
Quartet Recordsから発売になった『コップランド』(97)の2枚組拡張版サントラが届きました。
先日ショップから発売日変更のお知らせメールが来たときは「また発売日が延びるのかな」と思ったものの、逆に発売日が早くなりましたというお知らせでした。
Howard Shore / CopLand O.S.T. (Expanded and Remastered Edition) – TOWER RECORDS
『コップランド』のサントラは当時Milan Recordsから発売になっていましたが、収録時間が約40分と短めでした。


今回はDisc 1にハワード・ショアの劇伴を30曲68分、Disc 2にMilan盤の内容をまるっと収録し、ボーナストラックとしてバージョン違いの劇伴などを21曲追加収録しています。Disc 2の収録時間は約66分なので、合計135分くらいかな。

Howard Shore/ Cop Land (2CD) – amazon
Quartetの製品情報ページのテキストによると、
『コップランド』のサウンドトラックは1997年にMilan Recordsから40分のアルバムとしてリリースされましたが、完全版とは程遠いものでした。奇妙なことに、エンドクレジットのために作曲された力強く重厚な楽曲”Back to Work”が収録されていませんでした。
映画の再編集とスタジオの基準変更に伴い、ショアはスコアの大部分を書き直し、編曲し直しました。その追加部分約30分は、2枚目のディスクのボーナストラックに収録されています。
オリジナルアルバムには独自のミックスと編集が含まれていたため、私たちはそれをそのままにリマスタリングしました。
とのこと。「映画の再編集とスタジオの変更基準に伴い劇伴を書き直した」という部分が気になる。
この映画は製作総指揮にハーヴェイ・ワインスタインが名を連ねているので、おそらくワインスタインが悪名高い”シザーハンズ”(監督の意向を無視して自分のやりたいように映画を”切り刻んで”再編集するのでこういう渾名がついた)を発動させたのでしょう。『コップランド』には劇場公開版より15分長いディレクターズ・カット版があるようですし。
ただ、前述のMilan盤サントラも独自のミックス/編集が施されたユニークなアルバムに仕上がっているので、今回のスコア完全盤にそのままの形で収録したようです。
確かに、そう言われてみればMilan盤は収録時間の短さがあまり気にならなかったし、当時自分もショアの劇伴が面白くてよく聴いたなぁと思い出しました。
本作のショアの劇伴のどこが面白いのかと問われたら、当方は「アンビエント・ミュージック系の劇伴をオーケストラで聴かせるところ」と答えたい。ブックレットに「シンクラヴィア・プログラマー」の名前が載っているので、電子楽器も使っているのですが、重厚なストリングスの音と一打一打の音が重いパーカッション、これまた分厚い音のブラスが渾然一体となって音響系のサウンドを聴かせる構成が実に聴き応えあります。
警察官のドラマなので、バグパイプを使って彼らのバックグラウンドを示唆する音楽演出もよき。ショアの実験精神に満ちた劇伴というべきでしょうか。Quartetの製品紹介のテキストにも書いてあったエンディング曲、”Back to Work”の勇ましくも哀愁を感じさせる曲調も印象的です。
この時期のショアは『羊たちの沈黙』(90)、『セブン』(95)、『クラッシュ』(96)などスリラー劇伴で秀作を次々と発表していた頃なので、『コップランド』はまさに脂の乗った時期のショア作品と言えるかもしれません。このあと『ザ・セル』(00)で前衛的なサイコスリラー劇伴を作曲するのですが。
『コップランド』は派手さこそないものの、緻密に作り込まれた劇伴だと思います。
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