全国順次公開になっていたロマン・ポランスキー監督作『ゴーストライター』(10)。
先週やっと見て来られました。
前評判に違わぬ見応えのある映画でした。
「英国首相の秘密を知ってしまったゴーストライターの身に危険が迫る」というプロットもよくある話だし、
奇をてらった演出もしていないのだけれど、
最後までスリルと面白さが持続する見事な語り口に感服致しました。
緊迫した状況でもウィットに富んだセリフを交わす粋なキャラクターと脚本。
終始落ち着いた動きで見せるカメラワーク。
曇天が印象的な不吉で寒々とした映像。
小道具の使い方の巧さ(特にカーナビ)。
情報を小出しにしつつ、終盤で一気に真相を解き明かす”焦らし”のテクニック。
もう、全てが職人技。
今どきのサスペンス映画から失われつつある、
「基本に忠実な面白さ」が凝縮された作品と言えるでしょう。
こういう映画は予備知識ゼロで見に行った方が面白いと思うので、
本編については割愛。
ここからは音楽について書かせて頂きます。