今は亡きポール・ウォーカーの熱演に目頭が熱くなりました…。 佳作サバイバル・スリラー『ハリケーンアワー』

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2014年最初の内覧試写は『ハリケーンアワー』(13)でした。
今は亡きポール・ウォーカーの遺作の一つです。

ハリケーン「カトリーナ」の直撃を受けて機能が停止した病院を舞台に、
亡き妻の忘れ形見である生後間もない娘を守るため、
長く孤独な持久戦に身を投じる男ノーラン(ポール・ウォーカー)の物語。
某掲示板あたりだと、
「ポール・ウォーカーが発電器のハンドルを延々と回す話」とネタにされそうですが、
涙なくしては観られない、異色の感動作に仕上がっています。

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クオリティ高い『47RONIN』の音楽。ジャケ写は国内盤のほうがオシャレです。

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先日『47RONIN』(13)のアメリカ国内での興行成績が出ましたが、
何というかまぁ…芳しくない結果ですわね。
この映画、一にも二にも製作費がかかりすぎました。
(1億7000万ドルでしたっけ?)
せめて1億ドル、いや9000万ドルくらいまで製作費を抑えておけば、
ここまでコケたと言われる事もなかったかもしれないのに…。

まぁ興行成績を知ったからと言って、
自分のこの映画に対する評価が変わる事はなく、
「皆さんイロモノ扱いするけど、評価すべき点もある映画」
…という見方は変わりませんのであしからず。

というわけで、今回は自分が一番書きたかった『47RONIN』の音楽について。
この映画、日本が世界最速公開だったわけですが、
サントラ盤はアメリカの公開日に合わせたリリーススケジュールなので、
日本国内の映画公開時期を考えると、
「たぶん日本盤は出ないなー」と思っておりました。

ところが日本盤が急遽発売される事になり、
さらにライナーノーツを自分が書く事になりまして、
慌てて原稿執筆モードに入ったのでした。
キアヌ・リーブス主演作のサントラの仕事がやりたかったし、
スコアの作曲が僕の好きなイラン(アイラン?)・エシュケリだったので、
これはもうお引き受けするしかないと思った次第です。

自分の記憶が確かならば、
エシュケリのサントラが国内盤としてリリースされるのは今回が初だったと思います。
僕はエシュケリ氏のファンでございますので、
彼のバイオグラフィーも『47RONIN』のパンフに掲載されているものより詳しく書かせて頂きました。
特に下積み時代に携わった映画のタイトルなんかは結構面白いですよ。
ジマーさんのあの映画に参加してたりとか。

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『47RONIN』で「投げっぱなし」と言われているあの伏線を検証する

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まだまだ『47RONIN』(13)の話が続きます。
「いい加減飽きた」という声も聞こえてきますが、
もうしばらくお付き合い下さい。

この映画、予算超過とか追加撮影とかいろいろゴタゴタしたらしいのですが、
これが監督デビュー作だったカール・リンシュも、さぞかし大変だった事でしょう。
『トロピック・サンダー 史上最低の作戦』(08)でスティーブ・クーガンが演じていた、
新人映画監督デミアン・コックバーンみたいな状況だったのではないかと。

まぁ、あのデヴィッド・フィンチャーですら、
監督デビュー作の『エイリアン3』(92)で修羅場を経験したわけですから、
リンシュも今回のゴタゴタにメゲずに頑張って頂きたいところです。
映像センスは確かなものを持っていると思うので。

今回は映画を観た人の中で「伏線投げっぱなし」と批判されている、
あの「天狗の刀」について自分なりに検証して書いてみようかなと。

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『47RONIN』でいい味を出しているあの助演キャラについて

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この映画をご覧になった方のうち、
一体何人の人がこういう見方をしたか分かりませんが、
『47RONIN』(13)に登場する脇役キャラで最も印象に残るキャラを一人挙げるなら、
やはり大石内蔵助の片腕兼足手まといだった安野(羽田昌義)ではないかと思います。
何というか…安野のヘタレっぷりがいい味出してるんですよ、これが。

 

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皆さんイロモノ扱いしてるけど、『47RONIN』には評価すべき点もありますよ、という話

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『47RONIN』(13)を公開初日に観て参りました。

公開日が何度も延びたとか、
追加撮影とかVFX作業が遅れて再編集作業が遅れたとか、
作曲家が交代したとか、
あまりいい話を聞かなかったので、
一体どんな映画になったのかと内心ハラハラしていたのですが、
思った以上に頑張っている作りだったので安心しました。
というか、僕は結構楽しめました。
先日twitterにも書きましたが、
この映画は「おりえんたる・あくしょん・ふぁんたじぃ大作」なんだなぁ、と。
赤穂浪士の物語をベースにして、ファンタジー映画を作っちゃうよという。

何しろこういう映画ですから、
あそこがヘン、ここがヘンとツッコミながら映画を観る人も多いと思うのですが、
あんまり重箱の隅をつつくような見方をしても楽しくないですし、
多分それを聞かされる方もあまり面白くないような気もしますので、
個人的にはもっと広い心で本作を観て頂きたい所存です。
まぁ僕がキアヌ・リーブス好きなので、
単に贔屓目に観てしまっているだけかもしれませんが、
「ヘンな映画だと思ってたけど、あの場面は結構よかったね」という感じで、
愛のある目線で楽しんで頂きたいと思います。

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