「潜水艦/海戦アクション映画のサントラはハズレなし」の法則は『グレイハウンド』にも当てはまるというお話。

ランブリング・レコーズ様からのご依頼で、Apple TV+で配信中の映画『グレイハウンド』(20)のサントラ盤に音楽解説を書かせて頂きました。
音楽担当はテレビシリーズ『ARROW/アロー』や『メンタリスト』のブレイク・ニーリー。
ワタクシ的には、2000年代のハンス・ジマー(およびリモート・コントロール・プロダクションズのアーティスト)の作品でオーケストラ指揮や追加音楽の作曲を担当していたイメージが強い作曲家です。

『グレイハウンド』オリジナル・サウンドトラック(TOWER RECORDS)

『グレイハウンド』の音楽については差込解説書でかなり詳しく書かせて頂きましたし、BANGER!!!でニーリーさんにインタビューもさせて頂いたので、正直もうブログで書くネタがありません。。

Uボートの不気味さと緊張感を増幅させる音楽!
トム・ハンクス主演最新作『グレイハウンド』の作曲家が語る
https://www.banger.jp/movie/43397/

しかし、せっかくなのでもうちょっとネタを絞り出してみたいと思います。

『グレイハウンド』のサントラ盤は発売日が一度延びましたが、これはワタクシが原稿の締め切りに遅れたからではありません(ちゃんと期日までに入稿しました)。あくまで制作上の都合というやつです。

このサントラがCDプレス盤でリリースされるのは日本だけということで、それなら差込解説書で作曲家さんにインタビュー出来ればいいなと考えたのですが、先方(ニーリーさん)からなかなか返事が来なかったんですね。

で、「残念ながら今回はインタビュー実現せずだなぁ」と思って原稿を書き上げたのですが、なんと原稿の締め切り日の翌日にニーリーさんから「インタビューOKだよ!」というお返事が来たのでした。
「これはラッキー!」と喜んだ一方で、「もう差込解説書の原稿は送っちまったぞ、どうするんだよ自分!」と困惑する事態になりまして、さてどうしたものかと悩みに悩んだ結果、「BANGER!!!の連載コラムにインタビュー記事を載せる」という案を思いつきまして、ニーリーさんも「それでいいよ」と言ってくれたので、先述のインタビューが実現したのでした。

自分のインタビューを読み直してみて、「”Uボートのテーマ”の音はどうやって作ったんですか?」と安易に聞かなくてよかったとつくづく思いました…。
そして自分の音楽分析が的外れでなかったことを実感出来て、心底ホッとした次第です。

さてその『グレイハウンド』の音楽はどんな感じかと申しますと、

『ダンケルク』(17)と『ハンターキラー 潜航せよ』(18)の中間

…という表現がしっくりくるのではないかなと思います。

基本的には『ダンケルク』のようにメロディではなくテクスチュアで聴かせるスコアなのだけれども、Uボートとの戦闘シーンでは、『ハンターキラー』のような激しいアクションスコアをちゃんと聴かせてくれています。


しかし『クリムゾン・タイド』(95)のように雄大なメロディが流れるスコアとも違う。
まぁ『グレイハウンド』は最後の最後で明確なメロディを持ったメインテーマがフルで流れますが。
個人的にはメタリックな質感を持った、鈍色の硬質なサウンドが気に入っています。
第二次世界大戦の頃の話ですが、音楽自体は現代的な要素もかなり入っている感じ。

ミリタリーアクション映画の音楽が大好物な方ならば、気に入って頂けること請け合いのサントラでございます。

『グレイハウンド』オリジナル・サウンドトラック
音楽:ブレイク・ニーリー
発売・販売元:Rambling Records, Inc.
発売日:2020/10/21
品番:RBCP-3380
価格:2,400円(税抜)

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