『アメイジング・スパイダーマン2』の「エレクトロのテーマ(My Enemy)」で何をつぶやいているのかを検証する

amazing spiderman2

先日『アメイジング・スパイダーマン2』(14)が劇場公開になりましたが、
ワタクシ仕事が立て込んでいてまだ観ていないんですよねー。
何とか今週中には観に行く予定ですが。

しかしサントラ盤は2枚組限定版のやつを既に購入済みでして、
毎日のようにジマーさんの傑作スコアを聴きまくっているのですが、
今回も創意工夫に溢れた面白い音楽を作っているなぁ、と感銘を受けた次第。

中でも本作のヴィラン、エレクトロ(ジェイミー・フォックス)のテーマが興味深い。
ナイン・インチ・ネイルズを彷彿とさせるノイジーなインダストリアル・テクノに、
「マックスの頭の中に響いているであろう声」を重ねるというアイデアが秀逸であります。
どうやらジマーさんのアイデアというより、
The Magnificent Sixの一員として参加したファレル・ウィリアムズのアイデアらしいですが。

何度も何度もエレクトロのテーマ「My Enemy」を聴いているうちに、
自分のような凝り性で探求癖があるサントラマニアは、
「これってどんなことを歌ってる(つぶやいている)のかしら?」と思ってしまうわけです。

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追悼ボブ・ホスキンス -マイケル・ダナ名作選/『フェリシアの旅』(99)-

felicias journey

当初は別なネタを書くつもりでいたのですが、
先日twitterでボブ・ホスキンスの訃報を知り、
自分なりにいろいろ書きたいことが出てきたので予定を変更しました。

僕が初めてボブ・ホスキンスを観たのは、
『ロジャーラビット』(88)の地上波放送(確か日テレの「金曜ロードショー」)だったと思います。
地上波なので当然吹替え版だったわけですが、
故・内海賢二氏のアテレコも素晴らしい、個人的に思い出深い作品です。

その後いろいろとボブ・ホスキンスの出演作を観てきましたが、
『ニクソン』(95)のエドガー・フーバー役や『スターリングラード』(01)のフルシチョフのような「実在の人物」系、
『ダニー・ザ・ドッグ』(05)や『ハリウッドランド』(06)のような「コワモテ」系も存在感抜群だったし、
主人公を陰でサポートする『ステイ』(05)や『ドゥームズデイ』(08)の助演もよかったですね。
何ともユーウツな内容だった『必殺処刑人』(07)も、チョイ役ながら凄味の効いた演技にシビれました。

そんな彼のフィルモグラフィの中でひときわ異彩を放っていたのが「不気味な男」系のキャラ。
今回ご紹介する『フェリシアの旅』(99)の孤独な殺人鬼役がこのカテゴリーに相当するのではないかと。
…というわけで前置きが長くなりましたが、
『ケルティック・ロマンス』のアーティスト、マイケル・ダナ&ジェフ・ダナのフィルモグラフィーを振り返る不定期連載企画。
久々となる今回はマイケルの作品から『フェリシアの旅』(99)のサウンドトラックをご紹介します。

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アトリさんのファンタジー・スコアにハズレなし!『シャドウハンター』の音楽がとてもよかったという話

city of bones

タイミング的には『アメイジング・スパイダーマン2』(14)のことを書いた方がいいのですが、
このネタだけはどーーしても書いておきたかったので、
ブログのアクセス数とか検索上位ページに来るかどうかとか考えず、
独断と偏見入りまくりで『シャドウハンター』(13)の音楽について投稿させて頂きます。

何度かインタビューでお世話になっているアトリさん(Atli Orvarsson)が音楽を担当しているということで、
先日MOVIX利府まで『シャドウハンター』を観に行ってきたのですが、
巷の評価はさておき、音楽が大変素晴らしい出来だったのです。
誇張でも何でもなく、「あぁーーわざわざ利府まで観に行ってよかったなぁぁぁ」と思ったほどでした。

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DEVOスピリッツ炸裂! 『LEGO(R) ムービー』のマーク・マザーズボウの音楽がポップで最高!

lego_movie

『LEGO(R) ムービー』(14)は見どころが多すぎて、
面白ポイントをひとつひとつ挙げていったらキリがないのですが、
自分としてはこの場を借りて是非音楽について書かせて頂きたい。

『LEGO ムービー』は音楽も最高です!!

オリジナル・スコアを手掛けたのはマーク・マザーズボウ。
懐かしのテクノポップ・バンド DEVO(ディーヴォ)のオリジナル・メンバーのひとりです。

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ペドロ・ブロンフマンのスコアはアリかナシか? リブート版『ロボコップ』の音楽

robocop_ost

何だかリブート版『ロボコップ』の音楽の評価が芳しくない。
大体レビューで共通しているのが、
「ベイジル・ポールドゥリスのあのテーマ曲がほとんど流れないとは何事か!?」ということ。
果たして本当にリブート版『ロボコップ』の音楽はダメなのか?
自分なりに検証してみようと思います。

オリジナル・スコアの作曲を手掛けたのは、
ジョゼ・パジーリャ監督の『エリート・スクワッド』2部作でコンビを組んだペドロ・ブロンフマン。
パジーリャ監督のお気に入り作曲家とはいえ、
英語圏では知名度の低いブロンフマンの起用にOKを出した製作サイドの心意気は素晴らしいと思います。
外国人監督をハリウッドに招聘したり、
インディーズ出身の新鋭監督に大作映画を撮らせると、
「お前さんにも贔屓の作曲家がいるかもしれんが、今回はこの作曲家を使いたまえ」
…とスタジオ側(もしくはプロデューサー側)から迫られるのがこの業界の通例なので。

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