最近買ったサントラ盤(『カンバセーション…盗聴…』リマスター盤, 『ゴッドファーザー』公開50周年記念リマスター盤)

先日ツイートしたとおり、Silva Screen Recordsからリリースになった『カンバセーション…盗聴…』(74)のリマスター盤サントラを買いました。
Intradaからサントラが発売になったのが2002年だから、もう20年以上経ったんですねぇ。確か自分が初めて買ったIntradaのサントラだったと思います。

今回のリマスター盤はデジパック仕様。
盤面が録音テープのリールのデザインになっているのがよい感じです。
リマスター盤というだけあって、音質もなかなかよくなっているという印象。
Intrada盤よりピアノの音が気持ちクリアになっているような気がします。

それにしてもデヴィッド・シャイアの物憂げなピアノ劇伴はいつ聴いても素晴らしい。スリラー映画でこういう劇伴を聴かせる作品は近年めっきり少なくなっていて、「ピアノだけのスコア」となると『ザ・ファーム/法律事務所』(93)ぐらいなんじゃないかと思います。

もっとも、低予算のテレビ映画の作曲を続けていたシャイアは、「コッポラが監督するメジャースタジオの映画だから、潤沢な予算でオーケストラ音楽が書けるぞ」とワクワクしていたのに、コッポラから「この映画ではオーケストラよりピアノソロがふさわしいと思う」と言われて当初かなりガッカリしたそうですが。

そしてドキュメンタリー映画『ようこそ映画音響の世界へ』(19)を観たあとだと、音響編集者のウォルター・マーチがテープ操作した曲や、シンセ奏者のクラーク・スパングラーがピアノの音をひずませた曲のようなサウンドデザイン系の劇伴がとても面白く聞こえてくる。音がよくなったアルバムで聴く音響系スコアも実に味わい深い。

ではリマスター盤を買ったらもうIntrada盤には用がないかというと、決してそうではありません。
デヴィッド・シャイアとウォルター・マーチ、フランシス・フォード・コッポラのセルフライナーノーツが読めるのはIntrada盤だけだからです(今回のリマスター盤のライナーは別なライターが書いてます)。自分にとってはどちらも大切なサントラです。

The Conversation OST (2023 Remaster) – amazon
The Conversation OST (2023 Remaster) TOWER RECORDS

で、コッポラ繋がりと言うことで、昨年の大晦日に届いた『ゴッドファーザー』(72)の公開50周年記念リマスター盤もご紹介します。


La-La Land Recordsから発売になったこちらのサントラは、「コッポラとアメリカン・ゾエトロープの承認を得て制作された、スタジオ保管音源からマスタリングしたアルバム」とのこと(ランブリング・レコーズさんのサイトより)。

『ゴッドファーザー』オリジナル・サウンドトラック(公開50周年記念リマスター完全盤) – amazon
『ゴッドファーザー』オリジナル・サウンドトラック(公開50周年記念リマスター完全盤) – TOWER RECORDS

Disc 1の収録時間が約1時間6分、Disc 2が47分ということで、約31分の通常盤サントラに慣れてしまった身としては「本編でこんなに曲使ってたっけ?」と思いましたが、Disc 2は通常盤の内容をそのまま収録したものとカーマイン・コッポラの追加音楽が約15分、Disc 1はニーノ・ロータの本編使用スコアと未使用スコア、長尺バージョン、別テイクなどを収録という内容でした。
50年前の音源が良好な状態でよく残ってたなぁという感じです。
前述の『カンバセーション…盗聴…』のように、こちらもメロディアスな「愛のテーマ」だけでなく、”The Halls of Fear”のように巧みなアレンジで聴かせるスコアもよかったです。ライナーノーツも大変読み応えがあり、年末年始は英和辞典片手に読みふけっておりました。

今後衛星の映画チャンネルで『ゴッドファーザー』があっても、このサントラでロータの音楽世界を自宅で思う存分楽しめるようになりました。
作品と作曲家の人気を考えると、品切れになるのも早いのではないかと思いますので、気になる方は早めの購入をおすすめします。値段が高くて購入を見送ったものの、のちに気が変わって欲しくなり、その頃には在庫切れになっていて「やっぱりあの時買っておけばよかった…」と後悔するのも悲しいですからね。

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