひとりというポジションでもあるらしい。

 

熱心なジマー作品のリスナーならば、
こういう体制でジマーさんが曲作りに臨んだ場合、
「ジマーさんの担当はテーマ曲だけ、全体的なスコアの作曲はお弟子さんに一任」
…というスタイルであることは容易に想像がつくと思いますが、
実際、今回の『プラネットアースII』も、

Main Theme by Hans Zimmer
Original Music by Jacob Shea, Jasha Klebe for BLEEDING FINGERS MUSIC

…という作曲者クレジットになっております。

「なーんだ、ジマーさんはテーマ曲だけなのか」と思われるかもしれませんが、
しかし、しかしですよ。
ジマーさんの作品をCD2枚組のアルバムで存分に堪能したような充実感が得られる、
非常に満足度の高い作品に仕上がっているのでした。

 

『プラネットアースII』はTVミニシリーズなので、
「島」「ジャングル」「砂漠」「山」「草原」「都会」の6エピソード構成になっているのですが、
ジマーさんのテーマ曲が各エピソードの音楽で必ず使われているので、
シェイとクリーブが事実上のメイン作曲家とは言っても、
「ハンス・ジマーの音楽作品」として統一感のある内容になっているのですね。
ジマーさんが作曲家チームと綿密に仕事をしていることが分かります。

ロンドン室内管弦楽団の演奏も高級感のある音で、
大自然を舞台にしたアドベンチャー映画のようなダイナミズムすら感じさせます。
ジマー音楽で重要な位置を占めるチェロ独奏もしっかり使われています。
いやー、ハッキリ言って見事なネイチャー・ドキュメンタリー音楽ですよこれは。

ジマーさんのサントラは大好きだけど、
ネイチャー・ドキュメンタリーのサントラだからという理由で購入を見送っている方、
懐具合に余裕があれば『プラネットアースII』のサントラ盤は”買い”ですね。
CD2枚組なので2,800円ですが、
収録内容を考えればなかなかお得なお値段ではないかと思います。

 

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