Knight and Day

knight and day

「『ナイト&デイ』(10)かぁ。これってトム・クルーズのワンマン映画なんでしょ?」とあんまり興味がわかなくて、今日の今日まで未見のままだったのですが、「ホール&オーツが好きなら見ておいて損はないですよぉ」と友達に勧められたので、DVDにて鑑賞。

劇中、「ゼファー」なる画期的なアイテムを発明した天才青年サイモン(ポール・ダノ)がホール&オーツのファンという設定で、サイモンの隠れ家で”Private Eyes”が流れていたり(結構長い時間かかってた)、トム・クルーズ扮する主人公ロイからH&Oの缶バッジを貰って喜んだりするシーンがありました。なるほどこういう事ね。

この映画、もっとヒットしてたら「ホール&オーツのリバイバル・ブーム到来!」みたいな感じで話題になっていたかもしれない。実際のところは『(500)日のサマー』(09)の”You Make My Dream”ほど注目されなかった気がするので、そのへんがちょっと残念。

で、肝心の映画本編なのですが、「トム・クルーズのワンマン映画」というのは当たらずしも遠からずという感じ。女性に親切で正義感が強くて、格闘も射撃も飛行機の操縦もバイクの運転も料理も完璧にこなす凄腕エージェントのロイ=トム様が、キャメロン・ディアズを巻き込んで大暴れするお話。「俺ってカッコイイよね?」というクルーズのナルシストぶりが好みの分かれるところですが、「この人、48歳になっても二枚目願望が捨てきれないんだなー」と思って見ると微笑ましくもあります。『トロピック・サンダー』(08)のあの役も、「俺はハンサムだけどこんな役だって出来るんだぜ」みたいな二枚目願望の裏返しみたいなキャラだったし、この人のナルシストっぷりは、もはや笑って見るしかないのではないかと。

・・・というわけで、ちょっと見方を変えると意外と楽しめる映画かもしれません。監督が『3時10分、決断の時』(07)のジェームズ・マンゴールドなので、決して駄作ではありません。結論から言えば、友達の勧めに従って本編を観てよかったなーと思いました。

オリジナル・スコアはジョン・パウエル。『ジェイソン・ボーン』3部作や『ミニミニ大作戦』(03)の流れを汲む、ブラジル/スペイン音楽のエッセンスを取り入れたパーカッション鳴らしまくりのイカすスコアを書き下ろしてます。『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』(11)のサントラにも参加しているロドリゴ・イ・ガブリエラがギタリストの一人として名を連ねているのも要チェック。聞いていて面白い音楽なので、パウエル・ファンならサントラも”買い”でしょう。

既製曲ではザ・キングスメンの”LOUIE LOUIE”とか、物語序盤のロイが飛行機の中で大暴れするシーンで流れるゴタン・プロジェクトの”SANTA MARIA”とか(別な場面では”DIFERENTE”も使われてます)、主題歌的扱いのブラック・アイド・ピースの”SOMEDAY (THEME FROM KNIGHT AND DAY)”とか、選曲も結構気が利いてまして、一見大味に見えて、実は意外と細部にこだわって作られている映画なんじゃないかな、とも思いました。

なお、映画『コンフィデンス』(03)からクリストフ・ベックの”DOLBY’S CON”、『サブウェイ123/激突』(09)からハリー・グレックソン=ウィリアムズの”AN ASS MODEL NAMED LAVITKA”のスコアが流用されていた事を補足させて頂きます。パウエルのスコアとかけ離れたノリの音楽というわけでもないので、映画を観ていてもそれほど違和感はありませんでした。

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