『ジェイソン・ボーン』のサントラ盤が届いたので聴いてみた

jasonbourne

映画の日本公開は10月ですが、
タワレコから『ジェイソン・ボーン』(16)のサントラ盤が届いたので早速聴いてみました。

監督・共同脚本はポール・グリーングラス。
グリーングラスとマット・デイモンが製作にも名を連ね、
製作総指揮にはダグ・リーマンの名前も。
撮影監督のバリー・アクロイド、
編集兼脚本のクリストファー・ラウズもグリーングラス作品の常連スタッフ。
音楽もジョン・パウエルが戻ってきました。

ただし今回はジョン・パウエルとデヴィッド・バックリーの共同クレジット。
バックリーはハリー・グレッグソン=ウィリアムズと『ナンバー23』(07)や『ザ・タウン』(10)などで仕事して、
ソロ作品では『ドラゴン・キングダム』(08)や『パリより愛をこめて』(10)、『PARKER/パーカー』(13)などを代表作に持つ作曲家。
バックリーの加入で、『ジェイソン・ボーン』の音楽は過去作品とどう変わったのかが注目ポイントだったわけですが、
ワタクシがサントラを聴いた感じでは「電子音率がやや高くなった」という印象を受けました。

 

ワタクシがライナーノーツを書かせて頂いた『ボーン・アルティメイタム』サントラ盤。
ワタクシがライナーノーツを書かせて頂いた『ボーン・アルティメイタム』サントラ盤。

ワタクシ『ボーン・アルティメイタム』(07)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂いた時、
リサーチで前作と前々作の音楽もかなり聴きまくったのですが、
このシリーズはまず1作目の『ボーン・アイデンティティー』(02)で音楽の基本形が出来上がって、
次の『ボーン・スプレマシー』(04)で「デジタルビート控えめ、ライブ・パーカッション増し増し」のサウンドになって、
『ボーン・アルティメイタム』(07)でシリーズ最速のリズムのスコアになったという感じでした。

今回の『ジェイソン・ボーン』は電子音がやや多めになったことで、
1作目のサウンドに若干近くなったかなというのがサントラを聴いた時の第一印象でした。
ライブ・パーカッションのダカダカドコドコ率は『スプレマシー』が最強で、
シリーズ最速のリズムは『アルティメイタム』が依然として譲らず、という感じ。

収録曲はこんな感じ。
収録曲はこんな感じ。

アルバムはパウエルのスコアが15曲と、
MOBYの「Extreme Ways」の新バージョンの全16曲で収録時間61分くらい。
ちなみに収録時間は1作目のサントラが54分、
2作目が48分、3作目が55分くらいでした。

さすがにシリーズ全ての音楽を手掛けた来たパウエルだけあって、
過去作品で聴いたことのあるメロディーやフレーズがあちこちで聞こえてくるので、
アルバムを聴いていると「あー、ジェイソン・ボーンが帰ってきたなぁ」という気分になってきます。
やっぱりパウエルの打楽器ドコドコ・サウンドはいい。
3曲目のConverging In Athensあたりから段々エンジンがかかってくる感じで、
「リズムギターのようにザクザク刻むストリングス」
「切れ味鋭いフィジカルなビートを畳み掛けるパーカッション」というシリーズおなじみのサウンドが出てきます。
4曲目のMotorcycle Chaseが前半のハイライトかなと。

11曲目のLas Vegasで、『アルティメイタム』のウォータールー駅の場面の音楽に似たリズムパターンが出てきますね。
たぶんシチュエーション的にも似たような感じのシーンなのではないでしょうか。
(まだ本編を観てないから分かりませんが)

 

ワタクシこのブログネタを書くために、
わざわざシリーズ全作のサントラを聴き直しましたが、
『アルティメイタム』のTangiersやWaterloo後半のスピード感溢れるパーカッション演奏はいま聴いても凄まじいし、
『スプレマシー』のBim Bam Smashのキャッチーなギターリフ&ツインドラムは神懸かり的ですらありますね。。
今回の『ジェイソン・ボーン』のサントラもいい出来だとは思うのですが、
「この曲スゲェよ!」という飛び抜けたインパクトの曲がちょっと見当たらないかな、という感じ。
そのぶん全体的な音楽のまとまりはいいということにもなるのですが。
まぁ、このあたりは映画本編を観たら印象が変わってくるのかもしれません。

…と、いろいろ書いてしまいましたが、
とりあえずシリーズのファンは今回のサントラを買って損はありません。
“あの”待ちに待ったジョン・パウエルの音楽がまた聴けるわけですから。

過去のシリーズ作品はこちら。

 

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