
先頃NHK BS1「プレミアムシネマ」で『ドラブル』(74)の放送があったとき、ロイ・バッドの音楽がよかったのでサントラ盤を衝動買いしてしまいました。まだCDで買えたというのが実に運が良かった。
その後バッドの音楽に遅ればせながらハマってしまった当方は、「ほかにもロイ・バッドのサントラを聴きたいな」と思って購入可能な製品を調べて回っておりました。

そういえば『狙撃者』(71)こと『GET CARTER』のサントラは「DJ必携のクールなサウンド」とか言われていたなと思い出し、リメイクの『追撃者』(00)でタイラー・ベイツさんがカヴァーしていたテーマ曲も確かにカッコよかったので、この機会にオリジナル版の音楽をじっくり聴こうと思ったのでした。

しかしこのバンド・デシネ風なコマ割ジャケットのCDアルバムは既に廃盤。これはデジタル版で買うしかないかな…と思っていたところ、なんとCherry Red Recordsから発売になったCD3枚組のハードブック・エディションなる形態のサントラ盤がまだ「在庫あり」になっていました。

Get Carter Original Motion Picture Soundtrack (Deluxe 3CD Hardback Edition) – amazon
Get Carter Original Motion Picture Soundtrack (Deluxe Edition) – amazon music
通常盤のサントラを買うよりちょいと値が張るな…と思ったものの、こういうときにケチって購入を見送ると往々にしてあとで後悔することになるので、思い切って買ってしまいました。

実際に製品を手に取ってみると、「なるほど確かにハードブック仕様ですな」という感じ。
映画音楽評論家のライナーノーツにロイ・バッドの過去インタビュー集、参加ミュージシャンの紹介&コメント集、楽曲解説、映画ポスター集やスチール写真集など読み物がとても充実した内容。
CDのほうはディスク1が通常盤サントラで劇伴と劇中のセリフが交互に収録されていて全22曲、Disc 2が未発表曲や別バージョン、メインテーマのリミックス集で全18曲(劇中のセリフのトラックもあり)、Disc 3はロイ・バッド作品集で『ドラブル』、『マルセイユ特急』(74)、『Mr.ダイヤモンド』(75)などの作品から1曲~3曲ずつバッドの劇伴をセレクトした全19曲という構成。
こうして聴いてみると、「考えていたよりも歌曲の割合が多い映画だったんだな」という印象でした。なにしろ当方は映画本編を観る機会に全く恵まれず、本家より先にリメイク版の『追撃者』を観ただけなので、『狙撃者』の詳細がよく分からんのです…。BSでもCSでもなかなか放送してくれないし、円盤も入手困難っぽいし。
それにしてもロイ・バッドの劇伴はクールで素晴らしい。
メインテーマにハープシコードを使うというのもユニークだし(本作に先駆けてジョン・バリーも『国際諜報局』(65)で使ってますが)、ベースとタブラでグルーヴィーなリズムを生み出して、ウワモノとして乗せる音は基本的にエレピとピアノ程度というベースラインを際立たせるための工夫が光ります。「引き算の美学」とでも申しましょうか。
このようなクールなジャズ劇伴を作曲した当時のバッドは若干23歳だったというのだから、さらに驚きです。46歳の若さで亡くなられたのが本当に悔やまれます。
ちなみに「『狙撃者』のカッコいいテーマ曲」としてリスナーに認知されているバージョンは、おそらくDisc 2の14曲目”Get Carter (7″ Single Version)”でしょう。
原曲(Disc 1の1曲目と2曲目)だとハープシコードのイントロとメインテーマ部分が分かれている上、メインテーマ部分に地下鉄のSEが入れてあるので。
豪華な装丁のブックレットを読了すれば、『狙撃者』の音楽についてはほぼほぼ知識を網羅できるのではないかなと思います。
お盆休みにでも英和辞典片手に読んでみますかね。。
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