鬼教師フレッチャーのドSな指導はアレだけど音楽は素晴らしいです。 『セッション』サントラ盤のお話

whiplash

ランブリング・レコーズさんが『ナイトミュージアム/エジプト王の秘密』(14)のサントラ盤を送ってくれた時、
「同時期にこのタイトルもリリースするんですよー」的な感じで同封して下さった、
映画『セッション』(14:原題”Whiplash”)のサントラ盤。
仕事が落ち着いたのでじっくり聴いてみましたが、
いやーなかなかカッコいいジャズ・アルバムではありませんか!

映画的にはプレイタイム9分14秒のトラック6「キャラバン」が最重要ナンバーなのでしょうけれども、
その前のトラック4「ウィップラッシュ」がクセになるカッコよさ。
何度も何度もアルバムを聴いていると、

♪パーパパパーパパーパパパパッ!
♪パーパパパーパパッパパー!

…という威勢のいいイントロがクセになって、
気がついたら脳内リピート再生されているという恐ろしさ。
フレッチャー先生の体罰・暴言・罵倒何でもありのドS極まりない指導は御免被りたいですが、
本盤に収められた楽曲のクオリティの高さは認めざるを得ません。

「キャラバン」に関しても、
こんな鬼気迫る演奏のバージョンは初めて聴きました。
曲間のハイテンションなドラムソロがすさまじい。
スカパラがライブで演奏する「スキャラバン」とも違うテンションの高さ。
映画『ショコラ』(00)でジョニー・デップが披露したスローアレンジの「キャラバン」とは対照的。
(あれはあれでいいアレンジなので、比較すること自体が間違いなのですが)

ワタクシ体育会系のシゴキ教師にロクな思い出がないので、
映画本編を見るのはかなりツラいだろうなと躊躇していたのですが、
サントラ盤を聴きこんでしまった以上、
やっぱり本編も観に行くことになるんだろうなーと思います。
映画の評価もいいみたいですしねぇ。

 

ところでこの『セッション』のサントラ盤、

「I want to be One of The Greatest」
「If You Want The Part, Earn It」
「He was A Beautiful Player」

…の3部構成になってまして、
US盤のトラックリスト(曲目)や作曲家のクレジットをネットで見た時、
「もしかしたらこういうカテゴリーに分けてるのかもしれないなー」と自分なりに推測していたのですが、
日本盤のライナーノーツを見たらほぼそれに近いことが書いてあって、
おおお、自分の分析能力も満更ではないなーとちょっと嬉しくなりました。
まぁここで構成の仕組みを書いてしまうのも無粋ですので、
これに関しては国内盤をお買い求め頂いて、
真相を究明して頂くのがよろしいかと。

 

なお本作の音楽担当としてジャスティン・ハーウィッツと共にクレジットされているティム・シモネックですが、
彼はマイケル・ジアッキーノの作品でオーケストレイターを担当している方ですね。
『Mr.インクレディブル』(04)でもオーケストレイターを務めているので、
そりゃあビッグバンド・ジャズの鳴らし方も上手いわけです。

吹奏楽部に所属している(あるいはかつて所属していた)ジャズ男子/女子は必聴の1枚ではないかと。

 

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